日本の教育環境の中では育ちにくい自己肯定感が育つヒーローズダイアリーについて活用法と合わせて詳しくお伺いしていきます。また、ワーママとして多忙を極めていたはらさんが発コミュと出会いトレーナーとなるまでの歩みもお伝えしていきます。
【目次】
1. 書くだけで自己肯定感が育つヒーローズダイアリーとは?
前回のインタビューでは子どもの自己肯定感の大切さについて伺いました。
1回目のインタビューはこちら▼
今回のインタビューでは、書くだけで自己肯定感が育つヒーローズダイアリーについてや、はらさんが発達科学コミュニケーション(発コミュ)・トレーナーになったきっかけなどお話を伺っていきます。
ーーー書くだけで自己肯定感が育つヒーローズダイアリーについて教えてください
「はい、ヒーローズダイアリーは1回3行で続けていける脳科学に基づいた親子で作る日記術になっています。」
ーーー3行というのはどんなことを書いていくのでしょうか?
「3つの要素を書き留めることになります。
1つ目はいいことがあった。という事実をしっかり書く
2つ目はその理由や背景を書く
3つ目はお母さんの感情や感想を書く
というやり方が基本の書き方になっています。」
ーーーヒーローズダイアリーを書くことでなぜ?自己肯定感がアップするのか教えてください
「親子で作る日記なので、まずは親子で成功体験をふりかえり、言語化・可視化していくことによって、直近の過去の経験の中からいい記憶を脳にインプットしていきます。
繰り返していくと、過去の自分の行動や言葉を思い出してアウトプットすることができるようになり、自分の行動に対していい記憶が持てるようになる脳の回路が育ち、お子さんがポジティブに自己理解をしていくことができるようになっていきます。
自己否定が強い子はなかなか自分の良さを認められないとか見つけられなくて、疲弊してしまうところがあるんです。
ですが、お母さんが一緒に日記を書くことで、お子さん自身がだんだんと自分のいいところを認められるようになる=自己肯定感アップに繋がっていきます。」
ーーーヒーローズダイアリーはどのように活用していくと、お子さんの自己肯定感アップに繋がっていきますか?
「親子で日記を作ることも大切ですが、ふりかえりに使うのも効果的です。
小さいお子さんであれば日記を読み聞かせしてあげる、字が読めるお子さんたちは自分で読んでもらったりするのもいいですね。
パラパラめくれば、過去のことでも何度も何度も成功体験を振り返ることができますから、脳にいい記憶をインプットすることができます。
お子さんが自分の良いところを見つける力がついてきたら、アウトプットもして欲しいので可能であればお子さんにも一緒に書いて欲しいなと思います。
ちょっと絵を描き足したりとか、一言コメント書いたりしながら、少しずつお子さんが参加して、親子で作っていけるようになっていくといいと思います。
書くのが難しいお子さんはシールや写真を貼って楽しむこともできますよ。
また、大きいお子さんでは自分で書くことができる分、その時の感情だったりを書き出してくれたりとか教えてくれたりすることもあります。
思わぬ発見に繋がったり、お子さんの本音に気づくことができたりするツールにもなっています。」
◆ポイント解説
ヒーローズダイアリーは子どもたちの年齢や特性に合わせて様々な楽しみ方ができそうですね。そして、ヒーローズダイアリーは実践されたママたちにも良い変化が現れてきます。
ママたちは良いところを見つけてメモを記録することで、子どものいいところを見る習慣がついてきます。
できてないことや間違ってるところではなくて、子どもの頑張ってるところや楽しんでるところに自然と目が向くようになっていきます。
そういった脳の思考回路がお母さん自身の中にも育つことで、お母さん自身がすごく子どもが可愛いなと感じたり、子育ての充実感とか幸福感を感じられたりするようになってくるそうです!
はらさんがヒーローズダイアリーというメソッドを開発したのも発コミュと出会ったから、ここからは発コミュとの出会いについてうかがっていきます。
2.やるからには極めたい!基礎講座と上級講座を同時受講
ーーー発コミュとの出会いについてお伺いしていきたいと思います。発コミュを始めてどれぐらい経ちましたか?
「はい、私は4年半経ちました。」
ーーーどんなきっかけで発コミュと出会いましたか?
「私がまず発コミュを知ったのは約5年前なんです。当時、私は東京都の公立幼稚園に先生として勤めていました。
その時に毎年夏休みに行われていた夏期研修会に発コミュのマスタートレーナーが受け持っておられる講座があり、そこに参加したのが直接のきっかけになります。」
ーーー発コミュのどのようなところがはらさんには響きましたか?
「研修で発コミュを知って、理論に触れてメルマガを読ませていただくようになって『お家でこんなことができるんだ!』とすごく感動したんです。その時にこれはうちの家庭にも絶対に必要だなって直感しました。」
ーーー発コミュを受講を決めたきっかけは何ですか?
