高校生で不登校になった発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な子どもでも、安心できる関わりと楽しい体験を重ねることで、脳は何歳からでも成長します。19歳の娘が小さな冒険を通して自信を取り戻した経験をご紹介します。
【目次】
1.なぜ不登校になった発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な思春期の子どもが「小さな冒険」をすると良いの?
2.なぜ思春期の「今」こそ、脳を育てる関わりが大切なの?
3.優等生だった娘が不登校になって、私が気づいたこと
4.「小さな冒険」で繊細な子どもの自信を育てる方法
5.「小さな冒険」で繊細な娘が変わった!
1.なぜ不登校になった発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な思春期の子どもが「小さな冒険」をすると良いの?
「今まで頑張れていたのに、突然学校へ行けなくなった」
そんなわが子を見て、「どうして頑張れないの?」、「もっと頑張れば学校に行けるのでは?」と思ってしまうことはありませんか?
でも、不登校になった子どもは、頑張れないのではなく、頑張り続けたことで心や脳が疲れていることがあります。
特に、発達障害グレーゾーン・自閉症スペクトラム(ASD)傾向があり、繊細な子どもは、周囲の刺激や人間関係、予定変更などに強いストレスを感じることがあります。
さらに、「ちゃんとしなければ」、「失敗してはいけない」、「周りの期待に応えなければ」と頑張り続けることで、自分でも気づかないうちにストレスをためてしまうことがあります。

だからこそ、まず必要なのは「頑張らせること」ではなく「安心させること」です。
子どもの気持ちを否定せず、「つらかったね」、「頑張っていたね」と受け止める。
安心できる状態をつくることで、子どもは少しずつ「やってみよう」という気持ちを取り戻していきます。
そして、安心を土台にして「小さな冒険」をし、小さな成功体験を重ねることで、自信がついていくのです。
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2.なぜ思春期の「今」こそ、脳を育てる関わりが大切なの?
発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な子どもが思春期になると「もう高校生だから、今さら変わらないのでは?」と思ってしまうかもしれません。
でも、思春期だからこそ、これからの成長につながる経験を積むことが大切です。
思春期は、少しずつ自分で考え、判断し、行動することが求められる時期です。
進路を考えたり、人間関係を自分で調整したり、予定を立てて行動したりと、子ども自身が考える場面が増えていきます。
だからこそ、親がすべて先回りするのではなく、「自分で考えてみる」、「やってみる」
そして「できた!」という小さな成功体験を増やしていくことが大切です。

また、脳には経験や学習によって変化する神経可塑性という性質があります。
脳は何歳からでも経験や学習によって変化するので、「思春期だからもう遅い」と決めつける必要はありません。
むしろ、これから自分の力で人生を選んでいく思春期だからこそ、安心できる環境の中で新しい経験を積み重ねることが、未来につながる一歩になるのです。
3.優等生だった娘が不登校になって、私が気づいたこと
私には、この春大学を卒業して社会人になった、発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な娘がいます。
娘は、小さい頃から活発で明るく、学校でも先生から褒められることの多い子でした。
スポーツも勉強も頑張り、中学受験をして希望の学校へ進学。
私は、「この子なら大丈夫」と思っていました。
ところが中学2年生の終わり頃、「学校に嫌な友達がいる」と言ったことをきっかけに、少しずつ学校へ行き渋るようになりました。
中学では何とか復帰しましたが、高校1年生の冬、苦手な英語キャンプをきっかけに再び不登校に。
通信制高校へ転校し、その後アルバイトを始めても、頑張りすぎて人間関係に疲れ、辞めることになりました。
私は、「どうして娘は途中で嫌になってしまうんだろう」と悩んでいました。
そんなときに出会ったのが、発達科学コミュニケーション(発コミュ)でした。
発コミュを学んで初めて、娘にはASD傾向があり、周囲の刺激を受けやすく、人の気持ちに敏感で、完璧にやろうとして頑張りすぎてしまう特性があることに気づきました。
私はそれまで、娘を頑張らせることばかり考えていました。
でもまず必要なのは安心できる肯定的な関わりだった、ということを発コミュで知り、娘に肯定的な関わりを続けました。

娘の安心ができてきた頃、発コミュで「小さな冒険が子どもの脳を育てる」ということを学びました。
そこで私は、娘が興味を持っていた「車の運転」や「昔行ったスケート場に行きたい」という気持ちに注目し、娘にとって無理のない小さな冒険をつくってみることにしました。
4.「小さな冒険」で繊細な子どもの自信を育てる方法
それでは、どのように「小さな冒険」をして発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な子どもの自信を育てていったら良いのでしょうか。
家庭でできる「小さな冒険」の作り方の ポイントは、
①安心できる状態をつくる
↓
②子どもの「好き」「やってみたい」を見つける
↓
③少しだけ頑張ればできそうな新しい経験(小さな冒険)をつくる
↓
④できたことを一緒に喜ぶ です。
たとえば、「行ってみたい」、「やってみたい」、「見てみたい」という子どもの言葉が出たら、「いいね!」、「やってみようか」と肯定してみます。
そして、親が全部決めるのではなく、「どうしたらできそう?」、「次はどうする?」と、子ども自身が考える機会をつくります。
そして、「できたね!」、「自分で考えられたね!」、「楽しかったね!」と出来ている事を肯定します。

こうした小さな成功体験の積み重ねが、「自分にもできる」という自信につながっていきます。
5.「小さな冒険」で繊細な娘が変わった!
発コミュで学んだのは、いきなり大きな挑戦をさせるのではなく、「やってみたい」と思える小さな一歩をつくることです。
発達障害グレーゾーンASD傾向の繊細な娘の場合は、運転免許を取ったばかりだったので、少し遠いスケート場までドライブすることにしました。
娘にとっては初めての道。
しかも首都高速を走り、途中では渋滞にも巻き込まれました。
以前なら、予定通りにいかないことでイライラして、途中で引き返したかもしれません。
でも、その日は、イライラしても「どうする?」、「次はどの道で行こうか?」と考えながら、子どもが自分で対応して目的地までたどり着くことができました。
そして、久しぶりのスケートを楽しみ、「懐かしいね」、「楽しかったね」と自然に会話も生まれました。
この経験で大切だったのは、単に遠くへ出かけたことではありません。
初めてのことに挑戦した。
予定外のことに対応した。
自分の力で目的地にたどり着いた。
最後に「楽しかった!」と思えた。
この一つ一つが、娘にとっての「できた!」という小さな成功体験になりました。

娘は今年大学を卒業して社会人になりましたが、今でも休日に一緒にドライブを楽しんでいます。
その時は、娘の気持ちを聞いて、仕事のストレスを吐き出してもらったりする時間になっています。
思春期からでも、決して遅くありません 。
安心を土台に、「好き」、「やってみたい」を小さな冒険につなげる。
そして、「できた!」という経験を少しずつ増やしていく。
それが、思春期の子どもの自信と、これから自分で未来を選んでいく力につながっていきますよ。
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執筆者:佐藤 絢子
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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