４歳で絵が描けない理由はさまざまですが、発達の途中であり焦る必要はありません。「ぐるぐる」「なぐりがき」は立派な成長のサイン。３つの練習ステップで「描けない」から「描きたい！」に変わる方法と、ママの声かけポイントを紹介します。
【目次】
１．４歳の息子の絵のレベルが低い？と悩んだ過去
「４歳で絵が描けないのは発達の遅れ？」
「４歳の絵のレベルはどのくらいなんだろう？」
そんなふうに悩んでいませんか？
実は、４歳で絵が描けないのは発達の途中であり、焦る必要はありません。
「ぐるぐる」や「なぐりがき」も、成長の証です。
この時期に大切なのは、ゆっくりステップアップしていくこと。少しずつ自信がつけば、絵を描くことが楽しくなり、自然と上達していきます。
この記事では、４歳児が絵を描けるようになるための３つのステップと、ママの声かけポイントを紹介します。
息子は小さい頃から絵を描くことも、ぬりえもあまり好きではありませんでした。
４歳の時の絵は、ぐるぐる、ぐちゃぐちゃと描いてばかりで顔など描けませんでした。
長男だし、お友達と遊んで絵を描くという経験がなかったので、４歳のお絵かきのレベルが分からず、「こんなものかな」と思っていました。
そして、保育園の参観会で他の子の絵をみてビックリしました。
「４歳児ってこんなにちゃんとした人間を描けるのか」と…。
みんな顔のようなものを描いているし、中にはキラキラなドレスを着たお姫様みたいな絵を描いている子もいました。
他の子の絵と比べてお絵かきレベルの差に愕然としてしまいましたが、息子の絵をよく見てみると、ぐちゃぐちゃの中に何かを描こうとしている痕跡がありました。
また、いろいろな色を使って表現しようとしていて、息子なりに「描きたい気持ち」があることが伝わってきたのです。
次の章では、４歳で絵が描けない理由を詳しく見ていきましょう。
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２．４歳で絵が描けない５つの理由とは？？
４歳で絵が描けないのは、発達の途中だからです。
子どもによって「描けない理由」はさまざまですが、背景にはいくつかの共通する要因があります。
・何を描けば良いのか分からない
・どうやって描けば良いのか分からない
・うまく描けないのが嫌
・手先が不器用
・ネガティブな記憶がある
原因がひとつの場合もあれば、複数の場合もあるかもしれません。
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
◆①何を描けばいいかわからない
幼稚園などでよく「自由に描いてみましょう」と言われると思います。
「自由」にと言われても、何を描いたら良いのか分からなくて困ってしまいます。
選択肢が多すぎると何をどう描けば良いのか分からなくて、戸惑ってしまいます。
◆②どうやって描けば良いのか分からない
大人でも頭に浮かんだものを絵にするのは意外と難しいですよね？
子どもだって同じで、見本がないと難しいです。
では目の前にお母さんがいるのに描けないのはなぜでしょう。
３Ｄの物だと輪郭がはっきりしていないので、どうやって２Ｄの絵にするのか分からないということが起こります。
また実物の特徴をとらえて、簡略化して絵にするということは高度なことです。
◆③うまく描けないのが嫌
間違いや失敗をしてはいけないと思っていたり、自分の中で納得がいかないと嫌と言う場合があったりします。
また、「上手に描けたね」などと過去に言われた経験から、上手に描けないといけないと思っていることがあります。
◆④手先が不器用
クレヨンや鉛筆がうまく持てない、力加減が分からない。
自分がイメージしているように手が動かせず、思っている絵が描けない。
思いどおりに描けないのでお絵かきが嫌ということもあります。
◆⑤ネガティブな記憶がある
友達から「何この絵、○○には見えない」なんて言われたことがある。
絵が描けない場合、こんな経験があるかもしれません。
ここまで直接的じゃなくても、間接的に聞いている可能性もあります。
ママ友などに「うちの子、絵が描けないのよね」なんて言ってしまったことを、お子さんが聞いていたらどうでしょう。
このように何気なく言われた言葉を覚えていて、絵が描けない・下手だから描きたくないと思っているかもしれません。
「描けない」の裏には、技術だけでなく気持ちや経験の要素が大きく関係しています。
大切なのは、子どものペースに合わせて少しずつ「できた！」を積み重ねること。
次の章では、実際に絵が描けるようになるための３つの練習ステップを紹介します。
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３．４歳の絵が描けない子に親ができる３つのステップ
