ついうっかり言ってしまう「失言」。発達障害の子どもたちにとって、お友達とのトラブルや孤立に繋がる大きな課題の1つです。こんな失言にお困りの方にオススメ!相手との関係を壊すことなく自分の感情も表現できる「言い換えテクニック」をご紹介します。 |
【目次】
1 発達障害の子どもたちの突発的な失言でお困りではありませんか?
2 言葉を言い換えるテクニックで、コミュニケーション能力がアップします。
3 トラブルが減り、コミュニケーションが増えると、脳もグングン発達する!
1 発達障害の子どもたちの突発的な失言でお困りではありませんか?
つい失言をしてしまうということは、大人になっても誰にでもあることです。ただし、発達障害、特に注意欠陥多動性障害(ADHD)のこども達の場合、不注意や衝動性の特性から、本人を目の前にして思ったことをそのまま口に出してしまうことがあります。
特に学童期のお子さんの場合は、相手もその言葉をそのまま受け取ってしまい、トラブルになってしまうケースも多いのではないでしょうか。
これは、本人には決して悪意はありません。が、集団から非難され孤立してしまう、いじめに発展してしまうと言ったリスクにも繋がってきます。
感情のコントロールができるようになるとこういったケースも改善していくのですが、そのトレーニングと同時に、「言い換える」というスキルを身につけることで、このトラブルを格段に減らすことができるのです。
2 言葉を言い換えるテクニックで、コミュニケーション能力がアップします。
角のある言葉を発する時は、感情が高ぶっていることが大半です。そんなときに「言ってはいけない」と言われても、なかなか受け入れることができないもの。さらにトゲのある言葉を言ってしまい悪循環に陥ってしまう場合もあります。
我が家の次男は負けて悔しい時や相手が羨ましいときに、しきりに「ずるい!」という言葉を使っていました。相手は、何もズルいことをしていないので、とても嫌な気持ちになります。
この言葉が原因で、幾度となくお友達とケンカになり、お相手の親御さんにお詫びに伺ったこともありました。
ただ、次男の「羨ましい」「悔しい」気持ちを否定することはできません。感情を否定することは効果的ではないのです。そこで、「ズルい」という言葉を別の言葉に言い換える練習を試みました。
先にも書いていますが、相手のことが羨ましいときには「いいな、羨ましいな」と。負けてしまったときには「残念だな。悔しいな。」と。言い換えることにしたのです。
次男の感情自体を否定することなく、その表現方法を変えることに視点を置いてみました。
そうすることで、保育園の先生も驚くほどにお友達とのトラブルが減っていきました。先生からは「お家で何をしているのですか?」と質問されてしまうほどです。
3 トラブルが減りコミュニケーションが増えると、脳もグんグン成長する!
では、実際に言い換えた言葉をご紹介いたします。
○負けて悔しい → 悔しいな。残念だな。
○相手が羨ましいとき → いいな。羨ましいな。
○勝って嬉しい → 勝って嬉しいな。
○言われたくないことを言われてしまったとき → 言わないでほしいな。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、全て最後に「な」とつけています。
この「な」をつけることで、あくまでも自分の気持ちを言っているというニュアンスを表現することができると、私は感じています。
この「な」をつけることで、あくまでも自分の気持ちを言っているというニュアンスを表現することができると、私は感じています。
実際に、大人の場合でも「羨ましい」と言ってしまうと負けたような気持ちになってしまうことがありますよね。そんな場合も「羨ましいなぁ!」と言ってみることで、相手との関係や空気を悪くすることなく感情を表現することができます。
「試合に負けて勝負に勝つ」と言ったところでしょうか。脳の中で、この折り合いをつけようとする働きが発達を促してくれる効果にもつながります。
ただ、これはあくまでも相手とのトラブルを避けるテクニックの1つです。どうしても言い換えができない場合や気持ちが収まらない場合もあるでしょう。そんな時にも、お子さんの感情は受け入れてあげてくださいね。
お母さんには、本音を話しても大丈夫!そんな安心感を持てる親子コミュニケーションを目指してまいりましょう!
執筆者:葉山 めぐみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)