たった1分でできる!ことばを使わない発達障害のお子さんとのコミュニケーション、I LOVE YOU♡の伝え方~卒園式の練習で傷ついた子どもの自信と笑顔を取り戻そう!~

卒園を迎えるお子さんの様子に、違和感を感じているお母さんはいらっしゃいませんか? お子さんは卒園式の練習を毎日がんばりすぎているのかもしれません。今すぐできる、ことばを使わないお母さんの応援メッセージの伝え方、その方法をご紹介します。
 
 

【目次】

 
 

1 この春、発達障害の子どもを育てるお母さんに「ありがとう!」

 
 
平成最後 この3月にまもなく卒園式をお迎えのお母さん、ご卒園おめでとうございます
 
 
入園時から今までのこと、我が子の成長をあれやこれやと思い出し涙が、思わずポロリ…。そんなお母さん、たくさんいらっしゃいますよね。
 
 
今日までお子さまの命を守り、心を守ろうと悪戦苦闘のお母さん毎日、毎日、「おつかれさまでした」
 
 
そんなお母さんのがんばりは、お子さんもちゃんと感じていらっしゃいますよ。ただ、ことばで上手に表現できないだけ。
 
 
だから、お子さんに代わってお伝えします。「お母さん、本当にありがとう」
 
 
あなたの宝物はゆっくりかもしれませんが、お母さんの大きなあたたかい愛に包まれて、着実に輝きを増しています。安心してくださいね。
 
 
 
 

2 卒園式の練習は発達障害の子どもにとってとってもつらい! その理由とは

 
 
ところで最近、お子さんの様子に変化はありませんか?
 
 
・元気がない
・笑顔が減ってきた
・食欲がない
・癇癪が増えてきた
 
 
思い当たることはありませんか?
 
 
ひょっとしたら、卒園式という晴れの舞台の練習につらさを感じているのかもしれません。がんばりすぎて、ヘトヘトなのかもしれません。
 
 
教室よりもずっと広い空間で「お話しないでね」「姿勢よく座りましょうね」たくさんの指示と、じーと静かに座っていなければならない、長い長い退屈な時間…。
 
 
「なんで? 」
「僕(私)は、〇〇したいのに……。」
「先生、ちょっとこわい。」
 
 
いつもと違う園での生活、いつもと違う様子の先生。お子さんの頭の中は「?」でいっぱい。いつもと違う緊張感に不安感もいっぱい。
 
 
自閉症傾向のある子どもたちは、良くも悪くもマイペースです。集団行動がとっても苦手で、自分に向けて直接話しかけられていない言葉は、関心がなければ聞こえません
 
 
何回も何回も繰り返されている先生の声も、お子さんにとっては突然聞こえた「何言ってるの? 」の世界かも。
 
 
みんな並んでの入・退場の練習。背筋をのばして椅子に座り、「起立!」「礼!」「着席!」。歌、掛け声の練習が加わるだけでも大変なのに、卒園証書をもらう練習も。
 
 
「みんなで声をそろえて、はいもう1回」
 
 
繰り返される先生の大きな声は、たとえ自分が叱られていなくとも、自分が叱られているように感じてしまうこともあるのです。
 
 

 
 
お母さん、ご自身のことを思い出してみてください。卒園式は覚えていなくても、卒業式の練習の時のことを「楽しい」と思っていらっしゃいましたか?
 
 
感覚過敏を持つお子さんはもっと大変!
 
 
・集団のざわめき
・眩しすぎる照明の光
・式典専用のBGM
 
 
更に苦手(苦痛)なことが加わります。
 
 
お子さんの不安を軽減してあげようと、過去の卒園式写真やビデオを見せる。そんな努力をなさっているお母さんもきっと多くいらっしゃることでしょう。
 
 
これは発達科学コミュニケーションで学ぶ、お子さんに見通しをつけさせてあげるという、不安感を減らしてあげる方法のひとつですね。
 
 
お子さんの心の負担を減らせるように、お子さんが卒園式に参加できるように、保育園や幼稚園の先生と話し合い、工夫をしておられるお母さんもいらっしゃることと思います。
 
 
それでも、それでも、お子さんにとっては、不安感つらさでいっぱいなのです。
 
 

3 「卒園式を何とか乗り切れれば…」その考え方、ちょっと待って

 
 
それでも卒園式は晴れの舞台、何とか無事に済んでほしい。卒園証書をもらう姿を写真に収めたい。ついつい、親の欲が顔を出してしまうもの
 
 
周りのお母さん方の眼もどうしても気になってしまいます。
 
 
だからこそ、「何とか、卒園式を乗り切ってほしい」そういうお母さんの気持ち、痛いほど分かります。
 
 
でも、ちょっと待って。
 
 
今のお子さんの様子、よーく観察してみましょう。
 
 
楽しそうに遊べていますか?
よく眠れていますか?
表情や、ことばや声に、
何か変化はありませんか?
どこか無理をしていると感じませんか?
 
