探し物が苦手、テストでは解答欄を間違えるなどケアレスミスが多い…こんな発達障害の子どもの行動に悩んでいませんか?実はこれらの不注意行動は「見て選ぶ力」を伸ばせば減らすことができるんです。今回はお家で楽しくできるトレーニングを紹介します。 |
【目次】
1.不注意な子どもに足りないのは「見て選ぶ力」!
2.発達障害の子どもの「見る機能」を発達させよう!
◆目を素早く動かす!
◆見た物を正確に捉える!
3.発達障害の子どもとお家で楽しくできるトレーニング
◆探し物ゲーム
◆お手伝い
◆ビジョントレーニング
1.不注意な子どもに足りないのは「見て選ぶ力」!
普段から不注意な行動が目立つ発達障害の子どもたち。
お家では
・探し物をなかなか見つけられない
・すぐに物をなくす
学校では
・テストのときに解答欄を間違えるなどケアレスミスが多い
・授業中、教科書の中から指示された箇所を見つけるのに時間がかかり、授業についていけなくなる
お子さんに当てはまるものはありませんか?
実は発達障害の不注意行動には
・「見て選ぶ力」がきちんと発達していないこと
・発達障害の子どもが様々な特性を持っていること
の2つが関係しています。
発達障害の特性と不注意の関係についてはこちらでお話ししています。
「見て選ぶ力」とは、大事な情報を素早く見つける力のことで、日常のあらゆる場面で必要とされます。
ところが発達障害の子どもは、この「見て選ぶ力」がきちんと発達していない子が多いため、不注意な行動が目立ってしまうのです。
そこで今回は、お家で楽しく「見て選ぶ力」を伸ばすことができるトレーニングを紹介します。
2.発達障害の子どもの「見る機能」を発達させよう!
発達障害の子どもが大事な情報を素早く見つけられるようになるためには、「見る機能」を発達させてあげることが必要です。ここでいう「見る機能」は視力のことではありません。
「見る機能」とは
・目で映像を捉える
・見た物の位置を認識する
・見た物に合わせて体を動かす
といった脳の働きのことを指します。
「見る機能」にはいろいろな働きが関係していますが、ここではその中から発達障害の不注意に関係する2つの働きを紹介したいと思います。
◆目を素早く動かす!
1つ目は目を素早く動かすことです。身の回りにたくさんある情報の中から早く、正確に必要な情報だけ集めるためにとても大事な機能です。
目を素早く動かすことができるようになると、板書を写すのが早くなる、本を読むときに読み飛ばしがなくなるなど発達障害の子どもの行動に変化が出てきます。
ただし、板書に関しては「見る機能」が発達していない子どもにとっては、難易度が高い作業であるため、手元に見本を置くなどの工夫も必要です。
◆見た物を正確に捉える!
2つ目は、目で物を見た時に形・色・位置などの情報を正確に捉える働きです。
見た物を正確に捉える力が発達すると、探し物が得意になる、図形の問題が得意になるなど発達障害の子どもの行動に変化が出てきます。
このように生活のあらゆる面で必要とされる「見る機能」ですが、実は現代の日本人は「見る機能」が発達していない人がとても多いと言われています。
理由は、スマホやタブレットが普及し、幼い頃から目線の動きが狭い範囲に限られてしまう機会が多いからです。
だからこそ、不注意行動が目立つ発達障害の子どもには「見る機能」を発達させてあげることがとても大事なんです。
3.発達障害の子どもとお家で楽しくできるトレーニング
ここでは、発達障害の子どもの「見る機能」を発達させるためにお家でできるトレーニングを3つ紹介します。
◆探し物ゲーム
普段のお家の遊びの中でも、発達障害の子どもの「見る機能」を高めることができます。手軽なのは探し物ゲームです。
「お父さんの部屋から青い靴下を見つけておいで♪」などの声かけをして探し物をさせるだけでもトレーニングになります。
「宝探しゲーム」と名前をつけて、折り紙で作った手裏剣やお菓子なんかを隠すのも楽しいですね。
◆お手伝い
実はお手伝いには、目を大きく動かしたり、見た物に合わせて体を動かす機会がたくさんあります。中でもオススメのお手伝いは掃除です。
最初はホワイトボードに書いた字や絵を消す、机を雑巾で拭くなど掃除をする場所が平面で汚れも見つけやすい作業から始めます。
慣れてきたら、床のほこりを掃除機で吸い取るなど、汚れを注意して探す必要がある作業に取り組ませてみましょう。
掃除の中でも難易度が高いのが、お風呂やトイレの掃除です。お風呂やトイレは掃除する場所が3Dであり、体の動きも大きくなるからです。子どもの様子を見て挑戦させてみましょう。
最初のうちは、お母さんが「ここの角にほこりが溜まっているよ」などと声かけをしながら、取り組ませてあげましょう。
◆ビジョントレーニング
ビジョントレーニングとは、「見る機能」を伸ばすためのトレーニングです。中でも不注意な子どもにオススメのトレーニングには以下のようなものがあります。
1つ目は点つなぎです。これは数字がたくさん書いてあり、1から順に結んで絵を完成させるトレーニングです。
点つなぎでは最初に「1」を見つけることがポイントになるので、毎回時間を計って「今日は何分でできるかな?」などとゲーム感覚で取り組むことが大事です。
2つ目は探索課題です。これは、プリントから特定の数字やイラストなどを探して丸をつけるトレーニングです。
探索課題は市販の知育プリントだけでなく、「ウォーリーを探せ!」や「ミッケ!」などの絵本を使って取り組むこともできますよ。
いかがでしたか?発達障害の子どもの不注意行動を減らすためには、「見る機能」を発達させるトレーニングをお家で取り入れることが大切なんです。
ただし、トレーニングは子どもが楽しんでやれることが一番大事です。訓練のようになってしまうと、発達障害の子どもは取り組むのを嫌がる可能性もあります。
そこでパステル総研では、オリジナルの教材をご用意しました!発達障害の子どもが取り組みやすいように様々な工夫がされている、ここでしか手に入らない教材です。
こちらでダウンロードができますので、ぜひチェックしてくださいね。
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)