「叱る」は逆効果!小学1年生の暴言暴力が落ち着くその原因と解決策を解説します

小学1年生になってから急にお子さんの暴言暴力が増え、不安を感じていませんか?それはしつけの問題ではなく、脳の未熟さと環境変化が関係しています。その原因を脳科学の視点から紐解き、今日から家庭でも実践できる具体的な関わり方を解説します。

小学1年生の暴言暴力はなぜ起きる?入学直後に現れたサイン

小学校に入ってから、急に言葉使いが荒くなったり、イライラすると叩く、乱暴な行動が増えたりして戸惑っていませんか?

注意してもなかなか暴言暴力がおさまらず、「このままで大丈夫かな?」と不安になることもありますよね。

我が家の息子も、小学生になって間もなく、様子が大きく変わりました。

それまで穏やかだった言葉づかいが急に荒くなり、少しイライラしただけで兄を叩くようになったり、椅子をひっくり返したりするなど、乱暴な行動が目立つようになったのです。

「小学校が楽しくないのかな」
「何かつらいことがあるのかな」

理由がわからないまま、私は毎日、強い不安を抱えながら息子の様子を見ていました。

さらに心配だったのは、家だけでなく、小学校でも同じようにお友達に暴言暴力をしていないかということです。

もし誰かを傷つけていたらどうしよう、トラブルを起こしていたらどうしよう…。

そんな不安が頭から離れず、気持ちが休まることはありませんでした。

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暴言暴力を「様子見」しないで!感情コントロールが育つ大事な時期とは

息子の変化に戸惑いながら、「どうしてこんな乱暴な行動が出るんだろう」と原因を探し続けました。

脳の仕組みや子どもの発達を学んでわかったのは、暴言暴力は“わがまま”や“しつけ不足”ではなく、環境の変化に脳が必死についていこうとしているサインだということでした。

