「俺に才能はなかっただろ?」習い事をきっかけに陥ったどん底子育てから子どもの笑顔と自信を取り戻したミラクルストーリー

 

学校や集団に馴染めない、できないこと苦手が多い発達凸凹の子どもたち。けれどもママの子育ての一生懸命さが間違った方向に影響すると子どもの気持ちも折れてしまいます。今回は息子さんとの関係を立て直して笑顔と自信を取り戻せた体験について伺いました。 
 

【目次】

 

1.学校で馴染めない子どもを習い事とお家で発達させたい!

 
 
発達凸凹の子どものできないこと、苦手なことがあると周りのお子さんと比べてしまってお母さんもなんとか改善できないものかと悩んでしまうかと思います。
 
 
そんな子どもにとって習い事は、少人数で子どもの得意を伸ばして自信をつけさせてあげられる特別な場所。
 
 
しかし、関わり方を間違えるとかえって子どもへのプレッシャーとなってしまい、心を壊してしまうことにもなりかねないのです。
 
 
今回は、息子さんの習い事での失敗体験から、自分と同じような経験をさせたくないと、習い事とお家で子どもを発達させるトレーナーとして活躍中の久保れいこさんにお話を伺っています。
 
 
 
 
こちらの記事は全3回に分けてお伝えするインタビューの2回目です。 1回目の記事はこちらからご覧下さいね。
 
 
 
 
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2.子育てに熱心なお母さんだったからこそ、陥ってしまった失敗

 

 

ーーーさっそくですが、久保さんの子育ての経験や発コミュとの出会いについて教えてください。

 
 
「実は、わたしは子どもの自信をなくす対応をして、子どもとの関係性を悪化させた経験があるんです。
 
もともと、繊細で集団に馴染めなかった息子ですが、感受性が豊かだと感じていたので音で表現できるピアノを習わせたんですね。
 
すぐ才能があるって言われて教室も上を目指す教室に変わり、電子ピアノからアップライト、グランドピアノへと投資するうちに、コンクールにもたくさん出るようになりました。
 
すると、本来は成功体験を積めればいいはずだったのに、投資したんだからって子どもにも一生懸命練習するのが当然!という気持ちになっていたんですね」
 
 
 

ーーー子どもに才能があるって言われ、実際に結果も残せようになるとお母さんも期待してしまいますよね。気持ち分かります。

 
 
「コンクールでグランプリをとっても褒めてあげる以上に、チクチクと『ここができていないよ』って相当プレッシャーをかけて追い込んで練習させていたんです。
 
ある時大きなコンクールで、目指していた全国大会に選ばれました。
 
ただ、せっかく出るなら賞を取らせたい!という気持ちになって、短期間でかなり追い込んだ練習をさせてしまったんですね。
 
本番で息子は緊張のあまり自分が何を弾いているか分からない状態になり、顔も能面のような顔をして頭真っ白現象が起きてしまいました。
 
あんなに練習したのに上手な人はたくさんいる

自分は1番にはなれないんだ


お母さんに怒られていっぱい練習したのに、もう嫌だ!
 
そんな気持ちからか、口から出てくる言葉は『俺には才能なかっただろ?』とか『もう人生終わり、俺の人生は終わった』という事ばかり言うようになってしまったんです。
 
また、学校も習い事にも行けなくなり、返事もしない、お風呂も入らない、歯磨きもしない状態にまでなりました。
 
おとなしかった息子が聞いたことがないような暴言を吐いたり、挙げ句の果てに家で暴れたり手を出したりして荒れてしまったんです」
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
お母さんは子どもにもっとできるようになって欲しい、成長して欲しいと思うばかりに、できていないところを指摘したり、子どもに頑張らせ過ぎてしまうことがあります。
 
 
けれども、それでは子どもは健全に発達していかないのです。  
 
 
さらに、発達に凸凹があるお子さんは0か100、白か黒かといった極端な見方をしてしまうので、ちょっとした失敗でも気持ちが切れたり、すべてがダメだと自分を否定する考えに至ってしまいます。
 
 
そうならないためにも、子どもの自信を失わせない対応が大切ですね。
 
 
続いては、荒れてしまった息子さんの笑顔を取り戻すために起こした対応についてお話を伺いました。
 
 
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3.どん底子育てから光が見えてきた!子どもの笑顔を取り戻したお母さんの行動

 
 

ーーー家でも荒れて気持ちも落ち込んでしまった息子さんですが、久保さんはその後どのような対応をされたのでしょうか?

