一人っ子の息子がいます。入園してしばらく経ちますが、お友達と遊ばない様子が気になっています。一人っ子だからなのでしょうか?お友達ができないのはかわいそうですし、将来人付き合いができない子になってしまうかも…と不安です。どう対応したらいいでしょうか?
年中・男の子のママ
わが家の一人っ子息子も、入園後はお友達と遊ばず、母親である私とばかり遊んでいました。友達と遊ばないのは「一人っ子だから」だけではない理由と、無理なく人間関係を広げていくサポートの仕方を、わが家の経験からお伝えします。
発達科学コミュニケーションリサーチャー ひきのなつき
【目次】
1.入園後、無理やり友達と遊ばせようとして撃沈した私の失敗談
2.友達と遊ばないのは一人っ子だからだけではない!
◆社会性やコミュニケーション力の発達がゆっくり
◆こだわりが強い
3.まずはおうちから!人間関係を広げるサポート
①親子の会話を増やし充実させること
②親がお手本になること
4.一人っ子息子のその後と私の価値観の変化
1.入園後、無理やり友達と遊ばせようとして撃沈した私の失敗談
入園したらきっとお友達ができて、遊びながら人間関係が広がっていくのだろう!
と、期待を胸に集団生活に入れても、友達と遊ばない…
そんなわが子の様子を見ると、大丈夫かな?と不安になってしまいますよね。
私もその一人でした。
わが家の息子も入園して日が経つのに、お友達と遊ぶことに楽しさを感じていない様子がありました。
一人っ子で近所に遊べる友達も親戚もおらず、人との関わりを学べるのは幼稚園だけ。
そう思い、焦っていた私は、
幼稚園を嫌がる息子を毎日引きずるように登園させ「今日は○○くんと遊ぶんだよね?」と確認のような声かけをしたり、
降園後には「帰りたい」と言う息子を、無理やりお友達の家やみんなが集まる公園に連れ出したり…
しかし息子は浮かない表情でひとり遊びか私と二人の世界。
誰のために来ているんだろう…?
だんだんと怒りの感情が沸き、「あなたのために毎日幼稚園に行って、公園に連れて行っているのに、何でお友達と遊ばないの?」と、息子を責めていました。
集団に入れて、お友達を作ってあげなきゃ!と必死になり過ぎた結果、まだ小さい息子との信頼関係がゼロになっていく感覚がありました。
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2.友達と遊ばないのは一人っ子だからだけではない!
集団に入れても人の輪が広がらないのは、一人っ子だからでしょうか…?
実は、それだけではない理由がありそうです。
一般的に幼稚園に入園する3歳を過ぎてくると、家族以外の人と関わる中で社会性が身に付いていくとされています。
しかし中には、まだ家族以外の人と関わる準備ができていない子やコミュニケーションを図りにくい子もいます。
その傾向が強いタイプのお子さんは、以下のような発達の特性を持っていることがあります。
◆社会性やコミュニケーション力の発達がゆっくり
他人への興味が薄く、人と関わることがあまり好きでなかったり。会話の際に相手を意識できなく、一方通行になりがちだったり。
その結果、同年代の子とのやりとりに面白さを感じず、ひとりで遊ぶことも多くなります。
◆こだわりが強い
自分なりのルールがあったり、興味のあるものに固執したり。相手の反応が自分の想定していたことと違うことが不快になったり。
自分のペースを優先したいのでお友達と遊ぶことが難しくなります。
一人っ子やわがままだからだけではなく、その子ども自身の発達特性によるものが大きいのです。
とはいえ、人との関わりの中で学び成長してほしいと思うのが親心ですよね。
次章では、そんなタイプのお子さんが人間関係を広げていける方法をお伝えします。
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3.まずはおうちから!人間関係を広げるサポート
わが家で意識したことは「人と関わるって楽しい!」という気持ちを育て、成功体験を積むことでした。
具体的には、
①親子の会話を増やし充実させること
②親がお手本になること
です。
◆①親子の会話を増やし充実させること
社会性の発達は、1対1の関係からスタートが鉄則、と言われています。集団にポーンと放り込んだだけでは、コミュニケーションがうまくなるわけではないのです。
そこで、わが家では息子の好きなことについて質問したり、説明してもらったり、親子でたくさん会話のやりとりをしました。
お母さんが自分の好きなことに関心を持ってくれると「他人と物事を共有する楽しさ」が芽生えるキッカケとなりますよね。
会話の最後には、「お話できて楽しかった!ありがとう!」と笑顔で伝えることで、
「伝わった」「褒められた」「うれしい」「楽しい」といった人との関わりにポジティブな印象が記憶に残ることを意識していました。
◆②親がお手本になること
子どもが人と関わる準備ができ、お友達と遊びたい気持ちが芽生えたら、もう一度親の出番です!
親がお友達にまじって一緒に遊ぶことで、間を取り持ったり、子どもにお手本を見せてあげることができます。
私も幼稚園の子たちにまじって、鬼ごっこなど一緒に遊んでいました。
自分のペースやこだわりがある息子は、お友達とスムーズに遊ぶことはなかなかハードルが高く、多少のいざこざは必ず起こっていました。
ですが、帰るときには「楽しかったね!」と成功体験として記憶にインプット!するように意識していました。
4.一人っ子息子のその後と私の価値観の変化
小学校2年生になった今では、友達がたくさんできた!と言っています。少しずつ、交流の輪が広がっていくのを感じています。
もちろん、遊びが続かなかったり、一人で居たいというのは今もあります。
ですがもう焦る私は居ません。
実のところ、一番変わったのは私だったのかもしれません…!
息子の発達特性や成長のペースを理解して、社会性の発達の順番も学んだことで、
一人っ子だから無理やりでも集団に入れた方がいい、友達を作ってあげなきゃ、の呪縛から解放されました。
幼児期は、親子のコミュニケーションを大切に、「人と関わりたい気持ち」をゆっくり育てていけば大丈夫!
お母さんやお父さんがお子さんの一番の友達になって、子どもの世界を広げる手助けをしていけたらいいですね!
「友達を作ってあげないと」の呪縛から解放されたのはコミュニティでの勉強会のおかげ!こちらの記事で発達科学ラボの活動を紹介しています↓
他にも子どもの社会性を伸ばすコミュニケーション方法をこちらで配信しています
執筆者:ひきのなつき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)