発達障害やグレーゾーンの子育て本ではおなじみの「自己肯定感」や「自信」という言葉。どうして大切なのか考えたことはありますか?子どもの発達を加速させるために不可欠な自信について解説します。 |
【目次】
1 子どもの「自己肯定感」て一体なに?
2 子どもの自信の状態を知る方法があります!
3 発達障害の子どもの発達のために「自信」が必要なワケ
4 今日からできる!子どもの自信を育てるお母さんの声かけ
1 子どもの「自己肯定感」て一体なに?
「自己肯定感」。一度は聞いたことがある言葉だと思います。
「子どもの自己肯定感を高めましょう!」と書かれている育児本はたくさんありますよね。特に発達障害やグレーゾーンなど、発達が気になる子どもをお持ちのお母さんが手に取るような本には、
「自己肯定感を高めるためにたくさん褒めて!」
「自己肯定感が低くなるから怒るのはダメ!」
「自己肯定感が低くなるから怒るのはダメ!」
とよく書かれていますよね。このような本を読んでいるお母さんは、
・育てにくさをどうにかしたい!
・子どもをもっと伸ばしたい!
・子どもをもっと伸ばしたい!
と思って、良い方法を必死になって探していらっしゃいます。
「たくさん褒めて!」と書かれていたから必死で褒めるポイントを見つけて、
「怒るのはダメ!」と書かれていたからイライラを必死に抑え込む。
「怒るのはダメ!」と書かれていたからイライラを必死に抑え込む。
子育ては24時間365日。結局お母さんが疲れてしまって続かない…ということはありませんか?
「自己肯定感」は簡単に言うと「自分で自分をどう評価しているか」ということです。自分に自信があり、自分が「役に立つ人間だ」と思えるなら、自己肯定感は高いと言えます。
反対に、自分に自信がなく「何の価値もない人間だ」と思ってしまっているのなら、自己肯定感は低くなってしまっています。
発達障害やグレーゾーンの子育てでは、自己肯定感というよりも「子どもが自信を持てているかどうか」と考えた方がしっくりくるかもしれません。
2.子どもの自信の状態を知る方法があります!
子どもの「自信」は目に見えませんが、どんな状態かを知る方法はあります!
それは子どもから発せられる言葉。子どもとの会話や、子どもの独り言から、自信がどんな状態かを知ることができます。
自分に自信がない子どもは、
「どうせ無理、できない」
「うざい、むかつく!」
「僕なんて…」
「うざい、むかつく!」
「僕なんて…」
など、自分の実力を低く評価したり、相手を丸ごと否定したり、自虐的な言葉を発したりします。また、失敗したら必要以上に落ち込んだり、責任転嫁して怒ったり。「もう二度とやらない!」と言い出すこともあるかもしれません。
一方、自分に自信がある子どもは、「やってみたい!」「大丈夫だと思う!」「できそう!」とポジティブな言葉を多く発しています。
自分に自信があるので、難しい場面ほど燃えたり、失敗してもむやみに傷ついたりしません。自己肯定感が高い方があらゆることにチャレンジでき、自分の視野を広げることができます。
休みで子どもと過ごす時間が増えている今、ぜひお子さんの言葉を注意して聞いてみてください。
3.発達障害の子どもの発達のために「自信」が必要なワケ
発達障害の有無にかかわらず、子どもが自信を持った人に育ってほしいですよね。
一方で、子どもに自信を持たせることが大切だと分かっていても、なぜ大切なのか疑問に思ったことはありませんか?
