発達障害の子どもは、行動が衝動的だったり、注意が続かなかったりして、何度言っても同じことをしてしまいがち。こんなお子さんに、叱り疲れたお母さんもいるのではないでしょうか。実は、この悩みは子どもの特性に合わせた対応の工夫で改善できます。
【目次】
1.発達障害・ADHD息子のうっかり行動に悩んでいた私
2.感情的な対応がうまくいかない理由とは?
3.発達障害・ADHDの子どもに伝わる対応法とは?
1.発達障害・ADHD息子のうっかり行動に悩んでいた私
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ息子は、自分の行動を制御することが苦手。
下記の様な《うっかりミス》をよくしてしまいます。
・片付けないまま、次の事を始めてしまう
・すぐ気が散る
・忘れ物が多い
・衝動的な発言をしてしまう
・じっとしていられない
このような行動は脳の特性に基づいていることが多く、その子のやる気だけではどうにもなりません。
しかし私は、生活の中で繰り返される《うっかりミス》に対して、
「また!?」「何度言ったらわかるの!?」
いつも感情的に対応していたのです。

しかも、2か月早産で生まれた息子は、予定よりも1学年上に就学。
発達がゆっくりで「できないこと」が多い中、周りとの差を感じて、私は「しっかりさせなきゃ!」と焦るばかりでした。
でも、叱れば叱る程、改善するどころか、息子の自信はどんどん失われていきました。
2. 感情的な対応がうまくいかない理由とは?
発達障害の子どもは、情報処理がゆっくりだったり、感情のコントロールが難しいことがあります。
そんな子に対して、感情的に怒ると――
恐怖や不安を感じる脳のエリアが反応し、【怒られたこと】が強く記憶に残り、【何をすればよかったのか】が頭に入らないのです!
つまり、「怒られた」という事だけが嫌な記憶として強く残り、行動改善にはつながらないのです。

結果として、
【母:怒る→子:聞いてるフリ→子:またやる→母:怒る】という悪循環に。
発達障害のある子どもには、こうした【叱り対応】が逆効果になることも多いのです。
3. 発達障害・ADHDの子どもに伝わる対応法とは?
私が試したのは、子どもが納得し、次の行動につながる対応です。
①責めずに、穏やかに話す
→ まずは、子どもが落ち着いて話を受け取れる状態を作ります
②状況を子どもに言わせる
(例)麦茶をこぼしたら
母:「どうしたの?」
子:「注いでたら、コップが倒れたの。」
③どうすればよかったかを一緒に考える
母:「なんで倒れちゃったのかな?」
子:「片手で注いだからだと思う。」
④失敗を“成功体験”に変える!
母:「こぼれたら、どうする?」
子:「フキンで拭く!」
母:「いいね!対応できたね!」
このように、「できなかった」→「対応できたね!」に転換することで、行動の改善と自信回復を同時に育てられるのです。

いかがでしたか。
何度言ってもやめない――
伝えたい事がしっかり子どもに伝わっていない事が原因かもしれません。
発達障害・ADHDの特性に合った対応を意識することで、
・子どもが納得して聞ける
・行動を自分で振り返る力がつく
・失敗を責めるのではなく、次につながる声かけができる
ようになります。
パステルキッズの学校生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆者:大島さくの
(発達科学コミュニケーション トレーナー)
(発達科学コミュニケーション トレーナー)