発達障害アスペルガータイプの子どもが記憶力がよすぎてネガティブな情報を覚えていて、新しいことに挑戦できないという悩みはありませんか?今回、絵本を読んで狼を怖がる息子が不安を克服し、動物園に行けるようになったサクセスストーリーを紹介します。
【目次】
1.オオカミを怖がって動物園に行けない息子
2.発達障害・アスペルガータイプは記憶力の達人
3.不安に打ち勝つ非常識な方法
1.オオカミを怖がって動物園に行けない息子
我が家には発達障害グレーゾーン、アスペルガータイプの4歳息子がいます。
ある日、息子が動物園に行きたいと言うので、週末に計画を立てました。
しかし、楽しみにしていたはずの息子ですが、動物園に向かう途中で「オオカミに食べられたらどうする?」「怖いから行きたくない」と言い出したんです。
息子は1つでも心配なことや気になることがあると、自分が納得するまで何度も聞いてくる癖があります。
こだわりが強いので、一度行かないと言い出すと絶対に人の話を聞こうとしません。
なぜ急にオオカミの話が出てくるのだろうと疑問に感じ、息子の話に耳を傾けました。
すると、小さい頃に見た「3匹の子豚」の絵本で、ブタがオオカミに食べられていたシーンをふと思い出し、動物園に行ったらオオカミがいるのではないかと不安になったことがわかりました。
「ブタが食べられていたのは絵本の話だよ」と説明しても、息子の不安そうな表情は消えません。
その日は無理して連れて行くことはせず、再チャレンジすることにしました。
このように発達障害の子どもがありもしないことに不安になって、挑戦しないというお悩みはありませんか?
2.発達障害・アスペルガータイプは記憶力の達人
では、なぜ息子は急に3匹の子豚の絵本を思い出したのでしょうか。
それは、発達障害のアスペルガータイプの子どもが持つ記憶の特異性と感情の処理が関係しています。
アスペルガータイプの子どもは、絵本やニュース、過去のネガティブな記憶が頭に残りやすいという特性があります。
そして、そうした記憶をいつまでも覚えていて、時々思い出してはネガティブな考えに陥ってしまう、いわゆる「反すう思考」という特性も持っています。
彼らは一度見聞きしたことをとても鮮明に覚えていることが多く、特に強い感情を伴った出来事は、長期間にわたって鮮明に記憶されることがあります。
これが時折、突然フラッシュバックすることがあるのです。
例えば
・小さい頃に読んだ「3匹の子豚」の絵本で、豚が狼に食べられてしまうシーン
・ニュースで見た火事や地震の映像
・過去に行った病院で歯の治療や注射をされた痛かった思い出
・過去に行ったお出かけ先で怖い思いをした
これらの出来事が強烈に印象に残り、記憶に深く刻まれます。
そして、その記憶がフラッシュバックすることで、次のようなこだわりに繋がります。
・動物園に行く際に、「狼に食べられてしまうから行きたくない」と感じる
・今、自分の家で火事や地震が起こったらどうしようと不安に襲われる
・病院や歯医者の近くを通るだけで強い拒否反応を示す
・一度怖い思いをした場所に二度と行こうとしない
アスペルガータイプの子どもは賢く、記憶力が非常に優れていることが多いのですが、その記憶力が逆にネガティブな影響を及ぼすこともあります。
実際には起こるかどうかわからない不安にとらわれて、挑戦したいのに挑戦できない状態を避けるためには、適切なサポートが必要です。
3.不安に打ち勝つ非常識な方法
そこで、発達障害・アスペルガータイプの息子が「オオカミに食べられたら?」という不安に打ち勝ち、見事動物園に行けるようになったサクセスストーリーを紹介します。
それは彼らの記憶力の良さを活用した記憶の上書き戦法です!
アスペルガータイプの子どもはネガティブな記憶を映像として頭の中に記憶しています。
だから、いくら口頭で「オオカミは人を食べないんだよ」「怖くないんだよ」と説明しても頭の中の映像を消し去ることはできません。
アスペルガータイプの子どもは視覚優位である子も多いので、ぜひ映像を通してネガティブな記憶をポジティブな記憶で塗り替えてあげましょう。
私はYouTubeでオオカミが人に懐いている映像や可愛いと思える動画を選んで、息子に見せました。
他にもオオカミが鳥や昆虫などを食べている怖くないシーンを見せることで、オオカミは人を食べないということをインプットしました。
このように、子どもの記憶を、オオカミが怖いものから優しくて可愛いというポジティブなものに塗り替えてあげることで、不安が解消され動物園に行けるようになりました!
動画はお子さんの不安や恐怖を助長するような悪影響がないことが絶対なので、お母さんがあらかじめ下見をしておくことをオススメします。
挑戦すればどうなれるのか?実際はどうなのか?ということを伝えて、不安や恐怖をとりぞいてあげましょう。
そうすると、何でも挑戦できる子どもに育っていきますよ。
挑戦できる子になる⁉︎目から鱗の解決法とは
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)