発達障害コミュニケーションの苦手克服は9歳の壁にあり!繊細な思春期女子への対応法

 

発達障害グレーゾーンの子どものコミュニケーションの苦手さに悩んでいませんか?考える力が伸び、自分と他人との違いを意識し始める9歳の壁!繊細な思春期女子のコミュニケーションで友達関係をスムースにする対応をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.9歳の壁!自分の思いを言いだせない繊細な思春期女子

 
友達と何かを決めるとき異なる意見がでると、つい自分の思いを言い出せずに人の意見に流されてしまう。
 
 
発達障害グレーゾーンで繊細なタイプのお子さんに多いのではないでしょうか?
 
 
意見がぶつかって喧嘩にならなくてよかった…などと思えるのも低学年のころまで。
 
 
 
 
小学校中学年~高学年と年齢が上がるにつれて意見を求められる場面は増えていきます。
 
 
自分のやりたいことや言いたいことが上手く相手に伝えられないと集団生活で困りごとが解決しないままになってしまい、ストレスフラストレーションをためがちになってしまいます。
 
 
困りごとによる疲れやストレス、フラストレーションが続くと子どものやる気や自信が失われてしまうこともあります。
 
 
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2.発達障害グレーゾーンの子どものコミュニケーションが育ちにくいワケ

 
 
小学校中学年~高学年は考えるチカラがぐっと伸びる時期だといいます。
 
 
抽象的思考が身についたり、将来のことをイメージして考えられるようになってくる「9歳の壁!」
 
 
自分と他人との違いをより意識するようになり、友達つき合いも、気の合う仲間を自分で選び深く狭いつきあいになるため、友人関係トラブルが多いと孤立してしまいます。
 
 
ソーシャルスキルとは
・他人と上手に関わるための技術コツのこと
・人が社会の中で円滑な人間関係を築く土台になるもの
 
 
本来であれば子どもたちは、遊びや集団生活を通して人生に必要なソーシャルスキルを自然に身に付けていきます。
 
 
しかし、発達障害グレーゾーンの子どもは、脳の特性の影響スキルを学ぶ機会が少なくソーシャルスキルが育ちにくいです。
 
 
 
 
 
・相手に感謝の気持ちを伝えたり謝ることができない
 
・相手に共感したり成功を一緒に喜ぶことができない
 
・相手からの評価や自己評価との違いを認めることができない 
 
 
これらの困りごとが積み重なることで、子ども自身が傷ついたり友人関係を築けなかったりする原因になることがあります。
 
 
上手くふるまえないことで、自信をなくしたり、不登校や精神症状などの二次障害につながったりする場合もあります。
 
 
ここでは、他人と上手く関わるための技術やコツであるコミュニケーションについてご紹介いたします。
 
 

3.繊細な思春期女子のコミュニケーションの苦手を知る!

 
 
我が家の12歳の娘は正にこの時期を迎えています。
 
 
低学年のころは手を挙げてよく発表する活発な子どもでした。
 
 
しかし、3~5年生頃から自分の意見を引っ込めるようになり、係決めなども自分のやりたいことを言いだせなくなりました。
 
 
今思えば、お友達関係もこの頃からトラブルが増えていったように思います。
 
 
自分の思いを相手に伝えるのが苦手どう伝えればいいか分からない、ゆえに誤解を招きトラブルになってしまったことがありました。
 
 
先にお話ししたように、深く狭いつきあいになるこの年代の子ども達は、友人関係のトラブルが多いと孤立してしまいます。
 
 
そして、友人関係のトラブルによる疲れやストレスは子どもの自信を奪ってしまいます
 
 
娘が友達との関係を閉ざし、睡眠障害と登校しぶりが始まったころ、私は、発達科学コミュニケーションに出会いました。
 
 
そこで、娘が繊細気質で敏感なHSC傾向であることを知りました。
 
 
そして、ママの声かけで子どものコミュニケーションの苦手さを伸ばすことができることを教わりました。
 
 
 
 
 