 
 
「このままではダメだって思って、児童精神科に電話したんですが、初診は8ヶ月待ち。
 
さらに 子育て相談に電話をかけてみましたが、解決できる方法は教えてもらえませんでした。
 
1回子育てを間違ったらだれも助けてくれないんだ、あなたが悪かったでしょで終わりなんだって、涙が止まらなくて絶望的な気持ちになりました」
 
 
 
 

ーーー発コミュを受講するお母さんたちも、相談してもどうしたらいいかは教えてくれなかった!と口をそろえておっしゃいますね。

 
 
「それで私も、なんとか変えなきゃいけない、変わらなきゃいけないと思って、あちこちネット検索して見つけたのが発達科学コミュニケーションでした。
 
発コミュが運営しているパステル総研の記事を読むと、二次障害になってから回復した子や、特性で暴言暴力を起こしやすい子が落ち着いた事例がたくさんあって希望に思えました。
 
すぐに受講を決めたんですが、始めたのが二次障害で暴言暴力がひどく出ていた頃だったので、成果が出るまでに時間がかかりました。
 
2ヶ月くらいは、本当にずっと褒めることと指示出しの割合が10対0の関わりに徹していました。
 
すると、最初は私のことも完全無視だったのが、少しずつ返事をするようになって、次に会話が戻って笑顔がでてきて・・・と順を追って前の息子に戻ってきたんです。
 
また、 レッスンの時にお母さんにこう言われて嫌だった 、本当はこんな風に言って欲しかったって、気持ちを言えるようになったあたりから、また気持ちが通じあえるんじゃないかな、元に戻れるんじゃないかなって感じ始めました」
 
 
 
 
 

◆ポイント解説

 
 
壮絶な経験をされた久保さんが、勇気をもって改善しようと行動されたからこそ、お子さんとの関係性も改善に向かうことができたんだと思います。
 
 
家庭内暴力が出るくらい子どもが荒れていたとしても、久保さんのように2ヶ月間褒める対応を徹底してやれば子どもも変わっていくことができます。
 
 
現状で子どもを注意したり、指示だししてもうまくいかないお母さんがいると思いますが、発コミュのスキルやノウハウを使えばできるようになるので、今不安を抱えているお母さんには安心してもらいたいですね。  
 
 

4.どん底子育てから光が見えてきた!子どもの笑顔を取り戻したお母さんの行動

 
 

ーーー息子さんの二次障害で苦労された経験から。久保さん自身が子育てで変えたこと、意識し始めたことはどんなことでしょうか?

 
 
「これまでは、子どもが何をしても当たり前だと思っていたんです。
 
できたことではなく、できていないことばかりを見つけては責めるお母さんでした。
 
けれども、子どもの暴言暴力があった子育てを経験した今は子どもが何をしても当たり前じゃないんだと分かったんです。
 
返事をしてくれてありがとう!にっこりしてくれてありがとう!って、それだけで嬉しくなります。
 
子どもにできないことへの不満や指摘ではなく、子どもが今できていることに注目してポジティブな声かけを心がけるようになりました」
 
 

◆ポイント解説

 
 
発達凸凹キッズの苦手なところ、他の子と比べてできないところはお母さんからみると目立って見えてしまうと思います。
 
 
けれども、できないところを指摘し過ぎてしまうと、できるところや得意なところまでもが自信をなくしてうまくいかなくなり、余計に子どもは気持ちを落としてしまうんですね。
 
 
まずは子どもの今のあるがままを認めて、できている部分に注目することで子どもへの見方も変わってきます。
 
 
お母さんから褒められたり認められて嫌な気分になる子はいませんから、日頃から肯定的な声かけや関わりで子どもの自信を育てていってもらいたいですね。
 
 
 
 

ーーーその後、息子さんの習い事との付き合い方も変わったと思うのですが、今はどんな状況ですか?

 
 
「実は、またピアノのレッスンに通い始めたんですよ!
 
最初はピアノではなく、彼のプライドを崩さずに『エレクトーンっていう楽器があるんだけど…』と誘って、先生にもこれまでの事情を全部お話し始めました。
 
実際にはピアノ経験者なので、上達も早いわけですから「すごいね」「できてるね」って私だけではなく、先生からも毎回褒めてもらえることで自信がついてきたと思います。
 
家でも自然に楽譜を見たり、ピアノも弾くようになり、今では元の先生のところで月に1回とか2回とか楽しみながらレッスンを受けられるようにもなりました」  
 
 

ーーー—1回ダメだったからもうやらない!ではなく、息子さんの得意を見極めて成功体験を積める場所に誘えたことが自信につながったんですね。

日常生活にも支障が出るほど落ち込んで家庭内暴力がでるところから、発コミュを実践してお子さんの自信を回復できた変化は本当に素晴らしいですね。

 
 
「わが家はそこまでじゃないから大丈夫って安心するお母さんもいるかもしれませんが、大事なのはそこではないんです!
 
発達凸凹の子どもは生活を送る中で、周りの人のようにうまくいかないことも多く、日々自信をなくしているかもしれません。
 
そんな子どもが、できること得意なことを伸ばしていくためにも、お母さんが子どもの自信を育てることを優先に考えた対応をしてあげて欲しいと思うんです。
 
1人で変わることが難しいのであれば、発達コミュニケーションのコミュニティーでたくさんのお母さん達と一緒にチャレンジできるってことを知ってもらえたらと思います」
 
 
久保さん、大変貴重なお話をありがとうございました!
 
 
次回は久保さんの叶えたい夢についてお話を伺っています。お楽しみに!  
 
 
 
 
子どもの自信を育てるためにお母さんにできることがあります!

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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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