「あれどこに置いた?」発達障害のお子さんが物をどこに置いたか忘れてしまい、探し物が多くありませんか?「ちゃんと片付けしてないからでしょ!」と言いたくなりますよね。今回は子どもが物を見失わないための解決ヒントをお伝えします。
【目次】
1.探し物が多い発達障害の子どもに悩む毎日
2.子どもの探し物が多い3つの理由とは?
①整理整頓が苦手で片付けができない
②ワーキングメモリーの低さが影響
③不注意と衝動性の影響
3.発達障害・ADHDの子どもの探し物がゼロに!今すぐできる3つの解決策
①使う物同士で「専用コーナー」を作る
②「見える」収納で物を見失わない
③必要な物だけに絞ることで整理整頓を楽に
1.探し物が多い発達障害の子どもに悩む毎日
子どもが探し物を繰り返す日常にお疲れではありませんか?
「あれ?ハンカチどこに置いたっけ?」「またハンカチが見つからない!」「お母さん、どこに置いたか分からないよ~」「ないない!」
こんな声を朝から何度も聞くと、イライラしてしまいますよね。
我が家の発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子も、幼稚園に持って行くハンカチやお箸、大切なおもちゃが見当たらず、朝の準備がバタバタしてしまう…
こんな日常が繰り返されていました。
息子の探し物が多くなりがちな理由は次のような流れです。
物の置き場所をすぐに忘れてしまう、物を簡単に失くしてしまう
↓
どこに置いたか思い出せない
↓
探し物ばかりしてしまう
このような状況で、朝からパニックになる息子に「だからちゃんと片付けなさいって言ったでしょ!」「どうしていつも忘れるの?」と怒っていました。
結果として、次のような悪循環が生まれます。
物を失くす → 母が怒る → 子どもが不安になる → また物を失くす
いくら注意しても、探し物がなくなるどころか、逆に増えてしまっていると感じていました。
注意が逆効果になることも多く、もうお手上げ状態でした。
2.子どもの探し物が多い3つの理由とは?
発達障害・ADHDの子どもが、物をどこに置いたかをすぐに忘れてしまい、探し物ばかりしてしまう理由は何でしょうか?
主に考えられる原因は以下の3つです。
◆①整理整頓が苦手で片付けができない
発達障害・ADHDの子どもは、整理整頓や片付けが特に苦手な傾向があります。
そのため、物の置き場所を決められず、失くしやすい状況が頻繁に発生してしまいます。
整理整頓が苦手なお子さんは、次のような問題を抱えがちです。
・物が多く、どこに置いたらいいのか分からない
・片付けの方法が分からず、物が散らかってしまう
そのため、どうしても探し物が多くなってしまいます。
◆②ワーキングメモリーの低さが影響
発達障害・ADHDの子どもは、ワーキングメモリが低いことが多く、どこに物を置いたかを覚えておけません。
片付けたつもりでも、その置き場所をすぐに忘れてしまい、探し物が増えてしまうのです。
たとえば、お子さんが「ハンカチはかばんに入れた」と思っていても、実際には机の上に置きっぱなしだったりすることがあります。
記憶が曖昧で、物の置き場所をすぐに忘れてしまうのが原因です。
◆③不注意と衝動性の影響
不注意や衝動性も、探し物が多くなる原因の一つです。
不注意のため、物を失くしやすく、探し物が目に入らないことがあります。
また、衝動的な行動により今まで手に持っていた物を忘れてしまい、気がつけばどこかに置きっぱなしにしてしまうことも。
例えば、気になる物があるとそちらに注意を向けてしまい、手に持っていた物の存在自体を忘れてしまう…
こんなことが頻繁に起こるのです。
これらの理由から、発達障害・ADHDを持つお子さんは探し物が多くなりがちです。
お子さんの特性を理解し、適切なサポートを行うことで、探し物が少ないスムーズな生活を目指しましょう。
3.発達障害・ADHDの子どもの探し物がゼロに!今すぐできる3つの解決策