ソーシャルスキルは大きく分けて4項目あります。
 
 
➀コミュニケーションスキル
➁生活自立スキル 
➂自己認知スキル 
➃仲間スキル
 
 
私から見て、娘は➀のコミュニケーションスキルが苦手だと感じました。
 
・自分の考えや気持ちを相手にわかりやすく発言できる
・話し合いで相手の話を最後まで聞くことができる
・自分がしたいと思ったことを、理由を含めはっきり言葉にできる
 
 
この3つのことを長期休暇中、友達との旅行先で実践してみることにしました。
 
 
これは、自分の思いを相手に伝える「提案」や、異なる意見が出たとき他の人と話し合うことができる「プレゼンテーション」です。
 
 
この、「提案」「プレゼンテーション」といったコミュニケーションスキルをどのように練習したかお話しします。
 
 
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4.コミュニケーション力の伸ばし方

 
 
まず、旅行前に苦手な場面を設定してロールプレイをしました 。
 
 
ー練習ー
 
 
◆「何をして遊ぼうか」を決めている場面を想定
 
 
・1つ目は、 
Aさん:わたしは、おにごっこしたいな 
Bさん:いや、ボール遊びしようよ! 
Aさん:そ、そうだね。ボール遊びでいいよ・・・  
 
 
・2つ目は、
Aさん:わたしは、おにごっこしたいな
Bさん:いや、ボール遊びしようよ!
Aさん:Bさんはボール遊びがいいんだね。じゃあ、他のみんなにも聞いてみようよ(2人で話して決めようよ)
 
 
どっちが良かったか子どもに聞いてみます。
 
 
―「1つ目は、ちゃんと話し合いができていなかったね。」
 
 
―「2つ目は、みんなに話を聞いて話し合って決めようよ、と言ったのが良かったね。」
 
 
「2人の時でも話し合うときは、やりたいと思う理由を一緒に言うと、納得しやすいね。
 
 
心の中だけで思っていても伝わらないから、ちゃんと言葉にして伝えた方がわかりやすくていいね。
 
 
あとは、みんなでやることは、みんなに意見を聞く方がいい。もしかすると反対する人もいるかもしれないからね。」
 
 
 といった感じで娘とやり取りしました。
 
 
 
 
 
ー実践ー
 
 
旅行先の淡路島には、ワークショップが何件もあります。娘は「梅薫堂でお香づくりをしたい」、友達は「香りの館でパフュームを作りたい!」と意見が分かれました。
 
 
娘は「香りの館でいいよ!」とすぐに友達に合わせ、一見まとまったように見えました。
 
 
ですが、これでは今までと変わらない!!
 
 
娘に「やりたいワークショップとその理由を言って、ちゃんと話し合ってみよう?」と伝えてみました。
 
 
娘は、ロールプレイで話し合いのイメージができていたので素直に受け入れてくれました。
 
 
 目標:自分のやりたいこと・いいと思うことを提案できる。

    異なる意見が出たとき、他の人と話合うことができる。
 
 
:お香づくりがしたい
理由:お母さんが時々焚いていてお線香の香りが好きだから。
 
 
友達:お花のパフュームが作りたい 
理由:楽しそう!場所も近いから。
 
 
お互いに意見を聞き合って、2人でどのワークショップにするか決めることができました。
 
 
娘は自分の思いを相手に理由を含めて伝えきることができました。
 
 
・自分の思いを相手に伝えることができた
・相手の思いを聞けた
・一緒に考えて決めた
 
 
このように、小さなできたという成功体験の積み重ね自分を肯定すること(自己肯定感)に繋がります。
 
 
自分を肯定することで子どもは自信の土台をしっかり作っていきます。
 
 
自分のやりたいこと・いいと思うことを提案できる。異なる意見が出たとき、他の人と話し合うことができる。
 
 
「こういうときはどういう行動をとったらいいのか」を子ども自身が理解することで、困りごとを減らしていくことができます。
 
 
人と人とが意思疎通するために使う道具言葉でありコミュニケーションです。
 
 
いきなり集団の中でスキルを伸ばすのは難しいことです。 
 
 
まず、安心できる環境でママと一緒に練習してみるのもいいですね。
 
 
最後に、ママは子どものできた!に、笑顔でたくさん褒めてあげてくださいね!
 
 
 
 
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執筆者:瑞上 ようこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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