一番にこだわることが強みになる!たった一言で発達障害グレーゾーンの子のイメージを変える方法

 

何でも一番にこだわる子、正直大変ですよね。この強すぎるこだわりは発達障害に関係している可能性があります。一番になりたいのは向上心がある証拠。こだわりを逆手にとって子どもを伸ばしていける声かけをお伝えします。
 

【目次】

 

1.一番にこだわる理由は発達障害だから?

 
何に対しても一番への執着がすごくて困っていませんか?
 
 
発達障害やグレーゾーンの子に多いこだわりのひとつに「一番になりたい」というのがあります。
 
 
ゲームの勝ち負けや一等賞になりたいならまだわかります。
 
 
・一番に部屋に入りたい
・一番に名前を呼ばれたい
・一番大きいイチゴがいい
 
 
 
 
そんなことまで?っていうことも一番じゃなきゃ気が済まないという子もいます。
 
 
一番にこだわることは、やる気やモチベーションにもつながるので決して悪いことではありません。
 
 
しかし、負けたら癇癪を起こしたり、友達と仲良く遊べなくなってしまったりすると困ってしまいます。
 
 
また、自分自身でも一番じゃなきゃいけないというプレッシャーの中で、過ごさなけらばならなくてストレスを感じてしまうこともあります。
 
 
このこだわりの理由は3つ考えられます。
 
 

◆性格

 
1つ目は性格です。
 
 
負けず嫌いは持って生まれた気質なので、直すのは難しいです。
 
 
それどころか、うまく付き合っていけば向上心があって何でもがんばれる子になる才能を秘めていますよ。
 
 

◆白黒思考

 
2つ目の原因は発達障害やグレーゾーンの子に多い白黒思考からくるものです。
 
 
白黒思考とは「白か黒か」「0か100か」のように二極化させてハッキリさせたいという思考です。
 
 
一番や最後というのはとてもわかりやすいですよね。
 
 
しかし、2番や3番のようなあいまいな順位では満足できないし納得いかないんです。
 
 

◆過去の経験

 
3つ目は過去の体験から一番がいいと思っている場合です。
 
 
・一番をとったらほめられた
・一番になったら何かもらえた
・一番だと前がよく見える
 
 
など何かお得な経験をしたことがあると一番がいいと感じるようになります。
 
 

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2.癇癪まで起こしていた一番病 

 
 
わたしの長男は超がつくほどの「一番病」でした。
 
 
次男が「お茶飲みたい」と言うので私がお茶を注ぎにいったら、「ぼくの方が先に来たからぼくに先ちょうだい」…こんな日常のささいな場面まで、一番にこだわっていました。
 
保育園でも給食を一番にもらいたい!一番早く園庭に出たい!先生からも「一番へのこだわりがすごいですね」とよく言われていました。
 
 
縄跳びで一番とべるようになりたい!ならやる気がある子だと思えるのですが、そんなところまで必要?と思うことまで一番にこだわりすぎてので困っていました。
 
 
さらに、一番になれなかったら泣いたり怒ったり癇癪になることも…ケンカして誰かを押しのけてまで一番にこだわるのは正直やめてほしいと思っていました。
 
 
どうしてこんなにこだわるんだろうと思い息子に聞いてみたことがありました。
 
 
息子の答えは「だって一番早いと、すごい!とかかっこいい!とか言われるから」。
 
 
うちの息子は保育園で1番足が速いです。
 
 
走る競争やリレーで一番になると「すごいね」とか「かっこいいね」とかみんなに言ってもらえます。
 
 
私も運動会の時や保育園の話を聞いた時、同じ言葉をかけていたなと思います。
 
 
その体験がきっかけで、一番早いとみんながほめてくれたり喜んでくれたりするから、何でも一番早くがんばりたいと思うようになってしまったんです。
 
 
 
 
一番にこだわりすぎる場合お母さんならどう声をかけますか?
 
 
「他の子も一番になりたいから譲ってあげようね」
「一番じゃなくてもがんばってるんだからすごいんだよ」
 
 
私はこんな風に声をかけていましたがよくなるどころか、だんだん私に反発してくるようになってきました。
 
 
ある日「もうお母さんと話したくない、全然話聞いてないじゃん」と言われてしまったんです。
 
 
一番になりたい息子に一番じゃなくてもいい」っていうのは私の押し付け。息子は否定されたと感じてしまったんです。
 
 
一番になりたい気持ちは悪いことではありません。
 
 
その気持ちを否定されるとお母さんはわかってくれない、お母さんの話を聞きたくないとなってしまいます。
 
 
さらに自分の気持ちを言えなくなってしまい、ストレスが溜まっていってしまうことも。
 
 
 
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3.『一番』を味方につけるためには

 
「一番になりたい」気持ちを否定してはいけないけど、こだわりすぎる『一番病』はどうにかしたい。 だったら『一番』を逆手にとってしまえばいいんです。
 
 
一番=早いという子どものイメージを変えるためにこんな声かけをしてみてください。
 
 
・一番ゆっくり
・一番丁寧に
・一番小さく
・一番静かに
 
 
こういう風にどう動いて欲しいか伝えるときに『一番』をつけてみてください。
 
 
『早い』のがすごい、かっこいいと思っていた息子は「そんなの一番じゃない」とはじめは怒っていました。
 
 
何度も言ってるうちに、だんだん早いだけがいいわけじゃなくて、いろんな『一番』があることがわかってきましたよ。
 
 
 
 
そして、ほめることも忘れずに。
 
 
「一番小さくできたね、すごいね」とほめるのもいいのですが、あまり『一番』を強調しないほめ方の方が『一番病』をなくしていくには効果的です。
 
 
「最初に比べてこんなに小さく切れたね」などお子さんの成果の過程をほめましょう。
 
 
うちの息子は、今ではこの場面ではどうするのが一番かっこいいなと自分で考えて行動できるようになってきました。
 
 
一番にこだわる子には、ぜひ他の一番も体験させてあげてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:いぐち ゆか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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