子どものおもちゃが増えているのに捨てられないと困っているお母さんはいませんか?ADHDの子どもは好奇心旺盛で次々と新しい物に手を出しがち。一方でこだわりがありおもちゃが捨てられません。子どもが自分で片付けられるようになる秘策をお伝えします。
【目次】
1.「まだ使うから捨てないで!」ADHDの子どもと繰り広げるおもちゃ片付けバトル
2.なぜおもちゃが捨てられないの?発達の特性を理解しよう
3.捨てられないおもちゃとのお別れ法!親子で楽しく取り組む2つのアイデア
①スッキリ片付く!「とりあえずBOX」の魔法
②自分で選べる力を育てる!「決断の時間」の作り方
1.「まだ使うから捨てないで!」ADHDの子どもと繰り広げるおもちゃ片付けバトル
おもちゃがどんどん増えて片付けが追いつかない…そんな悩みを抱えているお母さんはいませんか?
新しいものに次々と興味を持ち、手に入れたおもちゃを手放すことができないお子さんのおもちゃが家中にあふれかえり困ってしまうこと、ありますよね。
私の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の好奇心旺盛な子どもです。
息子は片付けが大の苦手で、新しいおもちゃを次々と欲しがります。
でも、手に入れてもすぐに飽きてしまい、不注意からその存在を忘れてしまうことも少なくありません。
気づけば、おもちゃをどこに置いたかもわからず、また新しいおもちゃを欲しがるという悪循環に陥っています。
さらに、おもちゃを壊してしまうことも日常茶飯事。
私が壊れたおもちゃをこっそり捨てると、「あの車どこに行った?」と突然聞いてくるのです。
捨てたことを伝えると、息子は大泣きしてしまい、困り果てることもしばしばです。
息子に確認しないとおもちゃを捨てられないうえに、確認すると「まだ使うから捨てないで!」と強く拒まれ…
結局家中がおもちゃで散らかり、どうしたら良いのか分からなくなっていました。
2.なぜおもちゃが捨てられないの?発達の特性を理解しよう
我が家のように、おもちゃがどんどん増えて片付けが必要と感じているのに、なかなか捨てられずに悩んでいるご家庭は多いのではないでしょうか。
特にADHDのお子さんは、好奇心旺盛な性格から「あれも欲しい」「これも欲しい」とおもちゃがどんどん増え、おもちゃ箱がパンパンになってしまいます。
そろそろ整理しなきゃと思い、子どもに「いらないものはない?」「整理しよう」と提案しても、「まだ遊ぶから捨てないで」「これは全部いるもの!」と、なかなか片付けが進まないこともありますよね。
ADHDの子どもは、どれが必要でどれが不要かを見分けるのが難しいのです。
なぜなら、記憶力がまだ未熟なため飽きっぽいからです。
長い間使っていなかったおもちゃでも久しぶりに見ると、新しいおもちゃのように思えて「遊びたい!」という気持ちが湧いてしまいます。
さらに、未来を想像することが苦手なため「また遊ぶかもしれない」と思い、捨てることに不安を感じてしまいます。
物へのこだわりも強く、壊れてボロボロになったおもちゃでも、本人にとっては大切なもの。どうしても手放せないことが多いのです。
溢れかえるおもちゃ…そろそろなんとかしたいですよね。
3.捨てられないおもちゃとのお別れ法!親子で楽しく取り組む2つのアイデア
お子さんのおもちゃを整理したい、不要な物は捨ててしまいたいところですが、ADHDの子どもにとっては愛着のあるものを手放すことは大きなチャレンジです。
焦らずにお子さんのペースに寄り添えば、少しずつスムーズにお片付けができるようになります。
お子さんの特性に合わせた対応をしていきましょう。
ここでは、我が家のADHDの息子が実際に試してうまくいった、おもちゃとお別れするための2つの方法をご紹介します。
◆①スッキリ片付く!「とりあえずBOX」の魔法
「捨てたくない…」と言われるたびに、どうしようかと悩みますよね。
そんなときには、息子と一緒に「とりあえずBOX」を作ることから始めました。
息子に「これはどうする?」と聞いても「置いといて」「捨てないで」と言ったものは、とりあえずBOXに入れるようにしました。
この方法のポイントは、息子が「捨てていない」と安心できること!
とりあえずBOXに入れるだけで、部屋がすっきり片付いたように見えるし、息子はお片付けが成功したという達成感を感じられます。
◆②自分で選べる力を育てる!「決断の時間」の作り方
「とりあえずBOX」は、あえて息子の見える場所に置いておきました。
その理由は、自分で決断する力を育てるためです。
定期的に「このおもちゃどうする?」と声をかけ、
・どれを捨てるのか
・いつ捨てるのか
を自分で判断してもらいます。
「もう使わないから捨てる」と息子自身に捨てるタイミングを決めてもらい、おもちゃに「ありがとう」と言ってお別れするようにしました。
親からすると壊れているしボロボロのおもちゃでも、子どもにとっては大切なものかもしれません。
その判断を子ども自身に委ねることで、選択する力が育っていきます。
始めは「全部捨てないで」と言っていても、繰り返し聞いていくうちに「これはもういらない」と少しずつ自分から手放せるようになります。
大切なのは、自分で決める!ということです。
自分でいるもの、いらないものを選択するという経験はこれからの人生でも役に立っていくはずです。
まだまだ道半ばですが、息子も少しずつ自分から選ぶことに挑戦できていて、おもちゃとお別れする回数が増えていきました。
いかがでしたか?
おもちゃを手放すことに時間がかかるかもしれませんが、「自分でできた!」という経験を重ねることが、子どもの成長にとってとても大切です。
親子で一緒に、おもちゃと向き合う時間を作りながら、お子さんが自分のペースで成長していく手助けをしてみてくださいね。
ADHDの子どもに不安があればこちらをチェックしてくださいね!
執筆者:石井花保里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)