発達障害の子が暑さに弱いのは感覚過敏のせい?暑さが苦手な小学生への対応

 

発達障害で「暑さに弱い」のは、感覚過敏のせいかも知れません。暑くてイライラしている子どもを見てワガママだと決めつけないで!感覚過敏への正しい理解と対応で、暑さが苦手な子が暑さを克服できるようになりますよ。

 

【目次】

1.発達障害で感覚過敏のある小学3年生の息子は暑さに弱い!
2.暑さに弱いのも感覚過敏!なぜ感覚過敏があると癇癪や問題行動などを起こすの?
3.学校嫌いにさせない!発達障害の子どもの感覚過敏・暑さを克服する対応3選(HOW)
①子どもに共感する
②見通しを立てる
③環境を整える

 
 

1.発達障害で感覚過敏のある小学3年生の息子は暑さに弱い!

 
 
私には中学3年生の注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の長男がいます。
 
 
長男は幼少のころから感覚過敏、聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚などの五感からの刺激を過度に感じこだわりや癇癪を起こしやすい子でした。
 
 
例えば
 
 
●りんごのすりおろしは食べるけど角切りは吐き出す
●お風呂は大丈夫だけどシャワーを嫌がる
●砂の上をはだしで歩くのが嫌 
●暑いのが苦手
●薬は飲まない
●髪の毛を切るのを嫌がる
●恐竜が好きでもショーは嫌がる(着ぐるみなどのショー)
 
 
など数えきれないほどありました。
 
 
パニックや癇癪に対してはなだめるように対応していたのですが、毎日いろんな場面で癇癪が起きるため正直私は心身ともにヘトヘトでした。
 
 
そして、特に暑いのが苦手でいつも癇癪をおこしていた長男!
 
 
プールへ行くのにも駐車場で暑いと癇癪を起こして大騒ぎ!アイスを1日に3個以上食べるのは当たり前!
 
 
靴下はすぐ脱いでしまい、暑くて布団では寝られず、廊下や床の間で寝てしまうこともしばしばありました。
 
 
 
 
当時小学校の教室にエアコンが完備されておらず、保健室だけエアコン管理されていました。
 
 
小学低学年の時はなんとか授業を頑張って受けていました。
 
 
ところが、小学3年生になると暑いのが我慢できない長男は“保健室は涼しい”と悪知恵がつき毎日「気持ち悪い」と言って授業を抜け出し、保健室で休むようになってしまったのです。
 
 
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2.暑さに弱いのも感覚過敏!なぜ感覚過敏があると癇癪や問題行動などを起こすの?

 
 
私たちは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などのいろいろな感覚を感じています。
 
 
発達障害・注意欠陥多動障害(ADHD)のある子どもたちは、脳内伝達物質の出方が多すぎたり少なすぎたりして、感じる反応速度や程度が違うことがあります。
 
 
それは、感覚過敏と言って味覚や触覚がとても過敏で、周りの音や光など外部からの刺激をとても不快に感じてしまうのです。
 
 
「感覚」本人しかわからないことなので、感覚過敏からくる疲れやすさや生きづらさはなかなか気づかれません。
 
 
まわりが感覚過敏についての理解が薄いと「わがまま」「怠けている」と勘違いし、無理矢理にがんばらせようとしていまいます。
 
 
実はこれはとても危険な対応です。
 
 
この対応を発達障害・ADHD小学生に続けていると不登校や問題行動といった「二次障害」を誘発させてしてしまう可能性があるからです。
 
 
そして、感覚過敏が原因となって癇癪や集団生活への不適応も起こりやすくなります。
 
 
つまり感覚過敏への理解がされないと、子どもは癇癪を起こしてわがままと判断されてしまうので、感覚過敏のある子への対応を変えて欲しいのです。
 
 
保育園や幼稚園なら、感覚過敏からくる癇癪やパニックに個別対応ができやすい環境ですが、小学生になると集団行動になるため難しくなります。
 
 
そして「みんなと一緒のことができない、自分はダメな子だ。」と子ども自身の自己肯定感が下がり、無気力に発展してしまうこともあります。
 
 
 
 
感覚過敏の理解を深め、お子さまの生きづらさを和らげてあげたいですよね。
 
 
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3.学校嫌いにさせない!発達障害の子どもの感覚過敏・暑さを克服する対応3選

 
 
ついに私は、1学期の終わりの教育相談で担任の先生からどう対応したらいいのか相談されてしまいました。
 
 
そこで、わが子の特性を説明し、先生に3つのお願いをしました。
 
 
「気持ち悪い」のは嘘ではないと思うので、一度長男の気持ちを受け入れて対応してほしいとお願いしました。
 
 

◆①子どもに共感する

 
 
「そうなんだ。暑いよね。」
 
「暑くて気持ち悪いよね。」
 
 
と長男の気持ちに共感して、必ず保健室に行かせてほしいとお願いしました。
 
 
大人でもつらい気持ちをわかってもらえると、なんだか気持ちが楽になりませんか?
 
 
「もっとがんばりなさい!」
 
「みんなも大変なんだよ。」
 
 
って言われると自分の気持ちを分かってもらえなかったと悲しくなりませんか?
 
 

◆②見通しを立てる

 
 
保健室で休んだ後に「体調がよくなったら、いつでもクラスにもどっておいで」と見通しをもって行動できる声をかけをしてほしいとお願いしました。
 
 
発達障害・ADHDの子どもは集団生活になじまず、元の場所に戻りにくいこともあります。戻れるきっかけを与えてほしいと伝えました。
 
 
見通しを立てて対応してもらうことで、体調がよくなったら授業へ戻ることができるようになりました。
 
 

◆③環境を整える

 
 
近年温暖化が進み、本当にエアコンのない生活は生死にかかわることもあります。
 
 
通学中に首元を冷やすタオルや保冷剤を持たせること、エアコンを各教室へ完備してほしい要望をつたえました。
 
 
すると、来年には市内の小学校すべてに入る予定であることが分かりました。
 
 
幸い当時の担任の先生は私と長男の思いを受け入れて対応をしてくださいました。
 
 
保健室まで様子を見に行ってくださり、体調が戻ると教室に戻れるようになっていきました。
 
 
小学3年生の2学期には、保健室へ行く回数も減っていきました。
 
 
小学4年生になると、仲の良い友達から少年野球に誘われ、暑いのが苦手だった長男が、真夏の昼下がりでも野球ができるようになるまで成長していました。
 
 
予定通り教室もエアコンが完備されたため、保健室へ行くこともなくなりました。
 
 
中学生になった今は、感覚過敏はあるものの癇癪やパニックは起こさなくなりました。
 
 
一般的に毎日保健室で休む行動は、怠けていると判断されがちですが、感覚過敏からくるものでした。
 
 
長男は、自分の気持ちを否定されずに担任の先生に受け止めてもらえたおかげで、学校嫌いにならずに済んだのだと思います。
 
 
感覚過敏の子どもはまわりから理解してもらえることで、少しずつ改善します。
 
 
まずは、ママが先生と連携をとってみることが大切ですね。
 
 
 
 
このような斬新な選択ができたのは発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)のおかげです。
 
 
このように発コミュを学ぶといろんな角度で物事を考えられます。発コミュで我が子を成長をさせていきませんか?
 
 
 
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執筆者:神田久美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
 
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