怒られると黙る・固まる子どもは発達障害?小学生がフリーズする原因と対処法

 

怒られると黙る・固まる子どもに困っていませんか?発達障害の可能性を心配するママも少なくありません。実は静かなパニック=フリーズが原因のこともあります。小学生が自分の気持ちが言えない、静かなパニックの原因とママの対処法を紹介します。
 

【目次】

1.怒られると黙る・固まる子…もしかして発達障害?
2.子どもが怒られると固まる理由とは?
◆過敏なためショックを受けやすい
◆恐怖から自分を守っている
◆「静かなパニック」で言葉が出ない
3.怒られてもわが子がフリーズしなくなる対処法
①距離を置く
②カウンセリングの会話
③ふだんから肯定する
4. 言葉が出るようになった子どもの変化と成長

 
 

1.怒られると黙る・固まる子…もしかして発達障害?

 
 
怒られると黙る子どもへの対応に、悩んでいませんか?
 
 
もしかして発達障害の特性かも?と心配になる方もいるかもしれませんね。
 
 
けれども、怒られて黙る、固まるという特徴だけで発達障害、というわけではありません
 
 
ただ、自分の気持ちを伝えられない、固まって動かないという様子が続くと、その習慣が子どもにとって当たり前になるのは心配ですね。
 
 
してはいけないことをしたり、誰かに嫌な思いをさせたりしたら、子どもをきちんと叱ることが大切だと考えますよね。
 
 
ところが、
 
 
・起こるとすぐに黙る
・無表情。話しかけても反応がない。
・座り込んだり、立ち尽くしたりして動かない。
・「嫌だ」など拒否の言葉しか言わない。
 
 
小学生ともなれば、きちんと何があったのか話してほしいのに、黙り込まれたら「なんで何も言わない!?」と腹が立つこともあるでしょう。
 
 
こちらが一方的に話しかけるだけの会話に、つい「また黙るの?」と責めるような口調になってしまうこともあるかもしれませんね
 
 
 
 
私は、よく預かって面倒を見ていた当時小学3年生の子どもも、都合が悪くなると黙る、固まる、を繰り返していました。
 
 
・友達になにか言われて腹を立て、石をぶつけた
 
・いとこのおもちゃを触っていたら、うっかり壊してしまった
 
・ 出かける約束をすっぽかして遊びに行く
 
 
など、こちらが怒っていたり、やらかしたことを自覚している場面でワケを問いただそうとすると、急に殻にこもって石のように固まってしまうのです。
 
 
「拗ねてるの?怒ってるの?無視しているの?」と、頭の中は疑問でいっぱい。
 
 
どうしたら会話ができるのか分からず、お手上げ状態でした。
 
 
 

 

 
 

2.子どもが怒られると固まる理由とは?

 
 
子どもが怒られると黙るのは、しばしば「フリーズ」状態に陥るためです。
 
 
フリーズとは、強い恐怖やストレスに直面した時に一時的に思考が停止し、身体が動かなくなったり言葉も出ない状態のことです。
 
 
この状態は、まだ脳が発達途中の小学校低学年~中学年くらいまではよく見られ、「静かなパニック」とも呼ばれています。
 
 
フリーズは子どもが圧倒的な感情に対処するための防衛メカニズム。ですから適切な対応が必要です。
 
 

◆①過敏なためショックを受けやすい

 
 
刺激に敏感な子どもにとって、怖い顔をした大人に怒られることは強い衝撃となり、ショックで固まってしまうことがあります。
 
 
また、感受性の強い子は怒られると自分自身が否定されたように感じてしまう子もいます。
 
 
例えば、ママにねだったものを「今はダメよ」と言われただけでも、拒否された、攻撃されたと捉えることがあります。
 
 
この時には、話しかけられても頭に入らず、聞いていない、無視しているような印象を相手に与えてしまいます。
 
 

◆②恐怖から自分を守っている

 
 
また、低学年くらいだと得意、不得意の差が大きく、周りの思う当たり前がうまくできないため、怒られる経験を重ねています。
 
 
特に、空気を読むのが下手な子は、自分や相手の気持ち、状況を理解できず、思いついたまま行動しがちですよね。
 
 
早とちりや勘違いで「嫌なことをされた」と受け取ったり、「友達に嫌われている」と誤解したりします。
 
 
このように出来事の捉え方は子供それぞれ。
 
 
大人に「理由を言ってごらん」と言われて素直に自分の考えを口にしても、「それは違うんじゃない」と否定されると、そのたびに傷ついているのです。
 
 
怒られると過去の嫌な体験を思い出して(フラッシュバック)フリーズしたり、傷つくことから自分を守るために、話したくても喋れない子もいるので注意が必要です。
 
 
 
 

◆③「静かなパニック」で言葉が出ない

 
 
また、見通しを立てることが苦手な子どもは、不安が強い傾向があります。
 
 
脳の特性から情報処理に時間がかかり、出来事の整理が苦手なため、「どうして?」と矢継ぎ早に質問されると思考が追いつきません。
 
 
さらに、自分の気持ちを言葉にするのが苦手なので、うまく言葉が出ません。
 
 
「一体、何をどう言えばいいの⁉︎」「対応を間違えたらどうしよう」と混乱し、静かなパニックを起こすことがあるのです。
 
 
怒られると喋れなくなる子どもは、このように心理的ストレスからパニックに陥ってフリーズしたり、自己防衛のために黙り込んだりするのです。
 
 
繰り返し怒られる環境にいると、過敏さが増して考える力と気持ちを言葉にする力が伸び悩むので、怒られると黙ることが習慣化してしまうのです。
 
 
こんな悪循環を断ち切って、子どもがスムーズに気持ちを話せるようになるには、どう対応すれば良いのでしょう?
 