「仕事では発達グレーゾーンの子どもたちのサポートを勉強していましたが、家庭では育てにくさのあった娘のことで悩んでいました。
娘は保育園の年長で、このままの状態で小学校へ入学しても、小学校生活を平和に過ごせる気がしないかったんです。ですが当時はとても忙しくて全然動けない状況でした。
そして、夏休みが終わって2学期に入った頃に娘のお友達トラブルが立て続けに起こってしまったんです。
娘がお友達の顔をつねってしまってお相手のお父様がもうすごく怒ってしまわれて、保育園の保育士さんたちの制止を振り払って保育室の中を娘を探し歩いたり園の外でちょっと待ち伏せをされてしまったり…
安全に通えないという状態で結局、保育園の上層部の方とか役所の方にもご相談したというようなことがありました。
いろんな特性や個性に対してまだまだ皆が寛容ではありません。
人によって捉え方が違うというなかでこれ以上のことは起こしたくない、このままではダメだ!と思った時に、発コミュがあった!と個別相談に申し込んだのがはじまりです。
先生としてならできることもママだからこそ難しい。イライラするし落ち込んだりもする。
だから、専門家や第三者の介入があった方がいいんじゃないか?冷静にかかわれる人、頼れる人がいる方がいいんじゃないか?とすら思ってました。
けれども、そうじゃなくて、ママなんだ、ママがやるんだってところで、私にも、私だからできることがあることに感動しました!
親子関係の問題とか子どもの特性の問題というところにしっかり向き合うきっかけにもなったので、現状を変えるための一歩が踏み出せたなと思っています。」
ーーートレーナーになろうと思ったきっかけを教えてください
「基礎講座と上級講座を私は同時に申し込んでスタートしました。その理由は『やるからには極めたい』と思ったからなんです。
それと同時に働き方についても考えていた時期でした。
その当時私は毎日通勤に往復3時間かけていて、平日は子どもと一緒にいる時間が夜2時間ぐらい、それもずっとイライラ・ガミガミしてるような自分がすごく嫌でした。
そんな時に起業という働き方もあることを知って、全然縁がないような知らない世界にすごく好奇心が働きました。
結果的に、決めて動き出した時にちょうどそのコロナの時期に入り、娘は小学校入学だったのですが4月から休校という形になりました。
すごく生活が作りにくい時期ではあったのですが、今振り返ってみると、その時期にたくさん発コミュを実践し、研究ができたことは運命というか…すごくいろんなタイミングの重なりの連続だったなと今では思っています。」
3.環境を活かして親子で成長の波に乗る
ーーー発コミュを実践してはらさんの変わったことを教えてください
「子どものいいところや可愛いと思えるところがたくさん増えたのが1番の収穫です。
最近では、子どもと一緒になってあれこれ考えていくことを楽しめるようになってきたなと感じていますし、それぞれのタイプに合わせて発コミュを楽しく実践できたなと思っています。」
ーーー発コミュを実践して、お子さんの変化を教えてください
「私には2人の子どもがいるのですが、2人ともタイプが違うんです。けれど、娘は苦手なことの向き合い方や付き合い方がすごく上手になってきたなと思っています。
もともと、得意なことや好きなことに没頭する力があったのでそれをしっかり伸ばしていきながら、運動がすごく苦手で習得に時間がかかるタイプなんです。
そういったこともコツコツ取り組んだり、得意なお友達にアドバイスをもらったりしながらどんどん力をつけていく。やればできるを実践しています。
息子の方は、ちょっと落ち着きがなかったり、衝動的に動いてしまったりだとかどちらかというとADHDグレーなタイプの子。
学校生活が退屈だったり嫌だったりするっていうところがあるんですけれども、 自分のペースを掴んだり、お友達と好きなことを楽しくやりながら乗りきることができるようになりました。
2人とも自分の生活が自分で作れるようになってきている。自立が進んでいるなと感じています。」
ーーーお2人のお子さんはNicotto!ライブの子ども先生に出演されました。お二人ともしっかりお話されていて驚いた視聴者の方も多いと思いますが、ライブ出演についての裏話を教えていただけますか?
「ありがとうございます。昨年の夏休みに娘がまず出演させていただいて、今年に入って春休みに息子が出演させていただいきました。
実は2人のタイプが全然違うので、それぞれの特性のタイプとそのテーマというところに合わせて全く違うやり方でトライをさせていただきました。
発コミュで育ってきた子どもの生き生きとした表情とか、日常が伝わっていけばいいなと考えて準備をさせていただきました。
娘の場合は、見通しがたたないと不安になってしまうタイプなので、しっかり私の方で質問を考えながら、それに沿って作文を作っていくというか、言語化する作業をしていくことで、伝えたいことがしっかり伝わるようにしていきました。
一方、息子はとにかく得意なこの折り紙を見てほしい!っていう気持ちが全面に出ている感じ。発表の流れは本人あんまり考えてなくて、とにかく楽しく教えることができるようなサポートをしていきました。
たくさん素敵なご感想をいただいて、すごく子どもたちの気持ちがまた一段と、自己肯定が上がったなと思っています。」
◆ポイント解説
はらさんは環境をうまく活用して、お子さんの成功体験を増やしていると感じました。そして、忘れてはいけないのがはらさんのサポート力!
お子さんの成功体験をいかに作っていくか?はらさんのように私達も戦略的に子どもをサポートしていけたらいいですね。
さて、次回はインタビュー最終回です!はらさんの素顔、知りたくないですか?起業家としてのはらしおりさんのライフスタイルや目指す夢についての内容をお伝えしています。
▼はらさんのように我が子の自己肯定感を伸ばしたいママはこちら!▼
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執筆者:嘉山葉子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)