小学校に上がると、生活リズムは一気に「学習中心」へと切り替わります

座って話を聞く時間が増え、集団行動やルールも一気に増えるため、子どもの脳は想像以上にフル稼働の状態になります。

まだ体も心も小さい小学1年生にとっては、それだけで精一杯なのです。

さらに、小学1年生の脳は、感情コントロールする力がまだ十分に育っていません

不安や緊張、疲れがたまると、うまく言葉で気持ちを表現できず、イライラや怒りとなって外にあふれ出てしまいます。

その結果、叩く・物に当たるなどの乱暴な行動として表れることもあります。

そしてもう一つ大きなポイントが、脳には「繰り返した行動を覚える」という性質があることです。

怒ったり暴れたりすることで一時的に気持ちが発散されたり、大人の反応が返ってきたりすると、その行動が脳の中で“いつものやり方”として定着してしまいます。

こうして、環境の変化による負荷、感情コントロールの未熟さ、そして脳の繰り返す特性が重なることで、暴言暴力や乱暴な行動として気持ちを表しやすくなってしまいます。

小学1年生の時期は、感情をコントロールする力や、気持ちを切り替える力、人との距離感など、社会の中で生きるための“脳の土台”が一気に育つ時期です。

毎日の小学校生活そのものが、脳を大きく成長させていきます。

この時期に、イライラしたときの対処法として

・暴言暴力で気持ちを処理する
・怒られること落ち着かせる
・強い刺激がないと安心できない

というパターンが繰り返されると、それが脳の“当たり前の回路”として固定されてしまいます。

一度固定された行動パターンは、学年が上がるほど修正に時間とエネルギーが必要になります。

「もう少し様子を見よう」と先送りにするほど、乱暴な行動や、暴言暴力は習慣化しやすくなってしまうのです。

逆に言えば、脳の柔軟性が高い今の時期だからこそ、関わり方を少し変えるだけで、子どもの反応は驚くほど変わっていきます。

脳はおよそ3か月あれば、新しい回路をつくることができると言われています。

だからこそ、小学校入学後の変化に向き合う今、ママが「子どもを安心させるコミュニケーション」を身につけることが、子どもの未来を守る大きな一歩になります。

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暴言暴力を減らしたい!小学1年生の家庭対応3ステップ

では、家庭ではどのように関わっていけばいいのでしょうか。

大切なのは、 暴言暴力や乱暴といった「好ましくない行動」に巻き込まれず、子どもの脳に “安心できる体験”を積み重ねていくことです。

ポイントを3つ紹介します。

好ましくない行動は「ディスタンシング」で対応

叩く、暴言を吐くなどの行動が始まったときは、必要以上に反応せず、静かに距離をとります。

このことを「ディスタンシング」といいます。

これは、 無視や放置とは全く違います。

子供がイライラして暴言を吐いたり叩こうとしたりすると、つい注意したり説教をしたくなります。

しかし、その反応が強いほど子供の脳は刺激を受け、興奮状態が長引いてしまいます。

「 ディスタンシング」 ではまずママ自身が安全を確保した上で、言い返したり、説教したりせずに、子供との距離を取ります。

ポイントはママが子どもの感情に巻き込まれないことです。

そして、子どもが落ち着いてきたタイミングで「 落ち着けたね」 と安心を脳に届ける声かけをしていきます

この関わりを続けることで、子どもは

「 暴言や暴力をしても、 大きな反応は返ってこない」
「 落ち着いたときには安心がもらえる」

という経験を脳に積み重ねていきます。

結果として感情を別の方法で処理する力が少しずつ育っていきます。

スキンシップで「安心」をに満たす

スキンシップは、不安を和らげ、脳の緊張を下げる大切な働きを持っています。

安心感が満たされることで、感情コントロールしやすくなり、攻撃的な反応は自然と減っていきます。

例えば

・ ぎゅっと抱きしめる

朝起きた時、帰宅した時、寝る前などに子どもをギュッと抱きしめます。

「大好きだよ」
「今日も頑張ったね!」

と声かけすることで不安が下がり安心を脳に届けられます

・ 背中や腕を優しくなでる

テレビを見ている時は、寝る前に、背中や腕をゆっくりなでます。

ゆったりとしたふれあいは、緊張が和らぎ、気持ちを落ち着かせる効果があります。

・ 手をつないで短い会話をする

外出時や寝る前など、手をつなぎながら

「 今日楽しかった事は?」
「 今どんな気持ち?」

と短い会話をします。

触れる安心と会話が合わせることで、心の安定につながります

「選べた!」の成功体験をつくる

「 選べた!」 と言う体験は、子どもの脳に「 自分で決められた」「 コントロールできた」 という1つの成功体験の記憶を残します。

これは感情コントロールを育てる大切な土台になります。

このように、「安心」「選択」「成功体験」を積み重ねることで、小学校低学年の子どもの脳は、暴言暴力や乱暴な反応を手放し、落ち着く方向へと育っていくことができます。

ママの関わりで暴言暴力はここまで変わる!脳を育てた息子の変化

この関わりを意識して続けていくうちに、少しずつ息子の様子に変化が見られるようになりました。

以前は、イライラするとすぐに兄を叩く、物に当たる、荒い言葉をぶつけるといった暴言暴力が続いていましたが、気づけばそうした乱暴な行動はぐんと減っていきました。

今では嫌なことやイライラした時は、「ママ、〇〇が嫌だ」や「これができない」など自分の気持ちを”言葉”として伝えられるように変化が見られるようになってきました。

私自身も「また怒るんじゃないか」という不安から解放され、親子で笑い合える時間が増えていきました。

子どもの行動が変わるとき、実は一番先に変わるのは、親の関わり方です。

安心が積み重なることで、子どもの脳はちゃんと落ち着く方向へ育っていく。

そのことを、私は息子との日々を通して実感しています。

執筆者:華田さち
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)