こだわりが強い発達障害のお子さんお持ちの方、育てにくいと感じていませんか? こだわりは付き合うだけではなよくなりません!そこで、今回はこだわりを和らげるためにママしてほしいこだわり対応の新常識を紹介します。
【目次】
1.こだわりって付き合い続ければよくなるんじゃないの?
2.発達障害の子どもがこだわる理由
3.こだわりスイッチを押すかどうかはお母さんの声かけ次第
4.こだわりの強さで育てにくいはもう卒業!こだわりが和らぐ肯定の4テクニック
1.こだわりって付き合い続ければよくなるんじゃないの?
発達障害、特に自閉スペクトラム症(ASD)傾向の子どもは、子どもなりの変えられない、強いこだわりをもっていることがあります。
・全て自分の考えが正しいと思って人の話を聞き入れない
・勝負事で勝たないと気が済まない
・自分のやり方にこだわって周りのペースに合わせられない
・特定の活動や興味に異常に集中する
など、年齢や特性によってこだわり行動の現れ方は様々です。
こだわりが強い子は
・お母さんからすると、どうでもいいと感じるものに興味を示す
・朝の忙しい時間にルーティンにこだわって急ごうとしない
・子どものためと思ってアドバイスをしても手伝ったことに納得せずに怒る
など往々にしてお母さんの思った通りには動いてくれないので、育てにくいと感じてしまいますよね。
そこで、こだわりの強さを専門機関に相談したり、あるいはネットや育児書でたくさん調べた結果”こだわりにはとことん付き合いましょう”とアドバイスを受けることが一般的です。
私は、その言葉を信じて時間が許す限りに息子のこだわりに付き合ってきました。
保育園帰りの夕方の忙しい時間でも、息子が電車を見たいと言えば踏切の前で1、2時間電車観察に付き合い、食事の際に「このお皿はイヤ」と癇癪を起こされた時には、本人が納得いくまでお皿を変えたりしていました。
しかし、どんなに付き合っても息子のこだわりはよくなるどころがどんどんエスカレートし、こだわりに振り回される生活に疲れ果ててしまったんです。
「こだわりって付き合い続けたらよくなるんじゃなかったの?お医者さんの嘘つき!」私は心の中で叫びながら「このままではいけない」と危機感を感じたのでした。
2.発達障害の子どもがこだわる理由
そもそも、なぜ発達障害の子どもは異常にこだわるのでしょうか?
それはズバリ、こだわりが強い子は不安を感じやすい脳の特性をしているからです。
人の脳は外側と内側で分けた場合、外側は社会的な脳、理性的な脳と言われ、人を思いやったり感情を抑えたりなど他の動物にはない人間特有の役割を果たします。
内側は本能的、動物的な脳と言われます。
呼吸や内臓の働き、ホルモン調整、体温調節など生きていくために無意識的に働く役割を果たします。
本来、気持ちが落ち着いている時は、外側:内側=3:1の割合で働いていると言われます。
しかし、取り乱した時や怒りに震えているときなどメンタル不安的なときは内側と外側の働きの割合が逆転します。
働きが逆転することによって本能的な働きが強くなり、様々な刺激に敏感になってストレスから自分を守ろうとします。
つまり、発達障害の子どもは環境の変化やルーティンの変化に敏感な子が多く、脳の働きの逆転現象が起きやすい脳の特性を持っています。
そして、自分自身を安心させるために物理的にコントロール可能な自分の持ち物やルーティン、思考にこだわることで安心感を得ているんです。
3.こだわりスイッチを押すかどうかはお母さんの声かけ次第
さて、お子さんのこだわりに対して日頃からどんな声かけをしていますか?
・片付けるときに順番通りにおもちゃを並べている
→「そんなのどっちでもいいから早く片付けなさい!」
・同じ服を着たがる
→「そっちは昨日も着たから今日はこっちにしなさい!」
・好きな活動に没頭している
→「それはもう終わり。お風呂の時間だよ!」
などと悪気がないにしてもお母さんの言葉が自分のこだわりを脅かす危険信号と判断されると、本能的な脳が働くスイッチを押すきっかけになってしまうんです。
ですが、お母さんの声かけがこだわりを認めてくれる安心できるものだった場合は子どもの不安が増すことはありません。
つまり、お母さんの声かけで不安がなくなり安心することできれば、こだわる必要がなくなるということなんです!
4.こだわりの強さで育てにくいはもう卒業!こだわりが和らぐ肯定の4テクニック
では、どのような対応をすれば子どもは自分のこだわりが認められたと感じられるでしょうか。
丁寧にこだわりに付き合い続けるだけでは、こだわりは和らぎません。そこで、こだわりに効く肯定の4つのテクニックを紹介します。
◆①興味や関心を示す
自分の好きなものに対して大好きなママが興味を持ってくれると誰でも嬉しいものです。
子どもがこだわっているなと感じたら
「どうしてそう思うの?」
「どこがそんなに好きなの?」
「この順番ってどんな意味があるの?」
「集中してるね!完成したら見せて!」
というように明るい雰囲気で聞いてあげましょう♪
好きなものに対しては子どもも前のめりで話してくれます。理解できない子どもの言動が理解できるきっかけになることもありますよ。
◆②同意する
子どもの言動に対して、賛成してもらえると子どもは嬉しくなります。
「その遊び⽅⾯⽩いね 」
「そのやり⽅だと安⼼するんだね」
「この⾊本当に好きだよね 」
「これが嫌だったんだね 」
「そうなんだね」
こだわりに対してお母さんが味方だとわかると、子どもの不安は一気に解消されます。
◆③スキンシップ
スキンシップは不安定な気持ちを落ち着けるのに有効です。
日頃から肩や背中に触れる 、ハグ 、頭をなでる 、触れ合い遊び 、⼿を繋ぐ 、⼀緒にお⾵呂に⼊るなどたくさんスキンシップをとるのがおすすめです。
心が落ち着いてくるとこだわりは自然と和らぎます。
◆④ジェスチャー
理解しがたいこだわりや時間がないときなどお母さんの心の余裕がない時は、こだわりを認められないときもあると思います。
そんなときはジェスチャーで乗りきましょう!
うなずく、OKサイン、グッジョブサイン 、拍⼿などで十分肯定が伝わります。
これらの4つの肯定のテクニックで日頃から関わっていくと、お子さんの安心が溜まります。
心の安定を保ことができれば自然とこだわりが和らいでいきます。ぜひこだわりに肯定的に関わることから始めてみてくださいね。
こだわりが和らぐ新常識な対応法はこちら!
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)