息子は発達障害グレーゾーンの7歳です。何をするにも「こんなことが起こったらどうしよう」「できないかもしれない」と心配しすぎて、なかなか行動することができません。正直イライラしてしまいます…。こんな風に不安が強い、心配性の子どもにはどうやって対応すればいいのでしょうか?
7歳・男の子のママ
心配性でなかなか行動できない我が子を見ていると、「このままで将来大丈夫なのかな?」と不安になりますよね。そこで今回は同じような経験を持つ私が、発達障害グレーゾーンで不安が強い子どもから行動力を引き出す秘訣をお話しします。
発達科学コミュニケーション
トレーナー 森あや
【目次】
1.石橋を叩きまくる!超心配性だった息子
2.発達障害グレーゾーンの子どもの不安が強くなる原因は2つ!
◆環境
◆脳の発達が未熟
3.不安が強い子どもの行動力をUPさせる秘訣とは?
◆ポジティブな声かけをする
◆スモールステップで自信をつける
1.石橋を叩きまくる!超心配性だった息子
我が家の息子は発達障害グレーゾーンの小学1年生です。好奇心旺盛な反面、不安が強い特性も持っています。
そのため以前は
・ちょっとしたことがトラウマになり、それ以降挑戦しようとしない
・何をするにも心配しすぎてなかなか行動に移せない
などといった息子の様子に悩んでいました。
確かに、不安というのは危険を回避するためには欠かせない大事な感情です。しかしあまりにも不安が強いと新しいことにチャレンジできず、成長の機会を失ってしまうことにもなります。
そして何よりも問題なのは、行動しないと脳は発達しないと言うことです。
だからこそ心配性でなかなか行動できない我が子を見ていると、イライラしてしまったり「このままで将来大丈夫なの?」と不安にもなりますよね。
でもここでお母さんの心配を押し付けてしまうと、子どもはさらに不安を強めてしまうことになります。
不安が強い子どもに対処するには、不安を高める原因と正しい対応を理解することが重要なんです。
そこで今回は、不安が強い発達障害グレーゾーンの子どもから行動力を引き出す秘訣をお話ししていきます。
2.発達障害グレーゾーンの子どもの不安を高める原因は2つ!
まずは発達障害グレーゾーンの子どもの不安が強い原因について考えていきたいと思います。
◆環境
1つ目の原因は環境です。
環境と言うのは引越しなど自分を取り巻く状況の変化だけでなく、普段のお母さんの関わり方も含みます。
後で詳しくお話ししますが、発達障害グレーゾーンの子どもは様々な特性を持っているため、環境の変化や周囲の関わり方に大きく影響を受けます。
引越しなどの状況の変化はどうしても避けることができませんよね。でもお母さんの関わり方次第で、子どもの不安を減らしてあげることは十分可能なんですよ。
◆脳の発達が未熟
発達障害グレーゾーンの子どもは脳の発達が未熟です。
そのため、
・見通しの立たないことに強く不安を感じる
・嫌なことを記憶しやすい
・エンジンがかかりにくい
などの特性を持っています。
さらに苦手なことが多いため、普段から「できなかった」という体験をたくさんしています。
その結果「自分はできないことばかり」という思いを強くしてしまい、新しいことにチャレンジできなくなっているのです。
つまり不安が強い子どもから行動力を引き出すためには、「自分はできないことばかりだ」というネガティブな思い込みをポジティブな思い込みに書き換えて自信をつけてあげることが必要なんです。
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3.不安が強い子どもの行動力をUPさせる秘訣とは?
では不安が強い子どもから行動力を引き出す秘訣とはなんでしょうか?
今回は2つの対応を紹介します。
◆ポジティブな声かけをする
ここで1つ質問です。相談者さんは息子さんをしつけようとするあまり、ついつい
「早くご飯を食べないと遅刻しちゃうよ!」
「こぼさないように運んでね!」
なんて声かけをしていませんか?
実はこういった声かけはお母さんはしつけのつもりでも、子どもにとっては不安を煽る言葉でしかないんです。
「早くご飯食べないと遅刻しちゃうよ!」と言われると、子どもは「遅刻する」と言う部分を強くインプットしてしまいます。
また「こぼさないように運んでね!」と言われると、子どもは「失敗は許されない」とプレッシャーを感じてしまうこともあります。
こんな風に否定的な言葉を使うと、お母さんの本心が伝わらないだけでなく、子どもに大きな不安を与えてしまうことになるんです。
そこでお母さんにやって欲しいことは、ポジティブな言葉を使って子どもとコミュニケーンをとることです。
例えば
「ご飯を食べようね。〇〇君ならサクッと食べられるよ!」
「ゆっくり運んでね。そうそう、上手!」
などと、子どもがわかりやすいように指示を出して、やる気を引き出してあげてくださいね。
◆スモールステップで自信をつける
2つ目はスモールステップで自信をつけてあげることです。
先ほどもお伝えしたように、不安が強い子どもは「自分はできないことばかりだ」と自信をなくしている場合がとても多いです。
だからこそ、普段からお母さんの声かけで子どもの失敗を成功に変えることで自信をつけてあげて欲しいのです。
ここでは我が家の息子の例を紹介したいと思います。
以前、学校主催の夏祭りに行きドジョウすくいを体験したときのことです。
息子は1匹も取れず、しょんぼりしていました。しかし私は、
「初めてドジョウすくいにチャレンジできたね!すごいじゃん!」
「勇気を出して手で捕まえようとしてたね!頑張ったね!」
と息子のチャレンジできたと言う事実をたくさん褒めてあげました。
私の言葉を聞いた息子はにっこり。「ドジョウすくい面白かった!また来年もやりたい!」という言葉まで出てきたんです。
ここで私がやった対応は子どものできなかったことには言及しないで、できていたところに注目してあげたということです。
私たちはどうしても結果を重視してしまいがちですが、脳の発達がゆっくりな発達障害の子どもにとっては行動を起こすだけでも大変なこと。
「ここまでできた」というハードルをうんと下げて、できたところを褒めてあげて欲しいのです。
お母さんが子どもの「できなかった」を「できた!」に変えてあげる対応をすることで、不安が強い心配性の子どもに自信をつけ、やる気を引き出してあげることができるんですよ。
さて、以前は不安が強くなかなか行動できなかった息子ですが、私が対応を変えたことで大きく変化しました。
「知らない子と一緒にやるのは不安」と習い事にあまり積極的でなかったのに、「プログラミングが習いたい!」と教室に通い始めました。
大きい音が苦手なのに「ミュージカルを見てみたい!」と言い出し、劇団四季のライオンキングを観劇することができました。
こんな風に不安よりも自分の「やりたい!」と言う気持ちを優先して行動するようになってきたのです。
いかがでしたか?不安が強い心配性の子どもから行動力を引き出す秘訣は
・ポジティブな声かけをすること
・スモールステップで自信をつけること
の2つです。
相談者さんも焦らず息子さんのペースに合わせてやってみてくださいね。
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)