ここからは、発達障害・ADHDのお子さんが物をどこに置いたか忘れず、探し物を大幅に減らすために、お母さんがすぐにできる具体的な解決策を3つお伝えします。
◆①使う物同士で「専用コーナー」を作る
整理整頓が苦手で、物をどこに置いたらいいのか分からない子ども。
そこで、「物のグループ化」をして、あらかじめ専用の置き場所を決めてあげましょう。
例えば、幼稚園の準備をするときに、ハンカチ、制服、バックなど物を探しながらあちらこちら動きまわっていると時間がかかります。
そのためあらかじめ幼稚園に持っていくものをまとめて置く専用コーナーを作っておくようにしましょう。
幼児にとってたくさんのコーナーはわかりにくいので、お家の中には主に3つのコーナーを作ることをお勧めします。
〇幼稚園コーナー:幼稚園バッグ、帽子、ハンカチ、ティッシュなどをまとめて一箇所に置いておくことで、朝の準備が一気に楽になります。
〇お出かけコーナー:洋服や靴下など外出時に必要な物を幼稚園コーナーの隣に置いて、外出時のバタバタを減らしましょう。
〇おもちゃコーナー:リビングにおもちゃ専用の場所を作り、「ここに行けば欲しいおもちゃがすぐ見つかる」という状態を整えましょう。
各コーナーは幼稚園やお出かけ、おもちゃの絵を書いて貼っておき、子どもがわかりやすいように工夫し、お部屋の環境を整えましょう。
お母さんの声かけで、元の場所に戻す習慣をつけることで、整理整頓が身につくようになります。
おもちゃをどこに置いたらわからない場合はこちらの記事も参考にしてください。
合わせておもちゃをどこに置いたらいいのかわからない子どもが簡単に片づけられるアイディア仕掛け3つ
◆②「見える」収納で物を見失わない
お母さんとしては「見えない収納」の方がスッキリしていると感じるかもしれませんが、発達障害・ADHDのお子さんには不向きです。
ワーキングメモリが低いため、見えない場所に物を収納すると、何がどこにあるのか忘れてしまいます。
それを防ぐために、使用頻度の高いものは「見える」状態で収納しておくと覚えやすいですよ。
〇透明の収納箱や袋を活用:中身が見える透明な箱や袋に物を収納するだけで、探し物が劇的に減ります。
〇使用頻度の高い物をオープンに:よく使う物は目に見える場所に置いておくと、探す手間が省け、時間の節約にもなります。
〇必要のない物は隠して収納:使用頻度の低い物は、フタ付きの箱や引き出しにしまい、気が散らないようにしておくと整理がしやすくなります。
この「見える収納」「見えない収納」を実践するだけで、お子さんの探し物の回数が激減します。
◆③必要な物だけに絞ることで整理整頓を楽に
物が多すぎると、お母さんもお子さんも整理整頓が難しくなり、どこに何を置いたか把握しづらくなります。
また、物を失くしても「まだあるからいいや」と思ってしまいます。
〇必要最低限の物だけを残す:お母さんが一緒に断捨離をして、物を減らすと整理が簡単になり、お子さんも物を大切にする習慣がつきます。
〇定期的に物を見直す:成長に合わせて、持ち物を見直し、不要な物は処分することで、お子さんと一緒に片付けの習慣を身につけましょう。
物を減らすことで、頭の中もスッキリし、お子さんが自然に片付けができる環境を整えられます。
物を減らす方法はこちらの記事も参考にしてください 発達障害・ADHDキッズのおもちゃが捨てられないお悩みを一挙解決
いかがでしたか?
今回は探し物を減らすための解決策を3つ紹介しました。
子どもの頃にできた習慣は大人になってからも必ず役に立つはずですよ!
これらの方法は、お子さんの特性を理解し、ストレスフリーな毎日を送るための第一歩です。
これを機に、家族みんなでスムーズな生活を目指しましょう。
発達障害・ADHDの子どもの子育てのヒントを配信しています!
執筆者:石井花保里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)