子どもには失敗しても何度でも挑戦してほしいのが親の願いですよね。それなのに過度に失敗や間違いを嫌がる発達障害グレーゾーンのお子さんはいませんか?大人の〇〇談を話すだけで子どもの失敗に対する恐怖心を和らげることができますよ。
【目次】
1.失敗や間違いを過度に嫌う発達障害グレーゾーンの子ども
2.失敗が許せないのは脳の特性?
3.不安や恐怖心を和らげるのは親の失敗談
◆親の失敗談と解決策を一緒に伝える
◆失敗ストーリーで疑似体験
1.失敗や間違いを過度に嫌う発達障害グレーゾーンの子ども
何かに挑戦するとき、失敗はつきものですよね。
私たち大人はたくさんの経験もあるし、失敗は当たり前ということが分かりますが、発達障害グレーゾーンの子どもの中には、失敗や間違いを過度に嫌がることがあります。
我が家には発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの息子がいます。
私が宿題の丸つけで間違いを指摘すると、
「間違えていない、これでいいんだ!」と怒り出し、
さらに追求すると、プリントをぐしゃぐしゃにしたり、解答をえんぴつで塗りつぶしたり、消しゴムを投げて暴れます。
そんな息子に私もいらだちガミガミ指摘する日々でした。
さらに学校で、授業中に息子だけみんなと違う教科書を出してしまったことがありました。
それをお友達に指摘されると「自分は間違っていない!」と怒って机を蹴って暴れたこともあります。
「100点を取りたい」
「絶対に間違いたくない」
など結果にこだわりすぎて、失敗や間違いを受け入れられなくなっていました。
では、なぜ失敗や間違いを怖がるようになってしまったのでしょうか。
2.失敗が許せないのは脳の特性?
脳の発達が未熟な発達障害グレーゾーンの子どもは、嫌なことを記憶しやすいという特性があります。
ですから、失敗したり間違えてしまったときに、指摘やたくさん怒られたというネガティブな記憶が忘れられずに引きずってしまい、何かに挑戦するときに不安や恐怖を先に感じてしまいます。
一度「失敗することが怖い」と感じてしまうとその感情をうまく処理することが難しく、どんどん不安が強くなり、「絶対に間違えたくない」と思ってしまいます。
この状態でもまだ指摘をされ続けると、
「どうせボクなんて」
「たぶんうまくできないし」
「やっても意味ないし」
と挑戦すること自体をやめてしまいます。
こんな状態になってしまったらもったいないですよね。
挑戦すること、失敗したときの経験が子どもの成長を加速させます。
だったら、失敗したときの経験を子ども自身がネガティブに感じずに、ポジティブな記憶として残してあげたいですよね。
3. 不安や恐怖心を和らげるのは親の失敗談
失敗をポジティブな記憶として残し、恐怖心を和らげる方法をご紹介します!
◆親の失敗談と解決策を一緒に伝える
パパやママが失敗した経験を話してあげましょう。
「お仕事で大事な約束忘れて大変だったよ」
「大変だー、豚汁にお肉入れ忘れたー」
など、大人でもたくさん失敗していることを伝えます。
そして、その後どうなったかも必ず伝えましょう。
「ごめんなさい、って謝って別の日にしてもらったよ。安心したー」
「次は材料をだして確認しなくちゃだね。お肉なしでも食べてくれてありがとう」
大人でもたくさん失敗するんだ、失敗してもどうにかなるんだ、と子どもが感じると不安な気持ちが和らぎます。
◆失敗ストーリーで疑似体験
誰にでも失敗や間違えがあるということを学ぶため、主人公が失敗を乗り越えるというストーリーも疑似体験するのに役立ちます。
私がオススメの絵本は「しっぱいにかんぱい」です。
失敗談をみんなで話し、その1つ1つのお話に乾杯をしていく内容です。
みんなの失敗を楽しくしてくれるおじいちゃんがでてくるのですが、最後におじいちゃんが子どもたちにこう伝えます。
「しっぱいをだいじにして、大きくなってくれよ!」
人は失敗からたくさん学び、それを乗り越えることで成長していきます。
親として子どもが不安を感じずに何でもチャレンジできるようにサポートしていきましょう!
なかなか動き出せないお子さんのヒントが他にもたくさんありますよ!
執筆者:三浦由記子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)