聞く力が弱い発達障害の子は困り事がたくさん…。人の話を聞ける子であれば、人との会話も勉強も楽しくなります。しかし、人の話を聞けない子は何をするにも問題が付きまといますよね。子どもに聞く力をつける必要性と聞く耳を育てる対応をお伝えします。
【目次】
1.聞く力が弱い?発達障害の子が人の話を聞けない原因
2.人の話を聞く力の必要性とは?
◆理解し合えず、心から通じ合えない
◆集団生活での困り事が増える
3.聞く力をつける!聞く耳を育てるママの対応
1.聞く力が弱い?発達障害の子が人の話を聞けない原因
発達障害・グレーゾーンのお子さんが人の話を聞けないことにお悩みではありませんか?
・何度も話しかけているのに気付いていない
・重要なところを聞き逃している
・人の話を最後まで聞けない
このように、人の話が聞けていないことが多過ぎると、うちの子って聞く力が弱いかも…と、不安に感じてしまいますよね。
なぜ、発達障害・グレーゾーンの子どもたちは人の話を聞けないのだと思いますか?
実は、人の話を聞けないのは、発達障害の子どもの「耳の不注意」が原因なんです。
不注意であるため、人の話に意識を向けることができず、大事なことを聞き逃してしまうのです。
人の話を聞けないと、その後の行動にも大きく影響しますよね。
これからやることがわからない、一人で勝手に行動してしまうなど、話が聞けないだけで困り事がどんどん増えてしまいます。
2.人の話を聞く力の必要性とは?
まず、人の話を聞く力がある子どもは、とても生活がしやすいといえます。
聞くというのは、理解するための材料や考えるための材料を仕入れることだからです。
材料はたくさんあればあるほど理解しやすく、「わかった!」という楽しさが生まれます。
人との会話が楽しくなるし、勉強も楽しくなります。
けれども、聞く力が弱く、その材料が少ないとどうなるか…
◆理解し合えず、心から通じ合えない
実際に聞いた話の内容や事実が少ない
↓
自分の脳の中にある知識や経験だけでしか、理解することができない
↓
感情的な先入観で考えたり、こだわりが強くなる
↓
切り替えが悪くなったり、思い通りにならないと怒る
こんな脳の使い方しかできなくなってしまいます。
そうすると、「そんなこと言ってないじゃん!」「なんでちゃんと聞いてくれないの!」と、ママも子どももお互いに理解し合えず、心から通じ合えなくなってしまいますね。
◆集団生活での困り事が増える
また、聞く力がないままだと、学校ではどんな困り事が起こるでしょうか?
たとえば、先生が「1+1の式と答えをノートに書いてください。」と、子どもたちに指示したとします。
しっかり集中して話を聞いていれば、簡単にできそうな問題ですよね。
しかし、聞く力が育っていないとどうなるでしょうか?
・最初からしっかり聞けていなかった場合
「1足す…あれ?何だっけ?2かな?3かな?」と、問題自体が正確にわからないので、正しい答えなんて出せないですよね。
・最後までしっかり聞いていなかった場合
「1+1=2です!」と、その瞬間に大きな声で言ってしまうかもしれません。
まだ、みんなが一生懸命ノートに書き出している最中ならば、先生やお友達から指摘を受けてしまうことにもなりかねませんね。
こんな風に本人が生活するうえで困らないように、物事を正確に理解するためには、聞く力が欠かせないのです。
いかがでしょうか? 聞く力をつけることの必要性がおわかりいただけたでしょうか。
3.聞く力をつける!聞く耳を育てるママの対応
聞く力が弱い子をそのままにせず、人の話を聞ける脳に成長させてあげたいですよね。
まず、聞く力をつけるには、ママとの1対1での会話から始めていきましょう。
1対1で話を聞けない子が、いきなり集団生活の中で一斉指示を聞くというのは、ハードルが高いですよね。
そうなると、おうちでのママの対応がカギです!
簡単にできる対応をお伝えしますね。
◆ママに注意を向けさせる
子どもに近づいて視界に入り、肩や背中に優しく触れて、子どもの注意を自分に向けさせてから声をかける方法です。
聴覚(声かけ)だけでなく、視覚や触覚からも刺激を入れることで、子どもの注意を引きやすくなります。
子どもが何かに集中している時には特に、この方法で話に意識を向けさせるのがおすすめです。
毎日、ママも仕事に家事に忙しいと思います。
そんな中で、何回言っても子どもが話を聞かなくて時間がかかっているのであれば、一度手を止めて、この方法で声をかけてみてください。
必ず自分が話しかけられていることに気が付くので「何回も何回も声をかけているのに聞こえていない!」と、時間がかかってイライラするよりは早く話を聞いてくれるので、楽になりますよ。
◆子どもに聞きたいと思わせるママの声かけ
子どもにママの話を聞きたい!と、思わせる声かけをしていきましょう。
ママから優しい声で肯定してもらったり、聞いていて楽しい話や質問をしてくれたりしたら、どんどん話が聞きたくなると思いませんか?
逆に、もしママが話しかけてくる内容が、いつも指示出しばかり、「ダメ!」「やめなさい!」などのお叱りの言葉ばかりだったら、子どもの耳は自然に閉じてしまいます。
私たちだって、否定的な言葉ばかりかけてくる人の話は、正直聞きたくないですよね。
まずは、子どもに肯定的な言葉をかけることから始めましょう。
おすすめの肯定の声かけを2つご紹介します。
子どもがしていることを見たまま伝える
「手を洗ったんだね」「歯磨きしてるね」「たくさん食べたね」など、実況中継のような声かけです。
本人のできていることを言葉にして伝え、自分ができていることに気付かせてあげましょう。
ママはちゃんとあなたのことを見ているよ!という肯定にもなります。
興味関心を示す
「何見てるのー?ママにも教えて」「すごーい!これどうやって作ったの!?」など、子どものしていることや好きなことに興味関心を示す声かけもおすすめです。
子どもは、自分のしていることや好きなことにママが興味を持ってくれるととても喜びます。
このような肯定的な声かけをしていれば、ママの話がもっと聞きたくなること間違いなしです!
このような対応を続けていくと、だんだん聞く力が育ち、ママの声かけ一つで反応できるようになっていきます。
そうすると次第に、集団生活の中でも一斉指示に反応できるようになっていくのです。
まずは、ママがおうちで対応を変えること。必ず子どもに聞く力が育っていきますよ。
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執筆者:うめちゃん先生
(発達科学コミュニケーショントレーナー)