発達障害の子が外出を嫌がる本当の理由|見通しが立たないASDの脳の仕組みと旅行を成功させるコツ

発達障害の子が外出を嫌がるのは、見通しが立たない不安が原因かもしれません。ASDの脳の仕組みを理解すれば、外出でぐったり・急な癇癪が減り、旅行まで楽しめるようになるコツをご紹介します。

【目次】

 
 

1.発達障害の子が外出を嫌がるのはなぜ?NGな誘い方

 
 
発達障害の子が外出を嫌がるのは、ワガママだからではありません。
 
 
多くの場合、
 
・感覚過敏があって、大人が思うよりも刺激が多い
 

・予定を聞いても具体的に想像できない(見通しを持てない)

 

・何か予測できないことが起きるかもしれない…という不安

 
こういった脳の特性が関係しています。
 
 
おでかけとなると
 
「楽しそうだよ!」
「せっかくなんだから行こうよ!」
 
 
そう誘いたくなる気持ちは、痛いほどわかります。
 
 
けれど、不安が強い子にとってはお母さんのそのなにげないひとことが楽しまなければいけない圧力に変わってしまうことがあります。
 
 
発達障害 外出 嫌がる 理由
 
 
わが家もそうでした。
 
 
近場のおでかけに誘っても、お留守番をすることが多く、旅行に行こうとガイドブックを見せても、「興味ない」その一言で終わり。
 
 
素っ気ない反応に「行きたくないなら仕方がないか…。」とわたしもいつしか家族旅行に行くことは諦めるようになりました。
 
 
なぜ、発達障害の特にASDの子どもは、外出を嫌がるのでしょうか。
 
 
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2.発達障害の子が外出で疲れる理由|ASDの脳の仕組み

 
 

◆ 感覚刺激で脳が疲れやすい理由

 
お子さんと外出しても、すぐに帰りたいとグズグズしたり、疲れてぐったりしたりすることはありませんか?
 
 
外出先には、人の声、車の音、におい、強い光、人との距離などたくさんの刺激があります。
 
 
発達障害の子は、五感で受け取る感覚の情報を取捨選択する働きに、脳に負荷がかかりやすいと言われています。
 
 
つまり、不要な刺激をうまく減らせず、短時間でも強く疲れてしまうのです。
 
 

◆ 予測できない不安と期待のプレッシャー

 
 
例えば、旅行に行きたいと思った時、観光地の写真や動画を見れば「楽しそう!」という感情が湧いてくるものですが、ASDの子はその感情のチカラが弱いという特性を持っています。
 
 
大人にとっては楽しい旅行でも、予定が読めない、何が起きるかわからない状態では
「未知=危険かもしれない」
と脳が判断し、楽しみよりも不安が勝ってしまうのです。
 
 
発達障害 外出 疲れる ASD
 
 
さらに、「楽しいよ!」「絶対〇〇くんも喜ぶと思うよ!」というお母さんのひとことが
期待に応えられなかったらどうしようという不安を強めることも。
 
 
楽しみよりも、不安が勝つ。それが、外出を嫌がる理由のひとつです。
 
 

◆ 外出後に癇癪が増えるのはなぜ?

 
 
外出中は頑張れても、帰宅後に癇癪を起こして困る…こんなことも多いですよね。
 
 
発達障害の子は、疲労を自覚したり言葉にしたりするのが苦手なため、限界まで疲れを感じにくく、限界を超えると、一気にイライラしたり癇癪を起こしたりします
 
 
おでかけのあとに癇癪を起こす子どもを見ると「せっかく楽しかったのに…」と残念な気持ちになるものですが、外出自体が失敗なのではありません。
 
 
疲れすぎて脳が回復を求めているので、癇癪が起きている間は、いったん距離を取って子どもが落ち着くのを待てると良いですね。
 
 

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3.外出を嫌がる子が「行きたい」に変わる誘い方

 
 
では、どうすれば楽しい外出が叶うのでしょうか。ポイントは2つです。
 
 

◆ 体験談で見通しを作る

 
 
わが家が変わったのは、私の昔話がきっかけでした。
 
 
「お母さんが若いころ、ここに行ってね…」
 
 
そのときの風景や食べ物の話をしていると、それまで無反応だった場所に「そこ行ってみたい」と息子が言ったのです。
 
 
お母さんやお父さんが行ったことのある場所なら、たとえはじめての場所でも安心感を感じやすい ので、「行ってみたい!」という感情を湧きあがらせることができるのですね。
 
 
楽しかった経験談を語ることで、ガイドブックを見せるよりもポジティブな感情が伝わりやすくなるため、お母さんの過度な期待や圧力を感じにくいのです。
 
 
わが家では、6年ぶりに家族旅行が叶いました。
 
 
発達障害 旅行 コツ
 
 

◆ 疲れないスケジュール設計

 
外出のなかでも特に旅行を成功させるコツは、予定を詰め込まないことです。
 
・必ず休憩を入れる
・子どもの好きな食事を選ぶ
・外出先で迷わず動けるような事前準備
 
旅行の目的は、全部回ることではなく、「楽しかった」と言えるような記憶と体験を残してあげること。
 
 
せっかく来たのだからと、つい予定を詰めこみがちになりますが、「もう帰りたい」と言われたら、無理をしないで休むという選択肢を入れてみてくださいね。
 
 
疲れすぎない設計が、次もまた行ってみようかな!という挑戦につながります。
 
 
この一度だけではなく、その後も私の体験談と交えて昔話をした場所へは、行ってみたい!と言うことが多かったため、意識して楽しかった体験と絡めて誘っています。
 
 
発達障害の子が外出を嫌がるのは、甘えでも、ワガママでもありません。
 
 
それは、刺激と不安から自分を守ろうとする脳の反応。仕組みを理解し、安心を増やす工夫をすれば、外出は脳を育てる体験に変わります。
 
 
もし今、「旅行なんて無理…」と諦めているなら、まずは安心できる見通しを作ることから始めてみませんか。
 
 
小さな成功体験は、必ず積み重なり、子どもとの楽しいおでかけが叶うようになりますよ。
 
 

よくある質問(FAQ)

 

Q1:発達障害の子が外出を嫌がるのは、甘えやワガママなのでしょうか?

 
A1甘えやワガママとは限りません。
外出先は刺激が多く、予定の見通しが持ちにくいため、不安が強くなることがあります。感覚過敏や予測できないことへの警戒など、脳の特性が影響している場合が多く、まずは「安心 → 見通し → 行動」の順番を意識することが大切です。
 

Q2:外出を嫌がる子は、無理にでも慣れさせた方がいいのでしょうか?

 
A2無理に慣れさせるよりも、安心できる経験を積むことが先です。
不安が強いまま外出を繰り返すと、「また疲れるかもしれない」という記憶が残りやすくなります。親の体験談を共有する、小さな外出から始めるなど、成功体験を重ねることで「行ってみたい」という気持ちが育ちやすくなります。
 

Q3:外出後に癇癪が増えるのは、外出が合っていないサインですか?

 
A3必ずしも外出が合っていないとは限りません。
外出中に緊張して頑張っていた分、帰宅後に一気に疲れが出ることがあります。発達障害の子は疲労を自覚しにくいため、限界を超えると癇癪という形で表れることがあります。予定を詰め込みすぎず、回復の時間を確保することが次につながります。
 
 
 
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執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)

 

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