 
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3.怒られても子どもがフリーズしなくなる対処法

 
 
私が実際にやってみて、効果を感じた対応をご紹介します。
 
 

◆ ①距離を置く

 
 
子どもに話しかけても反応がないと自分の気持ちも昂ってしまうため、少しの間、時間や距離を置きます。
 
 
「今はちょっとお話できないみたいだから、少し時間を置いてから話そう。」と、見通しを伝えます。
 
 
その際、必ず、怒っていないことを伝えることが大切です。
 
 
「私は怒っていないよ。〇〇から話を聞いて、一緒に整理しよう。」と伝えて子どもを安心させます。
 
 
お互いにクールダウンできたら、お茶でも飲もうかと誘ったり、隣に座って穏やかに話しかけてみます。
 
 
私の場合、5〜10分程度、離れて見守ったり、安全を確保して部屋を出たりしました。
 
 
嫌がらない場合は、背中をさするなどスキンシップを取り入れてもいいと思います。
 
 
表情が和らいだら、緊張が解けて話しても良いタイミングの目安になります。
 
 
 
 

◆②カウンセリングの会話

 
 
出来事を整理するのは発達障害があってもなくても、子どもにとって難しい作業です。ぜひ大人が一緒にやってあげましょう。
 
 
落ち着いた環境で、以下のようにカウンセラー対応で話を聞きます。
 
 
・出来事の把握:何が起きたのか
・相手の気持ち:相手はどんな気持ちか
・行動の理由:なぜやってしまったのか
・改善策:どうすればよかったのか
 
 
質問形式でやさしく尋ね、穏やかに相槌をします。
 
 
発達障害の特性を持つ子どもはふだんから独特のものの見方をしていることがあります。
 
 
たとえ突拍子のない解釈でも、常識をいったん脇に置いて、否定せずに受け入れることがうまくやる秘訣です。(保留・受容)
 
 
気持ちを言葉にするのが苦手な子には、「それは、悲しいね。」「悔しかったね。」などと、大人が察して言い当ててください。
 
 
モヤモヤした感情に名前をつけることで、子どもの気持ちが分かります。
 
 
子どもは、気持ちを理解して共感してもらえるので安心します。(理解・共感)
 
 
すると、自分から話をするようになります。
 
 
保留、受容、気持ちの理解と共感のステップを踏むことで、子どもは
 
 
「思ったことを話しても大丈夫なんだ!」
 
 
という安心感と自信を持つことができます。
 
 
その前に、そもそも子どもを怒る必要があることなのか、いま一度考えてみることも大切です。
 
 

◆③ふだんから肯定する

 
 
これは最も重要なポイントです。
 
 
叱られることの多い子どもは自信をなくしています。
 
 
普段から「できていることだけに注目して、できていないことはスルーする」という対応が効果的です。
 
 
困りごとの多い子に褒めるところなんてない!と思うかもしれませんが、難しいことはありません。
 
 
「お帰り!」
「手を洗ったんだね」
「プリント出してくれてありがとう!」
 
 
こんな風に、本人がしていることをそのまま実況中継するだけでも褒めて認めることになります。
 
 
特に、「ありがとう!」は年齢・特性を問わず有効なので、ぜひ毎日伝えてあげてくださいね。
 
 

4. フリーズしなくなった子どもの変化と成長

 
 
このような対応を続けると、怒られると黙って固まる子どもに変化が見られました。
 
 
・数か月で固まることが減り、1年ほどでほとんどなくなった。
 
・叱る場面で、だんだん会話ができるようになっていった。
 
・おかげで、先生に本人の考えを伝えて学校でトラブルを防ぐ対応ができた。
 
・謝れるようになり、人間関係がスムーズになった。
 
 
何よりも、日々できていることに注目し続けることでトラブルの数自体が目に見えて減ったことが嬉しかったです!
 
 
 
 
いかがですか?
 
 
怒られると黙る、フリーズしやすいタイプの子は、「発達障害なのかも?」と心配するよりも、まず、
 
 
・距離を置く
・カウンセリングの会話
・ふだんから肯定する
 
 
この3つの対応で安心感を育むことが大切です。
 
 
「怒られると黙る」「固まる」子どもは、静かなパニック=フリーズ状態にあることが多いです。
 
 
発達障害かもしれないと心配になるママも、まずは安心できる対応を続けることで、子どもは少しずつ自分から気持ちを話せるタイミングがやってきます。
 
 
子どもに合った対応を知り、焦らずに変化と成長を見守っていきたいですね。
 
 

怒られると黙ってしまう子どもについて、よくある質問(FAQ)

 
 

Q1:怒られると黙る子は発達障害の可能性があるのでしょうか?

 
 

A1:怒られると黙るという特徴だけで発達障害と判断することはできません。ただ、過敏さや情報処理の苦手さなど、発達の特性によってフリーズしやすい子もいます。対策をやっても様子が続く場合は、医療機関や専門機関への相談も検討すると安心です。

 
 

Q2:黙ってしまう子どもへの正しい叱り方や対応はありますか?

 
 

A2:まずは時間や距離を少し置いて、子どもの緊張を和らげることが大切。落ち着いた後に、出来事を一緒に整理する「カウンセリング的な会話」をすると効果的です。普段から肯定的な声かけを積み重ねることで、自分の気持ちを話す力も育っていきます。

 
 

Q3:フリーズ状態になったときに、親がやってはいけないことは?

 
 

A3:「早く話して!」「なんで黙るの!?」と強く迫ると、子どもの緊張が高まり逆効果になります。叱責や詰問は避け、まずは安全な雰囲気をつくることが大切です。無理に話させず、安心できる時間と空間を確保してあげましょう。

 
 
 
 
 
 
 
 
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執筆者:小川陽子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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