繊細な子どもにとっては、新学期の不安は避けては通れない道ですよね。そんなときに、お母さんが子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方ができると、子どもは自分で答えを見つけて、動き出すことができますよ。一緒に作戦会議ができる親子を目指しましょう!
【目次】
1.新学期の不安と戦う繊細な子ども
2.繊細な子どもが新学期に不安になる原因とは?
3.子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方
4.新学期の不安をワクワクに変えた!繊細な小4の娘
1.新学期の不安と戦う繊細な子ども
楽しかった夏休みも終わる頃になると、繊細な子どもは新学期への不安で胸がいっぱい…
急に機嫌が悪くなったり、元気がなくなったりするのも、繊細な子どもにはあるあるですよね。
それにしても、今からこんな様子では、新学期を迎えるのが余計に不安になりますね。
しかし残念ながら、繊細な子どもにとって新学期の不安は避けて通れない道なのです。
新学期の不安は一つではなく、対応できないほどにいくつもあるからです…
・久しぶりに会う先生や友達とどう接したらいい?
・席替えして仲の良い友達と席が遠かったらどうしよう?
・新学期の勉強は難しいのかな?…など
このように大人にとっては些細なことでも、繊細な子どもにとっては不安の種になり、数え上げればキリがないですよね。
しかも、不安の理由がわかっていればまだいい方です。
何が不安なのかはわからないけど、すごく不安になっているなんてこともよくあります。
それでも繊細な子どもは、外で頑張っているんですよね。
2.繊細な子どもが新学期に不安になる原因とは?
繊細な子どもはどうしてこんなにも不安が強いのでしょうか?
不安が強くなる原因を2つ、ご紹介します。
◆物事を深く考える
繊細な子どもは、ものごとを深く考えることができて、分析も得意です。
しかし、深く考える力がネガティブなことにも働き、心配事が増えたり、嫌な記憶をなかなか忘れられず、考え続けたりします。
そのため、物事を深く考えることが不安が強くなる原因にもなっています。
◆感受性が高い
繊細な子どもは感受性が高く、音や光、においなど、色々な刺激を受けやすいです。
人の表情や声色から感情まで敏感に感じ取ってしまい、共感力も高いため、周りの友達の不安も自分事のように感じてしまうこともあります。
普段から他の子どもより、多くの刺激を受け、その分ストレスも感じやすいといえます。
安心できる環境に居た長期休みとは違い、新学期の学校での刺激は不安が強くなる原因になるでしょう。
3.子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方
では、繊細な子どもが不安になったとき、具体的に何をしたらいいのでしょうか?
実は、お母さんが話の聞き方を変えるだけなんです。
普段から子どもとの楽しい会話を増やしつつ、子どもが不安になった時には、子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方を意識して相談にのること。
それだけで、会話後の子どもの気持ちは、まったく違ったものになるんですよ。
繊細な子どもが新学期の不安で悩んでいるときには、この気持ちに寄り添う話の聞き方がぴったりです。
今日から実践して、繊細な子どもの様々な不安を解消していきましょう!
◆①保留
子どもの話を聞くとき、まず気を付けることは、大人の思いは保留することです。
「こうしたら?」「どうして~しないの?」など、自分の思いや提案は伝えません。
◆②受容
機嫌の悪い子どもの感情に巻き込まれず、ありのままに受け入れます。
子どもが警戒しないよう、話の善悪に関わらず、受容するのです。
◆③理解
子どもが何を感じているのか、何をわかってほしいのかを理解する。
子どもの気持ちを代弁して、その気持ちを尊重する。
◆④共感
子どもの感じ方を受け止めて、理解を示し、共感する。
このような話の聞き方をすると、子どもは自分の考えや気持ちを否定されることなく、全て吐き出せます。
すると、子どもに「お母さんに気持ちをわかってもらえた」という安心感が芽生えます。
子どもの中にあった怒りや不安、モヤモヤした感情がだんだん落ち着いてくると、子どもは自分の現実に立ち向かう心の準備が整うのです。
そして、子どもは自分でどうしたらいいのかを考え始めることができます。
このように、お母さんが話の聞き方を変えるだけで、子ども自身が答えを見つけるサポートができるのです。
子どもの答えは、子どもの中にしかありません。
子どもは、自分で納得して決めたことなら挑戦することができます。
このように、繊細な子どもの不安を解消していくには、お母さんが子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方をマスターすることがとても重要です。
4.新学期の不安をワクワクに変えた!繊細な小4の娘
現在小学4年生の娘は、春休みを楽しく過ごしていたのですが、始業式が近づいてくると、不機嫌になることが増えていきました。
始業式前日もとても機嫌が悪く、新学期への不安が原因なのは明らかでした。
その夜、ぐるぐる思考に陥り、興奮して眠れない娘の隣に寝そべって、背中をさすりながら…
「○○ちゃん、明日のこと考えてるんだね?今、考えてることを声に出してみたら?」 と、声をかけると…
・新しい先生は優しい人かな?
・新しい勉強はどんなかな?
・誰と同じクラスなんだろう?…など
次々と言葉が出てきました。
私は相槌を打ちながら、最後まで聞き、
「うんうん、色々気になるよね、気持ちわかるよ。その気持ちをまとめると、どんな気持ちかな?」と聞くと…
娘は、「うーんと、新学期がたのしみ!」と、笑顔になりました。
娘は、安心して気持ちを吐き出せたことで、自分の思考を整理できたようです。
この会話を通して、娘自身が不安だと思っていたモヤモヤの正体が、実は楽しみでもあると自分で答えを出せました。
そして迎えた始業式、朝から笑顔で登校することができ、明るい表情で帰宅した娘に「おかえり」を言えたことがとても嬉しく感じました。
いかがでしたか?
お母さんが子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方を知っていれば、ストレスを溜めやすい繊細な子どもが悩んだとき、適切に対応することができます。
子どもの気持ちに寄り添う話の聞き方を意識して、いつでも作戦会議ができる親子を目指していきましょう。
子育ては学ぶ時代です!子育てを”辛い”から“楽しい”に変えてみませんか?
執筆者:なかむらあゆみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)