発達障害グレーゾーンの受験生が、大学受験前に無気力な状態になり、困っていませんか?無気力になる原因には、脳の発達の未熟さによる「これまでの失敗体験」の積み重ねが大きく影響していることも。ここでは、受験中に実施したわが家の対応についてお話しします。
【目次】
1.無気力な受験生に不安を感じていませんか?
息子は大学受験が当たり前な進学校に通っていました。
ある時、親と口ケンカになった高校生の息子は「みんなと同じにできない」と言い出し、私は初めて発達障害の可能性を疑いました。
高3のクラス分けで最上位クラスに入れなかったことで、息子の自信はさらに低下してしまいました。
私は受験生の息子を何とか勉強させようとアレコレ口を出していましたが、息子は次第に無気力になっていきました。
息子がこのまま引きこもるかもしれない、そんな不安でいっぱいの私は、発コミュ講座の受講を開始しました。
2.脳をスムーズに働かせる肯定の声かけ
なぜ、発達障害の子どもは、無気力になってしまうのでしょうか?
ここでは子どもの脳の発達に注目してお話します。
脳を発達させるには、「脳がスムーズに働くこと」が大事になります。
子どもの脳の働きをストップさせる言い方・接し方では、子どもの脳はスムーズに働くことができないのです。
脳が喜ぶ声かけ、つまり楽しく働く声かけにチェンジすることで、脳はみるみる成長できるのです。
また、発達凹凸の特性によるネガティブな思考のクセは、不安や焦りを強め、行動をストップさせてしまうのです。
3.受験に関する作業を通して、自分で「できた」体験を積む
無気力状態の息子の大学合格はかなり難しいと思われました。もし翌年も挑戦するなら、今回の受験を苦いだけの経験に終わらせたくないと思いました。
そこで私は息子と一緒に受験に関する作業を行いました。
受験には、願書出願、出願書類の封入と投函、試験当日の持参物の準備といった作業が必要です。
近年の出願はWebで入力事項を入力し、その後に必要書類を書留で送ります。
試験前日は受験票を含めた持参物等の確認が必要です。
試験会場への入室完了時間、会場までの経路、大学が会場の場合はどの建物かをマップで確認しておくことも必要です。
これらの作業について、 息子ができるところは一人でやってもらい、難しいところだけ少し手伝いました。
作業を通して、息子のできたところは「できたね」とねぎらいました。
すると少しうれしそうな表情をみせてくれることがありました。
結果として合格はゲットできませんでしたが、受験に関する作業を通して自分で「できた」という体験を積むことができました。
この経験は息子の自己肯定感の向上につながり、親子関係も良好にすることができました。
この先、息子が前向きに進路選択ができるように、これからも息子を肯定して応援していきたいと思います。
無気力な子どもの対応に悩んでいるママはこちら!
執筆者:宝井あつみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)