「小学校でうまくやれるかな?」と心配な年長さんのお母さん、子どもが学校に行きしぶったらどうしますか?疲れやすい発達障害・グレーゾーンの子の行きしぶりは早期対応が大切です!実際に「学校に行きたくない」と言われたお母さんにお話を伺いました。 |
【目次】
1.入学直後をスムーズに乗り切るための準備~ポジティブなイメージづくり~
2.5月は鬼門!?4月の「頑張りすぎ」には要注意!
3.発達障害やグレーゾーンの子どもが行きしぶったときの対応とは~思い切って休ませてOK!
1.入学直後をスムーズに乗り切るための準備~ポジティブなイメージづくり~
発達科学ラボリサーチャー・森博子さんの息子さんは発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの小学校1年生。
今回、この1年を振り返って、就学相談や入学準備、入学後の先生との協力についてインタビューさせていただきました。
第1回でお送りした「就学相談」を経て、通常級(通常学級・普通級)に入学された息子さん。
第1回インタビューの記事はこちらです!
1学期を終えて一体どんな問題があり、どのように解決されてきたのでしょうか。第2回の今回は入学後の息子さんの様子に迫ります。
※※※
――入学してからお子さんの様子について教えてください。うまく学校生活に慣れていけましたか?
「入学当初、5月頭ぐらいまでは朝から嫌がることもなく、すんなり準備もしてすんなり学校に行き、放課後デイサービスに通ったりできていました。
宿題や明日の準備などもわりと声かけなしで、『自分でしなきゃ!』という感じで進んでいました。」
――最初はすごくスムーズにいったんですね。何か入学前に準備されていたんですか?
「入学前は小学校に対してポジティブなイメージを作りたいと思いました。学校が近所なので、学校の前を通るたびに、『○○君の学校だね!』とずっと声をかけていました。
そうしたら、だんだん通るたびに息子の方から『僕の学校!』と言うようになっていきました。学校というものが息子のなかでポジティブなものになったのかなと思います。
卒園してからは何度か登校練習しました。春休みだけではなく、他の児童も通っているときがいいと思って始業式にも練習しました。
ほかの子がどんなふうに登校しているのか、本人も見れてよかったと思います。
空のランドセルを背負っている姿を見て、近所の人たちに『1年生だね!』と言ってもらえたのも、とてもうれしかったみたいです。
そして入学式の前日、クラスと担任の先生が決まった後に先生と面談をしました。面談後そのまま入学式の準備をしてある体育館に行って、入学式のシミュレーションをしていただきました。
入学後はとにかく朝を気分良く始めたい!ということで、4月いっぱいぐらいは毎朝登校に付き添いました。
朝の登校時間を利用して、息子とゆっくり話したりできたのはよかったと思います。そのおかげか、スタートは順調に行きました。」
◆ポイント解説
息子さんがスムーズに小学校に入学できるようにいろいろな準備をされた森さん。特に小学校に対するポジティブなイメージづくりに心を砕かれていたんですね。
空のランドセルを背負って登校練習なんて、「お兄さん気分」が味わえてきっと楽しかったことでしょう。
ランドセルは汚れるからしまっておくのではなく、どんどん背負わせてあげるとよさそうですね。
そして、4月は登校に付き添われたとのこと。入学してからもしっかり息子さんに寄り添われていました。
「しっかり話を聞こう」と思ってもお忙しいお母さんはなかなか難しいもの。一緒に登校する、というのはとてもいいですね!
森さんのお話から、読者の皆さんにも実践してもらえる対応がたくさん出ましたね!
もちろんスムーズにいくことばかりではないですよね。次に入学後の困りごとについてお聞きしました。
2.5月は鬼門!?4月の「頑張りすぎ」には要注意!
――4月はとてもスムーズにいったとのことですが、5月以降はいかがでしたか?