絵が描けない理由は子どもによって違います。
「なんで描けないのかな？」「なんで描きたくないのかな？」という視点を持って、まずはお絵かきに誘い、一緒にやりながらお子さんを観察してみましょう。
ここからは、４歳の子が絵を描く力を伸ばすために楽しくステップアップできる３つの方法を紹介します。
◆①道具に慣れる
クレヨンでも鉛筆でもマーカーでも、お子さんの好きな道具を自由に使わせてあげましょう。
ぐるぐるでもぐちゃぐちゃでも構いません。大切なのは「描くって楽しい！」という気持ちを育てることです。
「大きく描けたね」「線が長くなったね」など、具体的にできていることを伝えると、「また描こう」という意欲につながります。
◆②形を描く・形を組み合わせて描く
次は、丸・三角・四角といった簡単な形を描いてみましょう。
色を変えたり、大きさを変えたりしながら、楽しく描けるといいですね。
描けるようになったら、丸、三角、四角を組み合わせるだけで、いろんなものが描けます。
・丸は太陽
・三角と四角でお家
・四角と丸２つで車や電車
・丸と三角で猫などの動物
どの形をどうやって組み合わせるか、最初はなかなか自分で考えられないこともあります。
そんな時は、ママが「丸と三角でアイスクリームができたよ」とお手本を見せて、一緒に描いてみてくださいね。
◆③まねっこで描いてみる
簡単な絵の見本を用意して、ママも一緒に描くのがおすすめです。
「丸を描いて、次に目を描こうね」とはじめは手順を言葉で伝えると、子どもが描く順番を理解しやすくなります。
人間が描けるようになると、お絵かきの幅が一気に広がります。
ただし、違うものを描きたければもちろんOK。自由な発想を大切にしてあげましょう。
４．「上手に描けたね」はNG？子どもが伸びる声かけとは
「上手だね」「すごいね」と言いたくなる場面、ありますよね。
しかし、この言葉だけでは子どもは「上手に描かないと褒めてもらえない」と感じてしまうことがあります。
大切なのは、「上手・下手」で評価することではなく、子どもの世界に興味を向け、できたことを具体的に伝えることです。
◆①興味・関心をを示す
「何描いたの？」
「青がきれいだね」
「猫のひげがピンってしてるね」
こんなふうに興味や関心を示すと、「ママが見てくれてる」と感じて自信につながります。
たとえうまく描けていなくても、子どもは「自分を見てもらえている」と感じることで意欲がわきます。
◆②具体的にほめる
「大きく描けたね」
「丸が描けたね」
「線が力強いね」
こんなふうに、「できてること」や「気づいたこと」を具体的に伝えると、子どもは「自分にもできた」と感じ、行動を繰り返そうとします。
こうした言葉の積み重ねが、子どもの脳に「できた！」という成功体験の記憶を残します。
息子も、少しずつ描けるようになるうちに、絵への苦手意識がなくなっていきました。
「自分は絵が描けるんだ」と感じたことで、今では人の顔や体も描けるようになり、お絵かきが好きになりました。
４歳で絵が描けなくても大丈夫。
焦らず、ゆっくりスモールステップで進めていきましょう。
４歳で絵が描けないと心配なママへ。上手・下手より大切な２つのポイントを動画でご紹介！
４歳で絵が描けない子へのよくある質問（FAQ）
Q1：４歳で絵が描けないのは発達の遅れですか？
A1：結論、心配しすぎる必要はありません。発達の遅れではなく、『描き方がわからないだけ』というケースがほとんどです。ぐるぐるやなぐりがきも立派な成長のサイン。描き方を少しずつ覚えれば、自然に描けるようになります。
詳しくは ４歳で頭足人の絵が描けないと発達障害？ にまとまっています。
Q2：お絵かきが苦手な子にはどう接すればいい？
A2：結論、嫌いにさえならなければ大丈夫です。今は絵を描く練習期。上手・下手よりも「描きたい気持ち」を守ることを優先しましょう。ママのあたたかい声かけが「もう一度描いてみよう」という意欲を育てます。実践例は 絵が苦手・絵が描けないのは発達障害の特性ですか？を参照。
Q3：「絵が下手」と言われたときの対応は？
A3：「悔しかったね」「頑張って描いたの見てたよ」と共感することで、心が落ち着きます。そのうえで「ママはこの色の使い方好きだな」と、できた部分を具体的に伝えると、また挑戦する力が育ちます。
具体例は 工作が苦手な子にどう関わる？ をどうぞ。
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執筆者：いぐち ゆか
（発達科学コミュニケーショントレーナー）
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