不登校中で発達障害の中学生がベタベタしてくることがあって戸惑ってしまったことがあります。思春期なのでやめさせた方がいいのか、受け入れた方がいいのか、子どもへの対応に迷うお母さんに、ベタベタしてくる理由と子どもへの接し方をお伝えします。 |
【目次】
1.ベタベタしてくるのにはこんな理由が!発達障害がある子の不安
2.なぜ、中学生に赤ちゃん返り(退行)がおこるの?
3.子どもの思いを否定したら増えてしまう困りごと
4.幼児期の子育てに戻って甘えを受けとめる
1.ベタベタしてくるのにはこんな理由が!発達障害がある子の不安
思春期になって、中学生のお子さんが急にベタベタしたり甘えてきたりして対応にとまどうことはありませんか?
背も伸びて体も大きくなっているのに、赤ちゃん返りをしたのかしら?と心配になりますよね。
わが家には不登校中の中学生がいて、家にいるイライラを暴言や暴力でぶつけてくるならわかるけれど、甘えてくるのはなぜかと不思議に思っていました。
実は、これは退行現象といっていったん精神的に幼い頃に戻って、自分の気持ちや体勢を整えてから前進するための反応なのです。いわゆる赤ちゃん返りです。
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2.なぜ、中学生に赤ちゃん返り(退行)がおこるの?
不登校になったお子さんの心の中はとても不安な気持ちでいっぱいです。
学校に行かないと友達がいなくなる、勉強が遅れる、先生に叱られるなど心配事がうずまいています。
将来に対しても学校へ行けないから全て終わり、と悲観的に考えてしまう子もいます。
そして発達障害の特性でつらい気持ちを言葉で人に伝えることが苦手です。
このように気持ちが安定していないことから、無意識に子どもが幼児期にタイムスリップして、安心感を求めてお母さんにベタベタしたり甘えたりしているのです。
中学生なのにベタベタしてくることを受け入れてしまうと、甘える行動がエスカレートするかも、という心配が出てくるかもしれません。
だからといってお子さんの行動を否定していいのでしょうか?
3.子どもの行動を否定したら増えてしまう困りごと
思春期で、もう大きいのだからベタベタや甘えはおかしいとつき放してしまうと、 暴力、暴言、物を壊すなど攻撃的になることがあります。
脳の中心に愛情や自分自身を大切にする部分があり、そこが満たされないと攻撃的になるのです。
また、反対に口をきかなくなる、ゲームやYouTubeにのめり込むなど自分の世界に引きこもってしまう場合もあります。
女子だったらわがままやわざと怒らせるようなことを言ったり、摂食障害を起こすこともあります。
どちらにしてもお母さんにわかってもらえず寂しさや孤独を感じてしまうのです。
それでは、どうすればいいのでしょうか?
4.幼児期の子育てに戻って甘えを受け止める
赤ちゃん返り(退行)することは決して悪いことではなく、素直に甘えたい気持ちをお母さんに伝えられるのはとても大事なことです。
受け入れ、認めてもらえたことで安心できるようになります。
お母さんに触れる温かい皮膚感覚を通して、「お母さんはいつでも自分を守って安心させてくれる存在なんだ」ということを確認しているのです。
もしも、お子さんの幼児期の子育てを振り返って、忙しくてあまり関わってあげられなかった、可愛いと思えなかった、などがあったら取り戻すチャンスです。
ベタベタや甘えをそのまま受け入れるのが難しかったら、ゆっくり話を聞いてあげるのでもいいので不安な気持ちを受け入れてあげましょう。
不登校は中学校生活や家で心や身体のエネルギーが極度に減った状態で、お子さんが自分を守るためにしている行動です。
お子さんの気持ちに寄り添い、受け止め、理解し共感することが大切です。そしてお子さんのエネルギーをどうやって溜めるかが次の一歩へ進む鍵なのです。
お母さんと穏やかな関係が持て、お子さんの気持ちが安定してくるとベタベタや甘えは減ってきます。
発達障害の有無にかかわらず、思春期の子には、家では安心して過ごせ、自分を丸ごと受け止めてくれるお母さんがいるのは何よりも大切なことなのです。
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不登校の子が家で楽しく過ごせる親子のコミュニケーション法をお伝えしています。
執筆者:半谷彩子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)