 
お子さんの心、大丈夫ですか?
 
 
特に自閉傾向のあるお子さんは、気分の切り替えがうまくいかず、ネガティブな記憶が蓄積され、それをひきずってしまいがち
 
 
卒園式の会場に入れなくなってしまったり「園に行きたくない」と訴えたお子さんもいらっしゃると聞いています。だからこそ「お子さんに、無理をさせないであげて!」お子さんは、もう十分 がんばっていらっしゃいますよ。
 
 
がんばり過ぎたお子さんは、家に帰ると身体も心もクタクタです。その疲れと落ち込みは、お母さんの想像をはるかに超えたものかもしれません。
 
 
お子さんのこれからの成長のために、毎日の嫌な経験やネガティブな感情を少しでも軽くしてあげること。これは自己肯定感を低くしないために、とても大切なことなのです。
 
 

 
 

4 準備はわずか1分、無言で発達障害の子どもに応援メッセージを伝えるテクニック

 
 
自信をなくして疲れ切って家に帰ってきたお子さんを、ほめて、認めて、見守って何とかして励ましてあげたい。でも、ことばが見つからない。ことば探し、本当に難しいですよね。
 
 
そんな時のことばを使わない、今すぐできるテクニック!準備に1分もかかりません。ぜひ、お試しください。
 
 
そのテクニックとは、 ズバリ写真を飾ること。
 
 
自閉傾向のあるお子さんの多くに、視覚優位の特性があるといわれています。つまり、耳から入る情報(ことば)よりも眼で見る方が認識しやすいということ。
 
 
だからこそ、お母さんからのI LOVE YOU ♡ をことばだけではなく、目に見えるメッセージとしてお子さんに伝えましょう。このメッセージで大切なことは、 お子さんに「自分は愛されている」と 感じてもらうこと。
 
 
家族みんなで仲良く写っている写真、お子さんが、家族の中で満面の笑顔「愛されている」ことが伝わる、そんな写真を飾ってください。
 
 
写真館で撮った写真より、旅行先でふざけている写真や、ホームパーティーで盛り上がっている写真、お子さんが何かに集中している姿を、ご家族が見守っている写真などなど。
 
 
満面の笑顔でも、変顔でも、お母さんが見て心が温かくなる、そんな写真が一番だと思います。
 
 
お子さんが写真を見て、どんな表情をするかしら、どんな気持ちになるかしら、そんな想像をしながら写真を選びましょう。
 
 
そしてドーンと飾りましょう。サービス版ではなく、小さくても2LサイズA4サイズでもいいと思います。
 
 

 
 
それをどこに飾るかというと、 一番のおすすめ場所は ずばり、トイレ。トイレは究極のプライベート空間、自分が自分でいられる場所。誰にも見られずふっと力が抜ける場所。
 
 
トイレという空間に圧迫感を感じるお子さんには、玄関や、洗面所などでOKです。お子さんによく見える場所、よく見える高さの場所に、とっておきの1枚の写真を飾りましょう。
 
 
携帯の待ち受けやパソコンの背景、定期券入れや携帯ケースの中に、ご家族やお子さんの写真を使っている、という方もいらっしゃるでしょう。お子さんも、同じです。
 
 
お母さん、お父さんが、毎日のお仕事の間に、ふと落ち込んだ時に、ご家族やお子さんの満面の笑顔の写真を見て、「さあ、がんばろう」そう思われること、ありますよね。
 
 
「あっ、飾りたい写真がたくさんあるわ」そんな風に思われたお母さん。
 
 
お子さんの色々な写真を、お子さんの眼に入りやすいところにたくさん飾ってあげてくださいね。お母さんからの、ことばではないメッセージI LOVE YOU ♡きっとお子さんに伝わります。
 
 
卒園式の練習で毎日がんばったお子さんに、こころが傷ついたお子さんに、自信と笑顔を取り戻してあげましょう。
 
 
卒園式、お天気に恵まれた暖かい日でありますように。
 
 
執筆者:青山明生
(発達科学コミュニケーション リサーチャー、
文学・学術修士、メンタルトレーナー)
 
 
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