発達障害ADHDグレーゾーンの子どもには、リビング学習が合うのでしょうか。それとも学習机でしょうか。片付けが苦手な発達障害ADHDグレーゾーンの子どもが集中できる環境をつくる秘訣をお伝えします。 |
【目次】
1.低学年に人気のリビング学習
2.勉強に集中できないのはリビング学習のやり方に問題あり!?
3.片付け苦手なADHDタイプがリビング学習で集中できなかった理由
4.発達障害ADHDタイプの子どもが集中できるようになった学習机のメリット3つ
1.低学年に人気のリビング学習
新年度が始まり、宿題が本格的に始まったお子さんも多いのでは無いでしょうか。
数年前から流行りのリビング学習。小学校低学年のお子さんがいらっしゃるご家庭では、取り入れている方も多いかと思います。
リビングという学習環境ならば、毎日の学習習慣をつけるためにお母さんが見守るなかで勉強させることができます。
さらに、お子さんのやる気が出ないときや、わからない問題があった時にすぐにフォローができるというメリットがありますよね。

リビング学習の理想の姿、ちょっと想像してみましょう。普段過ごすリラックスしやすいリビングのダイニングテーブルで、お母さんに見守られながら勉強開始。
勉強にだんだんと集中してくる、我が子。わからない問題が出てきたら、気軽にお母さんに質問、そしてお母さんはそれに優しく答えて勉強が進む。
集中が途切れたら、お母さんとちょっと会話を楽しんだりして、なごんだらまた勉強に戻っていく我が子。
そのうち勉強が好きになってきて、だんだんと決めた時間になったら、自分から宿題を始めるようになる…
そんな想像をしていたのは、何を隠そうワタクシ、でした。
2.勉強に集中できないのはリビング学習のやり方に問題あり!?
リビング学習の合い言葉はズバリ、「リラックス」です。
ところが、お子さんの性格や特性、またはお母さんのコミュニケーションの仕方によっては、そのメリットがそのままデメリットになってしまうこともあるのです。
もし集中できていない場合には、その子の特性に合わせた対応を考えていく必要があります。
視界に何か入ると集中できなくなるのか?
まわりの雑音が気になり集中できないのか?
きっと何か原因があるはずです。お子さんの様子を観察してみましょう。

3.片付け苦手なADHDタイプがリビング学習で集中できなかった理由
いざリビング学習での宿題を始めて感じたのは、母も子も「リラックス」ではなく「ストレス」でした。
我が家での一番の問題は、宿題に使った勉強道具の片付けでした。発達障害ADHDグレーゾーンの場合、片付けが苦手なお子さんは多いのでは無いでしょうか。
私がワーキングマザーということもあって、宿題の時間は夕飯前。勉強の場所をダイニングテーブルとしていたため、夕飯ができたら途中でもかならず片付けなければなりません。
これが毎回バトルでした。

そして、不注意傾向があるので勉強に必要な道具をすべて、宿題を始める前に準備しておく、ということがなかなか難しく、宿題の途中で道具を取りに行かないといけませんでした。
勉強へなかなか集中できず、取りに行く間に別のものに注意がそれてしまうし、これも宿題のハードルをあげてしまっていました。
リビングのダイニングテーブルという学習環境は我が家ではデメリットしかなかったのです。
4.発達障害ADHDタイプの子どもが集中できるようになった学習机のメリット3つ
そこで、我が家では学習机を採用することにしました。置き場所は親が見守れるように、リビングにひと続きの和室に設置しました。
片付けが苦手な発達障害ADHDグレーゾーンの子どもにとっての学習机のメリット3つをご紹介します!
◆①学習専用スペースのため、勉強道具は出しっぱなしでもよい!
もちろん、「すべてきっちり一人で毎回片付ける」これができたら最高です。でもちょっと待ってください!片付けが苦手なお子さんにとって、これはとーってもハードルが高いことなんです。
苦手だからこそできるようになって欲しい、という気持ちはわかりますが、苦手を伸ばすのはスモールステップで徐々に。なおかつ楽しめる方法で!が鉄則です。
お片付けが大の苦手なら、保留にできる場所の確保も手段の一つです。
◆②広い学習スペース
これ、以外と盲点だと思うのですが、発達障害ADHDタイプの子どもは不器用、という特性があることが多いのです。
つい腕が当たって、消しゴムや鉛筆、ふで箱が床に落ちてしまう。教科書や、辞書やノートやいろんなものを広げるのにスペースが必要で、狭いスペースに上手く重ねて広げる、といったことが苦手だったりします。
ダイニングテーブルほどではなくとも、ある程度広めの机が勉強しやすいと思います。
◆③学習机の大収納でかんたん片付けスペースが確保できたこと
日本の学習机あるあるで、学習机って収納スペースがたくさん確保されてますよね。
小学生にもなると所有物がものすごく増えます。その子の持ち物のほとんどをまとめて収納できる、というメリットもありますし、なにより勉強で使う道具がすぐ手の届く場所にあり、座ったまま辞書など手に取れて、しまうのも座ったままできます。
不注意傾向がある場合、周りに置いてあるものについ注意が移ってしまい勉強に集中できない場合もあるので、目につかない配慮も必要かもしれませんが、鉛筆削りも手を伸せばとれる、教科書も座ったまま取れる場所にあり、
すべてがラクに手に取れる
ということも注意を勉強からそらせること無く続けられるメリットでもあります。
コンパクトな学習机もたくさんありますが、片付けが苦手な発達障害ADHDタイプの子どもには、ある程度広めの学習机がオススメです。
このように、我が家の場合はリビングから目が届く学習机が最適な学習環境でした。

お子さんの性格や特性に合わせた勉強に集中できる学習環境づくりができたらいいですね。
学習机のメリット3つ、参考になれば幸いです。
執筆者:広路貴代江
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)