漢字が上手く書けない上に落ち着きのないお子さんの行動に困っている親御さんはいませんか?実はその困りごと、どちらも「見る力」が原因かもしれません。今回紹介するトレーニングで困りごとの解決が期待できます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【目次】
1.芋づる式にでてくる息子の困りごと
私の息子はいくら言っても字の汚さが直りませんでした。
漢字の宿題の定番と言えば、同じ漢字を何度も書かせる、ですよね?
そのやり方では漢字を覚えることができないし、汚い字は全然きれいになることもありませんでした。
その上、そそっかしくて自分の持ち物の管理ができないことも悩みでした。
授業中には、先生が話をしている最中に壁に貼ってあるポスターになんて書いているのかが気になったり、同時に窓の外を飛んでいるちょうちょうが気になってそちらに視線が向いてしまう。
あっちもこっちも気になり先生が話をしていてもそちらに注意を向けることができません。
ですから、授業に集中できなかったり、先生の指示を聞き漏らすという困りごとも出てきていました。
このままでは息子が誤解されてしまい、悪い印象を持たれてしまう…ととても心配になり何とかできないものだろうかと悩みました。
そこで私は息子の様子を一度じっくりと観察することにしてみると、あることに気付きました。
息子はパッと見ることは得意だけど、じっくり落ち着いて見るということが苦手だということが分かったのです。
どうにかしてじっくりと見ることができるようにならないだろうか…と考え抜いた結果、後に「見るトレ」を開発することになったのです。
2.見て選ぶ力が必要なワケ
一見、漢字をうまく書くことや落ち着きのなさは別の問題だと思われがちですが、実はこれはすべて「見る力」に関係しているということが分かっています。
皆さんのお子さんはゲームやYouTubeなどは好きですか?
現代っ子は生まれた時から身の回りに、テレビやパソコン、スマホやゲームなどがある環境であり、また小さな画面を見る機会が圧倒的にその幅でしか目を動かしていないという状況です。
そのためどうしても目の動きが小さくなってしまい、現代人は、そもそも見る力が弱くなっていると言われています。
そのため、漢字のそれぞれのパーツをうまく捉えられずに書き写すことが苦手になってしまいます。
また落ち着きがない子どもは一度に目の中に複数の情報が入ってしまうため、何が今大事な情報なのかを選んで処理することができずに落ち着きのなさに繋がってしまいます。
いずれも目から入った情報を適切に処理していくためには「見る力」が必要であり、尚且つ「見て選ぶ力」も同時に必要となります。
なのでこれらの困りごとを解決するためには「見て選ぶ力」を伸ばすといいのですが、それには2つの機能が必要となります。
1つめは、目を素早く動かすこと。
2つめは、目で見たものを正確に捉えることです。
これらの機能を発達させるために最適な場所が広い空間になります。
広い空間だと、奥行きを感じることもできますし、目を大きく使うことがでるので、外出時を利用して目を使うトレーニングをして欲しいと思います。
では、どのような場所でどのようなトレーニングをしたらいいのか具体的な内容については次でお伝えしていきますね。
3.楽しくどこでも目のトレーニングをやってみよう!
今回はお出かけ先などを利用して手軽にできる見るトレをご紹介します。
自分のお子さんに置き換えて、わが子の好きな場所はどこかな?わが子ならこういう場所で使えるかな?など想像しながら読んでみてくださいね。
◆水族館
水族ではたくさんのお魚が一緒に泳いでいるので、見るトレとしてお魚探しをするのに最適な場所です。
水槽に解説してある写真と同じ魚を見つけようと提案してみましょう。
ママとどっちが早く探せるか競争してみようと誘ってみるもの良いですね。
「黄色い魚、何匹いるかな?しましまの魚が岩のところに隠れているね」なんて言いながら会話を楽しみながら、じっくり注意深く見る力を育てていきましょう。
◆ドライブ中
つまらないドライブ中でも、外に見える景色を見ながら、「赤い屋根の家どこだ?緑の看板探してね」と言いながら車内から外を見る機会を作ってみましょう。
「また電信柱が何本あるかな?数えてみよう!」とカウントしながら遊ぶのも良いですね。
「静かに乗ってなさい!」と言いがちですが、当たり前の日常を発達のチャンスに変えていきましょう。
そして取り組む時には、
①楽しく取り組むこと
②やる気アップの声かけ
を意識してみてくださいね。
脳の発達に必要なことは、子どもが簡単に楽しんで行動できることです。取り組むハードルを下げて誘ってみてください。
「まず1回だけやってみよう」とスモールステップですすめていきましょう。
なかなか探せない時は、「右側の方にあるよ」とヒントを出してあげたり、やる気を引き出させるような声かけでお子さんの自信をつけることが何よりも大切です。
ぜひ、一緒に取り組み「よく見つけられたね」など、こまめに褒めてあげてくださいね。
楽しくできるトレーニング方法をお伝えします!
執筆者:こばやしひとみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)