【お悩み相談室】朝なかなか起きられず、行動の遅い発達障害の息子にどう対応すればいいですか?

発達障害の小学生の息子は、朝なかなか起きられません。何度起こしても起きられない、やっと起きても行動が遅い…なかなか朝の支度が進みません。私はいつも怒ってばかりです。どうしたら、朝起きられるようになるのでしょうか?

 

8歳・男の子のママ

忙しい朝、お子さんがなかなか起きてくれないとお母さんもついイライラしてしまいますよね。発達障害のお子さんは朝が苦手な子が多いようです。わが家も同じ悩みを抱えていましたが、YouTubeを使って解決しました!

 

発達科学コミュニケーション
リサーチャー 大森みく

 

【目次】

 

1.発達障害の子どもが、朝が苦手で行動が遅い理由

 
 
我が家の次男は小学校低学年。朝が大の苦手です。
 
 
小さい頃から、朝は何度起こしても起きられず、無理やりベッドから引きずりだしていました。
 
 
ソファーの上で窓の空をぼーっと眺めている息子に「早く着替えて!遅刻するよ」と着替えを促しても、支度は一向にすすみません。
 
 
ズボンに片足をつっこんだまま止まっている姿には、さすがに「この子、大丈夫?どうなっているのかしら?」と呆れました。
 
 
発達障害のお子さんは朝が苦手な子が多く、うちの息子のように朝起こしてもボーッとしていて行動が遅いお子さんが多いです。
 
 
そんな姿に、ついガミガミいってしまうお母さんも多いのではないでしょうか?
 
 
でもちょっと待って!
 
 
朝、目覚めてもボーッと行動が遅い子…それは本人の努力不足ではなく、低覚醒かもしれません。
 
 
低覚醒というのは、「脳の目覚めの状態が低いこと」を表します。
 
 
ですから脳が目覚めていない覚醒の低い状態で、いくら子どもを叱ってもお母さんの声は子どもの脳には届いてはいないのです。
 
 
とは言え、早寝早起き、規則正しい生活は毎日の基本!しっかり習慣化していきたいですよね。
 
 
 
 
早く寝よう!朝の光を浴びて体内時計を整えよう!という一般的な方法ではなかなか起きられない
 
 
そんな息子が「ワクワク」を味方につけて朝起きてこれるようになった方法についてお伝えします。  
 
 
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2.よく言われている早起きの工夫、うちの子には効果なし?

 
 
一般的によく言われている早起きの工夫ってありますよね。例えば、
 
 
・夜は少しずつテレビや部屋の照明をおとし、早めに寝かす
・朝は早い時間からカーテンを空け朝の光を入れる
 
 
など。相談者さんもお試しになったことがあるのではないでしょうか?
 
 
私ももちろん試しました。でも、うちの息子にはまったく効果なし!
 
 
しかし、早起きの習慣をつけて欲しかった私は、2年前のクリスマスに
 
 
「朝、早く起きて8時には家を出ようね!」
「約束を守れたら欲しがっていたゲーム機を買ってあげる!」
 
 
というご褒美作戦を決行しました。
 
 
しかし…結果は起きれたり、起きれなかったり。なかなか、モチベーションはあがりませんでした。
 
 
 
 
どうやら息子は1週間という期間をイメージできていなかったようです。発達障害の子は、時間感覚が薄かったり記憶が苦手な子が多いんですよね。
 
 
今回のように、1週間先のご褒美なんて見通しがたたないし、そもそも忘れてしまいます。
 
 
そのため、親としては奮発してご褒美を設定しても、どれくらい頑張ったらご褒美がもらえるのかイメージがつかず、結果やる気にもつながらなかったのかもしれません。
 
 
 
 
万策尽きたか、と思った私でしたが、あることに気が付きました。唯一息子が早起きできる日があったのです。
 
 
それは、お休みの日です。
 
 
学校がある日は何度起こしても起きられないのに、土曜日・日曜日になると朝サクッと起きて遊んでいるのです!
 
 
お休みの日って「今日はなにしよう?」とワクワクしますよね。実はこのワクワクこそが、脳を覚醒させるために大切なのです。
 
 
振り返ると、息子が小学校1年生だった頃、いっときだけ朝早く登校していた時期がありました。
 
 
それは、仲良くなった近所のお友達と朝の登校途中にたまたま出会えて楽しかったから。
 
 
「家を早くでれば、明日も会えるかな?」というワクワク感があったのだと思います。 この「ワクワク」を味方につけて息子は早起きできるようになりました!  
 
 
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3.キーワードは「ワクワク」。YouTubeを味方につけたら息子が起きられるようになった!

 
 
それは「朝1番に、楽しいことをする習慣をつける」こと。
 
 
朝起きて1番にすることといえば、お子さんにとって楽しくないことばかりではないでしょうか?
 
 
たとえば顔を洗いに行かせられる、着替えさせられる、おなかがすいてないのにご飯を食べさせられる、など。
 
 
それでは「面倒くさいな。起きたくないな。もう少しお布団の中にいたいな~」なんて思ってしまいますよね。
 
 
でも、起きて楽しいことが待っていれば、起きたいというモチベーションにつながります。イヤイヤ起きても目があきます。
 
 
例えば、低年齢のお子さんならお母さんがギュッとハグをする。極端にいえば朝からゲームをする、ビデオを見るなど、朝に楽しいことをする習慣をつけるのがお勧めです。
 
 
また、脳を覚醒させやすいのは、珍しい刺激、新しい刺激です。聞きなれてしまった音より、聞いたことのない音には脳が反応しやすいのです。
 
 
そこで、我が家で行った作戦は、「朝1番にスマホで息子の大好きなアニメの主題歌のYouTube を流す」こと。
 
 
うちの息子にとっては、効果てきめん!
 
 
まず、ビビッドな電子音で目が覚めます。流れてくるのは、大好きなアニメの曲なので、寝起きが悪く不機嫌気味でもだんだんノリノリで気分も上がってきます。
 
 
徐々に目を覚まし、スマホ画面の動画を見たくて体を起こします。
 
 
そこで、すかさず母からひとこと。
 
 
「1曲見終わったら、次の曲が終わるまでに着替えてね」
 
 
そして、また1曲。曲ごとに1つ1つ指示を出していきます。支度が進むたびに、
 
 
「すごいねー。起きれたねー」
「着替えも終わったねー。」
「できたね!」
「すごいね!」
 
 
と、褒めまくります。この「朝のお楽しみ作戦」で我が家の息子もだんだん起きれられるようになりました。
 
 
そして「この曲まできたら、ここまで支度が済んでいる」と時間感覚も身につきました。
 
 
 
 
いかがでしたか?キーワードは「ワクワク」です。ぜひ、お子さんにあった朝の楽しみを見つけてくださいね!  
 
 
 
 
 
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執筆者:大森みく
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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