お母さんたちのなかで「私、自信を持って生きています!」と胸を張って言う人はほとんどいらっしゃらないでしょう。
「私、○○ができないし…」
「もっとこんな風になれたらいいのに…」
「私、自信なんかありません!」
「もっとこんな風になれたらいいのに…」
「私、自信なんかありません!」
とおっしゃる方が多いのではないでしょうか。しかし、自分に自信がなくても、これまで大きなトラブルもなく普通に生活してこれましたよね。
「うちの子、自信がないかもしれない」と心配しながらも、自信がないことってそんなに大きな問題なの?それよりも勉強や運動ができない方が問題なのでは…
というお母さんへ、どうして子どもに自信がないと問題なのかをお伝えします。
自信のない子どもは、自分の実力がどうかにかかわらず「どうせできない…」と失敗を恐れてチャレンジしなかったり、失敗したら必要以上に落ち込んで「もう二度とやらない!」と宣言したりすることもあります。
一方で自信のある子どもは、どんなことでも「やってみる!」とチャレンジすることができます。たとえ失敗しても「次はどうしたら成功するか」と考えて、試行錯誤することだってできるでしょう。
実は、自信があるかないかで最も大切なポイントは「チャレンジするのかしないのか」にあるのです。チャレンジするということは「行動する」ということです。人の脳が発達していくためには、行動することが何よりも大切なのです。
人の脳は、さまざまなことにチャレンジして体験することで発達していくのです。
バレエが踊れるようになりたい!
歴史学者になりたい!
野球選手になりたい!
歴史学者になりたい!
野球選手になりたい!
と思うことは誰にでもできます。
でも、実際にバレエの練習や、歴史を勉強、野球の練習をしなければ成長していくことはできません。
頭で考えるだけでなく、実際に行動を起こしていかなければ子どもは発達しないのです!自信がないということは、行動して発達するチャンスを失う可能性が多いということです。
そして、自信は「できた!」という喜び、成功体験の積み重ね。自信がある子どもは、あらゆることにチャレンジできます。結果として、自信のない子どもよりも多くの成功体験を味わうことができます。
自分に自信がなくて「どうせ自分にはできない!」と体験すること自体を拒否していたら、能力の程度に関係なく成功体験を味わう機会が少なくなってしまいます。
もうお分かりですね!
自信がある子どもは、どんどん行動してどんどん成功し、自信を確かなものにしていく。そして脳も発達する正のループ。
自信のない子どもは、行動できず、成功体験を得られず、ますます自信がなくなる。脳もなかなか発達しない負のループ。
あなたはお子さんをどちらで育てたいですか?もちろん正のループで育てたいですよね!
特に発達障害やグレーゾーンは脳の特性や凸凹が原因。彼らを伸ばすには、脳を発達させるしかないんです。脳を発達させるしかないということは、行動させるしかないということです。なのに自信がなくて行動できない…。
これでは発達する機会がどんどん減っていきます!まずは子どもから発せられる言葉に注意して、自信がどんな状態なのか判断してみてくださいね。
4.今日からできる!子どもの自信を育てるお母さんの声かけ
お子さんの様子をチェックしてみて「うちの子、自信がないのかも…」と思ったお母さん、ご安心ください!今すぐ使える、子どもの自信を育てる方法をご紹介します。
それは、子どもの行動をそのまま言葉にするだけ。
「着替えたんだね」
「ご飯、食べたんだ」
「お風呂、入るのね」
「ご飯、食べたんだ」
「お風呂、入るのね」
明日もやってほしい!毎日やってくれなきゃ困る!という日常の行動を、そのまま言うだけでOKなんです!
これは幼児でも中高生にも使える、便利な声かけです。幼児の場合は、子どもの行動を言語化することで言葉の発達の助けになります。中高生は、自分が周りと比べてどうなのか気になるお年頃。自信もなくなってしまう子が増えてきます。
たとえば、「すごい!」という褒め方だと、「○○ちゃんの方がすごいし」「全然すごくないし」となかなか受け入れてくれません。
しかし、行動をそのまま言葉にする声かけだと、子どもも受け取りやすいのです。
行動をそのまま言葉にするだけでも、子どもは「お母さんはちゃんと見ていてくれたんだ!」と安心して自信をつけることができるんです!
春休みの今は、子どもと一緒にいる時間が増えているお母さんも多いはず。このチャンスを見逃さず、子どもの自信を育てていきましょう!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)