発達障害グレーゾーン、特定の授業が嫌で学校を行き渋る子を育てにくいと感じたことはないでしょうか?嫌な授業が原因で癇癪や不登校というトラブルを引き起こすこともあります。そこで今回嫌な授業が原因で登校を渋った時の対応をお伝えします。
【目次】
1.発達障害グレーゾーン、特定の授業が嫌で登校を渋られると育てにくいと感じますか?
2.無理に行かせるとどうなる?
3.行き渋りへの効果的な対応とは
①行きたくない気持ちを受け止める
②決断は子どもがする
③できていることを褒める
1.発達障害グレーゾーン、特定の授業が嫌で登校を渋られると育てにくいと感じますか?
普段は楽しく学校に行っているけど、
✓音楽会の練習が始まるとなんだか機嫌が悪い
✓プールの授業が嫌で学校の準備が進まない
✓算数が嫌で学校を行き渋る
✓先生が嫌で休みたいという
というお子さんに困っていませんか?親からすると些細な事で、どうしてそんなことで機嫌を損ねて学校を行き渋るのだろうと感じるかも知れません。
周りの友達が何も感じることなく楽しそうに学校へ行く姿をみると、なんでうちの子だけこんなに育てにくいのかな…と感じるかもしれません。
「みんなはできているのにどうしてできないの?」と否定したり、
気持ちを聞くことすらせずに怒ったり、
無理矢理学校へ連れて行ったり…
こんな対応をしていませんか?実はこれNGな対応なんです!
発達障害グレーゾーン、こだわりが強い、繊細、完璧主義、集団が苦手な子どもにとって、普段の学校生活だけでも非常に疲れやすい状態にあります。
ただでさえ疲れやすいのに、自分の苦手な授業や苦手な先生に直面するとさらに大きなストレスをかかえることになります。

特にこだわりが強く気持ちの切り替えが苦手な子は、一度嫌と思うと誰が何を言おうと嫌という気持ちから抜け出せなくなります。
苦手な授業でも受けた方がいい、嫌なことでも頑張った方がいいと、子ども自身も分かっています。そして頑張っているけど限界の状態になります。
自分ではどうしようもないほど気持ちのコントロールできなくなり、気持ちの切り替えができなくなります。その結果固まって動けなくなったり、機嫌が悪くなったり、泣いたり、怒ったりしてしまいます。
そんな自分を否定し、人や物に八つ当たりしたり、他の事に対するモチベーションが下がります。酷いときは親への暴言暴力へ発展することになります。
2.無理に行かせるとどうなる?
うちの子は嫌がったり、機嫌が悪くなるけど、学校には行けているので大丈夫です!
先生に聞いても、学校では変わりなく楽しそうに過ごしていると言われているし、まあ様子見ます!大丈夫です!
そんな風に思ってはいませんか? 実は私がそうでした。
なんとか学校に行っているし、行ってしまえば頑張っているし、おいしいお菓子とかで気持ちも切り替えられているし、子どもってそんなものかな。
誰でも嫌なことがあるけど頑張っているし、嫌なことがあっても学校に行くのは当たり前だと思っていました。
ですから 気持ちを切り替えて学校へ行ったとしても、褒めることなんてありませんでした。
褒めるどころかそんなことで嫌と思うこと自体意味が分からないと思い、手がかかって大変だと思っていました。機嫌をるため、あの手この手を使って行きたくない気持ちを封印するかのように誤魔化していました。
こんな対応を続けた1年後、小学2年生になった娘は家庭内での暴言暴力で手が付けられなくなりました。
発達障害、特にグレーゾーンの子どもは、無意識に学校では感情をなんとかコントロールしようと頑張っています。しかしその頑張りは、親や先生に気づかれにくいく、理解されないことが多いです。
見過ごされやすいのです。
娘は理解されないままに頑張り続けた結果、怒り、悲しみ、無力感、学校への行き渋り、少しのことで泣いたり怒ったり、きょうだいへの八つ当たり、親への暴言暴力、家出をしようとしたり、学校を潰すと発言するまでに発展しました。

初めのサインを見逃し、間違った対応を続けた結果でした。それではもし子どもが特定の授業だけを嫌がって登校を渋ったら、どのような対応をすれば良いのでしょうか?
3.行き渋りへの効果的な対応とは
◆①行きたくない気持ちを受け止める
子どもの訴えに耳を傾け、落ち着いて聞きます。そして、行きたくない気持ちを否定することなく受け止めます。
この時余計な一言は言わないように気をつけます。子どもが嫌な理由を語るとつい、対策や親の意見を伝えたくなりますが我慢です。聞くことに徹します。
間が開いても大丈夫です。逆に子どもは考える時間ができて 次々に気持ちを吐き出しやすくなります。
共感は大事ですが、先生の悪口など同感出来ない場合もあります。共感と同感は違います。共感しなければと思い、ママも一緒になって悪口を言う必要は勿論ありません。
そんな時は、「(あなたは)そう思うんだね。」と受け止め、悪口を言うこと自体を否定せずに聞いてあげることです。
◆②決断は子どもがする
共感することができたら、子どもはたいてい自分で考えて行動ようとします。動きだすのを待ってあげて欲しいです。
また子どもがどうしたらいいのか、意見を求める場合もあります。その時は、いくつかの選択肢を持たせて提案します。
この時自分の意見を押し付けないことがポイントです。
学校へ行くか休むか。嫌な授業に出るかその授業の時だけ別室で過ごすのか。少しだけ出るのか。何分出るか。ご褒美を使うかどうか。
提案はしても、最終的にどうするかを子どもに決めて動いてもらいます。そうすることで自分で考えて動けたことが自信となり、また自分で決めたことは案外嫌なことでもできることが多いものです。
◆③できていることを褒める
例えば、嫌な理由を言えたことを褒めます。親や先生、友達にも言えていることはとても大事です。
休んだとしても家でできていることを褒めます。朝起きれたことやご飯を食べれたことでも大丈夫です。
できたとこまで褒めます。たとえ5分しか授業にでれなかったとしても少しでもでられたことを褒めます。

娘は苦手な先生の授業が嫌で1日学校を休みました。次の日からは自分でご褒美を設定し、少しでも授業にでれたらハナマルということを決めました。授業に出る時間を5分ずつ増やすと決めました。
決めてからは癇癪を起こすことなく、行き渋ることもなくなりました。
少しでも授業に出れていることに自信がつきました。どうしてもしんどいときは担任の先生に相談して時間を調整してもらうこともできました。
そして先生が苦手という気持ちに変わりはないものの、授業を笑顔で受けられるようになりました。
行きたくない気持ちを受け止め、どうするかは自分で決めさせます。そしてできているところだけ褒めます。
もし対応に悩まれているならば、ぜひ試して欲しいと思います。