「学校にはもう行かない!」ASDの息子からの不登校宣言
「学校にはもう行かない!」
子どもからの突然の宣言に動揺してどうしたらいいかわからない、そんなお悩みはありませんか?
私は息子に、5年生の夏休み明けに不登校宣言をされてしまいました。
不登校になる前に登校しぶりがひどくなるなどの予兆があったとはいえ、いざ不登校になった息子を目の前にすると、私はひどく動揺しました。
息子は自閉症スペクトラム(ASD)の特性があります。
コミュニケーションの苦手さを持っています。
何か学校で嫌な思いをしたのだろうか…
友達トラブル?
先生に怒られた?
勉強が難しくて嫌になった?
毎日の宿題をやりたくないだけ?
私の頭の中は、原因探しでいっぱいになりました。
不登校が始まったはじめの1週間は、
「何で学校に行けないのかがわからない、でも行けないから困っている」
と学校を気にする素振りを見せていた息子ですが、
不登校になってから9日目、可愛がってくれていた同居の祖父が亡くなったことをきっかけに
「学校にはもう行かない!」
と息子から完全不登校宣言をされてしまいました。
ASD不登校男子は質問責めが苦手
子どもが不登校になると、ママとしては
「何か原因があるに違いない!原因を聞き出して解決すればまた元のように学校に行けるようになるはず!」
と思って原因を子どもに問い詰めたくなりますよね。
けれども、ASDタイプの子どもは、矢継ぎ早に質問されることが特に苦手。
ママからの多すぎる情報量を脳が処理しきれなくて、パニックになってしまいます。
不登校で塞ぎ込んでいるところにさらにパニック状態になると、もう何を言ってもママの声は子どもに届きません。
毎日この状態を繰り返していると、子どもはどんどん心を閉ざしてしまいます。
学校でもストレスを抱え、家庭でも心が休まる場所がない子は、家族との会話を避けるようになったり、部屋から出てこなくなってしまったりする恐れもあります。
不登校から引きこもりなどの2次障害への移行は避けたいものです。
エネルギー枯渇状態のASD不登校男子
ほとんどのASDの子は、学校に行けない本当の原因はわからないでしょう。
なぜなら、原因は1つではなく複雑に絡み合っているからです。
ですので、ママが原因を問い詰めたときに、仮に子どもが何らかの理由を話したとしても、それは氷山の一角にすぎないと捉えたほうがいいでしょう。
子どもが言葉にできないモヤモヤした思いが、水面下に大きく広がっているはずです。
不登校初期は、学校で頑張りすぎた子どもの心のエネルギーが涸れている状態です。
いわば、心のコップが空っぽになっている状態です。
そのために、子どもは暴言が出やすかったり幼児返りする様子が見られたりするので、ママの心も穏やかではいられません。
ですが、子どもが学校に行けないことを責めない、無理強いをしない。
ママの学校に行ってほしい思いは、一旦横に置きましょう。
代わりにASD男子の不登校初期にママが心がけることは1つだけ。
不登校の原因を探るよりも、まずは家庭で子どもをゆっくり休ませてあげましょう。
不登校初期に必須!ママができるエネルギー注入方法
では、具体的にどのような対応をすればいいのでしょうか。
不登校初期には「できていない行動」には、ママの注意を向けないという対応を続けます。
「できていない行動」とは、
学校に行けないこと、
勉強をしないこと、
ゲームばかりやっていることなどです。
ついチクリと言いたくなってしまいますが、ここはあえてスルーしましょう。
そして、朝起きた、
ご飯を食べた、
お風呂に入った、
このような子どもの当たり前だと思う行動を、
「お、起きたんだね」
「お、ご飯食べたんだね」
「お、お風呂に入ったんだね」
とママが笑顔でこまめに声をかけていきましょう。
ASDの視覚優位なタイプでしたら、親指を立てたグッジョブポーズを声かけと一緒に付け加えると、子どもに「ママが自分のことを受け入れてくれている」と記憶されやすくなりますよ。
特に生真面目気質なASDの子は、学校に行けない自分を責めてしまいがちです。
そんなときに、いつもと変わらない笑顔のママに接することで、「自分はここにいていいんだ」と家庭の中を安心基地にすることができます。
安心できる基地を持つことは、ASDの子が成長するための大事な要素の1つになります。
ですからママはまず、子どもの涸れている心のエネルギーのコップに水を注ぐことを優先しましょう。
不登校となり毎日元気のないASDの子でも、ママが笑顔の声かけを続けていくと3週間もすると表情に明るさが戻ってきますよ。
そして、ママがほっとする時間やリフレッシュする時間を持つことを忘れないでくださいね。
ASD男子の不登校初期は充電期間だと思って、どっしり構えてママは焦らずにいきましょう。
執筆者:鶴木まみ
(New Mammyアンバサダー★)
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