「ゴールデンウィークが終わって、運動会の練習が始まってから目に見えて疲れてきました。
だんだん朝起きるのが遅くなって、準備をするのも嫌そうで、家を出るのも遅くなって…という感じで。早退も多くなりました。
息子から『学校に行きたくないオーラ』を感じました。
もし私が『学校行きたくないの?』と聞いたら、本当に行かなくなってしまうのではないかと思って、なかなか声をかけられなくて…。
結局、その間はイヤイヤながらも登校していました。
でもある日、朝布団のなかで泣きながら『今日はお休みしたい!』と言われて…本当にしんどいんだなと思って、その日は休ませました。
『じゃあ休もっか』と声をかけると一気に元気になって、自分からルンルンで勉強し始めたんです。
一度休ませたらそのままズルズル休んでしまうんじゃないかと思って心配していたのですが、意外と一日休んだら元気になって、次の日はスムーズに登校できるようになりました。
こんな日が3日ぐらいありましたが、7月にはこういう行きしぶりは全くなくなりました。
今思えば、4月は気を張って、ものすごく頑張っていたんだろうと思います。」
――ありがとうございました!
◆ポイント解説
4月は「1年生になった!」ということで、子ども本人も知らず知らずのうちに頑張りすぎてしまうのかもしれません。
小学校入学という大きな環境の変化で子どもがつかれてしまうのは当たり前。お母さんの対応がとても重要です。
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3.発達障害やグレーゾーンの子どもが行きしぶったときの対応とは~思い切って休ませてOK!
子どもが学校に行きしぶっていると、お母さんは悩まれると思います。
疲れているのが分かるから休ませたい、
でも1日休んだらこのまま学校に行きたがらないかもしれない、
もうちょっと頑張れば慣れるかも…
森さんは迷われながらも「休ませる」という選択をされました。結果、息子さんは元気になり、1学期中に行きしぶりはなくなったそうです!
発達障害やグレーゾーンの子どもにとって、学校は本当に疲れる場所。
「もう少し頑張れるかも…」と子どもに無理をさせると、つらい思いがどんどん積み重なって、どんどん学校がイヤな場所になってしまいます。
熱もないのに学校を休むなんて…
授業に遅れてしまったらどうしよう…
運動会の練習、間に合うかな…
このままズルズル不登校になってしまうかも…
といろいろ心配になるかと思います。でも、無理をさせて登校させ続けると、子どもの心はどんどん疲弊していきます。
思い切って休ませる勇気を持ってください!
つらそうなときは思い切って休ませて、体力を回復させたりリフレッシュさせたりすると、また元気に学校に通えますよ!
お子さんを休ませる場合、実はお母さんがやってしまいがちなのですが、絶対にやらないでいただきたいことが2つあります。
1つは、「明日学校に行けるなら、今日休んでもいいよ」など、交換条件を出すこと。
これでは「明日は絶対に行くちゃ…」と子どもにプレッシャーをかけてしまうだけです。子どもの心を休めることはできません。
もう1つは、「休んでいいよ。でも本当は休んだらいけないのよ」とお説教してしまうこと。
これでは、「休む=悪いこと」と子どもが罪悪感を感じてしまいます。こちらも子どものストレスを和らげることはできません。
一方、森さんはどうだったでしょうか?「今日は休もっか!」と一言声をかけただけ。
プレッシャーになることは一切言わなかったからこそ、次の日には元気に登校できたんですね!
休ませると決めたら、グチグチ言わない!
これが子どもの心を十分に休めて行きしぶりを早期に解決する対応法なんです。
今この記事を読んでくださっているお母さんは、きっと小学校入学後、お子さんがスムーズに学校生活を送れるかご心配なはず。
入学前のご心配に対して、4月がスムーズにいったら要注意です!
きっとお子さんは頑張りすぎています。5月に疲れがどっと出てくる可能性大!
この法則を必ず覚えていてくださいね。
発達障害やグレーゾーンの年長さんのお母さんは、今から「つらくなったら休ませる!」と決めておきましょう!
行きしぶりを1学期で解消した森中さんの息子さん。実はもうひとつ「授業中の立ち歩き」という課題がありました。
森さんが入学前から心配されていたこの課題、1学期でみごと解決したのです!
「授業中の立ち歩き」をどう解決したのか知りたい方は、こちらもお読みくださいね!
発達凸凹キッズの行き渋り問題について解説しています
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)