自閉症で外に出たがらない子がお出かけしたくなる3つの対応

 

自閉症の子どもが外に出たがらないのは「本当は出かけたいけど、不安だから出かけたくない」という気持ちがあるから。お出かけして本当に楽しいのかな?となかなか外に出かけたがらないんです。外出が苦手な小学生でも外出したくなる対応をお伝えしますね。
 

【目次】

1.自閉症の子どもが外に出たがらない
2.出かけたいけど出かけたくない!子どもが出かけたがらない原因とは?
◆見通しを立てるのが苦手
◆ネガティブな記憶が残りやすい
3.外出が苦手な自閉症の小学生がお出かけしたくなる対応
◆①外出先やその場所でできることを動画を見せながら伝える
◆②子どもの決断を待つ!無理に出かけない
◆③初回はリハーサル!また外出したくなるような記憶を残す

 
 

1.自閉症の子どもが外に出たがらない

 
 
暑い夏が終わり、近頃は過ごしやすくなってきましたね。
 
 
秋には連休もありますし、家族みんなで外出したくなる季節ですね。
 
 
私や小学4年生の娘は、自然いっぱいの場所やレジャー施設、ショッピングモールなど、色々なところへの外出が大好きです。
 
 
しかし、我が家の自閉症スペクトラム(ASD)の特性を持っている小学2年生の息子は、なかなか外には出かけたがらないですし、安全基地である家が大好き!
 
 
家族がどんなに「きっと楽しいから出かけようよ」と誘っても、「出かけない!」と言って、外に出たがらないのです。
 
 
 
 
 
主人がいないと息子を一人だけ残して、長時間は外出できないですし、どうにか説得して一緒に出かけても、すぐに「やっぱり帰る!」なんてこともよくありました。
 
 
いつも外出を楽しみにしている娘を、がっかりさせてしまうこともたくさんあったのです。
 
 
どんどん引きこもりがちな生活になり、活発な娘を可哀想に思った私は、どうにか息子がお出かけしたくなるように、娘と作戦を立てて、毎回一生懸命に誘いました。
 
 
それでも、しつこく誘うと怒り出し、外出できないことがほとんどでした。
 
 
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2.出かけたいけど出かけたくない!子どもが出かけたがらない原因とは?

 
 
どうして息子はこんなにも外に出たがらないのでしょうか?
 
 
それは、自閉症スペクトラムの子どもの脳の特性に原因があるのです。
 
 

◆見通しを立てるのが苦手

 
 
自閉症の子どもには、見通しを立てるのが苦手という特性があります。
 
 
見通しを立てられないことで、これから起きるできごとが予想できず、とても不安に感じるのです。
 
 
その特性により、特に今まで行ったことのない場所への外出が苦手です。
 
 
 
 
 

◆ネガティブな記憶が残りやすい

 
 
それに加え、ネガティブな記憶が残りやすいという特性も併せ持っています。
 
 
しかも、その記憶を何度も繰り返し思い出してしまい、不安が強化されてしまうのです。
 
 
自閉症の子どもは、このような特性があることで、外出した時に起こった嫌なできごとをいつまでも忘れることができません。
 
 
そして、「また嫌なことが起こるかもしれない」「出かけても楽しくないかもしれない」と、外に出たがらないのです。
 
 
このように、「本当は出かけたいけど、出かけたくない」という心理になるのは、自閉症の特性によるものなんです。
 
 
もともと人間の脳に備わっている危険を避けるための機能とはいえ、自閉症の子どもはその反応が過剰過ぎて、とても生活しづらいですよね。
 
 
これでは、自分にとっての安全基地である家から出たがらない気持ちもわかる気がします。
 
 
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3.外出が苦手な自閉症の小学生がお出かけしたくなる対応

 
 
自閉症の子どもが外出を嫌がるときに試してほしい対応を3ステップでお伝えします。
 
 
子どもがお出かけしたくなるように、笑顔でゆっくり話しかけてくださいね。
 
 

◆①外出先やその場所でできることを動画を見せながら伝える

 
 
これは、見通しを立てるのが苦手な自閉症の子どもにとても効果的な伝え方です。
 
 
子どもの心境が「本当は出かけたいけど、出かけたくない」といった状態なら、さらに効果抜群です。
 
 
動画で見せて、言葉で説明することで、より想像がしやすくなります。
 
 
目で見て理解するのが得意なタイプの子にも、話を聞いて理解するのが得意なタイプの子にも有効です。
 
 
もし、お子さんがどちらが得意なのかがわかっている場合には、得意な方をより意識して見通しを立てるサポートをしてくださいね。
 
 

◆②子どもの決断を待つ!無理に出かけない

 
 
見通しを立てるサポートをしたにも関わらず、それでも外出を嫌がることもありますよね。
 
 
そういうときこそ、無理に出かけないことです。
 
 
子どもの決断を待ってみてください。
 
 
自閉症の子どもだって外出が苦手なだけで、嫌いではないことも多いのです。
 
 
最初は嫌だったけど、行ってみたら楽しかった!なんてこともよくありますよね。
 
 
子どもだって興味があるところなら、本当は行ってみたいと思っています。
 
 
でも、そんなにすぐに「楽しそうだから行ってみよう」と気持ちを切り替えることが難しいのです。
 
 
「もし行きたくなったら言ってね〜」くらい軽く誘い、プレッシャーにならないようにしてください。
 
 
今日は行けなくてもまた次があるというくらいの気持ちで待っていると、自分のタイミングで決断して「やっぱり行きたい」と言い出してくれることがよくあります。
 
 
 
 

◆③初回はリハーサル!また外出したくなるような記憶を残す

 
 
いつもは外出を嫌がる子どもが勇気を出して外出できたら、親としては思いっきり楽しませてあげたいですよね。
 
 
しかし、途中で不安になったり、トラブルがあったりして「もう帰りたい」なんて言い出すこともあります。
 
 
そんなときは否定せずに子どもの気持ちをしっかり聞いて、それでも気持ちが変わらない場合は無理せず帰ったり、子どもが納得する予定に変更することをおすすめします。
 
 
特に初めての場所へは、今回はリハーサル!くらいの気持ちで行きましょう。
 
 
大切なのは、やっぱり来なければよかったと、外出を嫌なイメージにしないこと。
 
 
外出中や帰り道にも、楽しかったことやできたことの記憶を強く残してあげることを意識して会話しましょう。
 
 
自閉症の外出を嫌がる子どもには、見通しを立てるサポートをして、子どもの決断を待つ。
 
 
そして外出できても、今回はリハーサルくらいの気持ちで、次の外出につなげるポジティブな記憶を残すことが大切です。
 
 
それが、外出が苦手な子どもでも、お出かけしたくなる秘訣です。
 
 
いかがでしたか?
 
 
発達障害・自閉症の特性がある子どもには、お出かけを嫌がる他にも、たくさん育てづらいと感じることがあると思います。
 
 
私は、発達科学コミュニケーションで困り事への対応を学び、その学びを子育ての軸にして、外出を嫌がるときの我が子に合った対応を見つけることができました。
 
 
今では「まだ行ったことのない遊園地に行ってみたい!」と外出が苦手な息子から言ってくれるようになりましたよ。
 
 
ぜひ、お出かけしたくなる対応3ステップを実践してみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:なかむらあゆみ

(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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