発達障害の子育てをしていて、実は自分も発達凸凹の特性があると気が付くことがありませんか?思えば子ども時代に特性と思われる苦手や困りごとが多かった私ですが、現在はとても幸せです。経験から発達特性があっても幸せな大人になるヒントをお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害の子育てをして自分も発達凸凹?と気が付いた私
2.発達凸凹の私が幸せになれた理由
◆得意なことで自信を持つ経験
◆褒めてくれる家族の存在
◆個性的だけど自分が幸せそうな大人
◆やりたいことをいつも自分で選択できた
3.発達凸凹でも幸せな大人になる親のかかわりはコレ!
◆個性をまるごと認め信じる
◆努力を認める声かけ
1.発達障害の子育てをして自分も発達凸凹?と気が付いた私
我が子に発達障害があって、本を読んだりネットで発達障害について情報を調べたりしているうちに
「あれ?私も発達障害かも?」
なんて思うお母さんはいらっしゃいませんか?
実はこれは私のことです。
子どもの頃の私は、後先考えず行動しまうことが多く、忘れっぽい子で、運動や片付けなど苦手なこともたくさんありました。
もしかしたら、発達障害グレーゾーンではないのかな?と思っています。
小学生の頃、他の女の子はみなきちんとしてきれいにしている。でも私は?
・ランドセルや筆箱の中はぐちゃぐちゃ。プリントは出さない。
・机全面に真っ黒に落書きをしてクラスの女子に囲まれ責められ、その日から仲間外れにされる。
・学校のストーブの上のお湯の中に落とし物のプラスチック定規をつっこんで、よれよれにして先生に怒られる。
・お習字教室で集中できず大騒ぎ。服も手も墨で真っ黒。他の子が汚れていないのが不思議でたまらない。
・しょっちゅう忘れ物をして、家に走って取りに帰ったことなんて何十回も。
・学校もいつも遅刻ギリギリ。
・運動会はいつもビリ。リレーやバレーボールで私と同じチームに入ると嫌な顔をされたり悪口を言われる。
こんな子ども時代のエピソードは今思いついただけで10や20は軽く出てきます。
特に片付けが大の苦手。そして、いつも忘れ物だらけ。
なんで私はみんなのようにできないんだろうと思っていました。
女子の集団ではどこへいっても浮いた存在。
大人になっても不注意や衝動性と思われる失敗は数多くあります。
でも、失敗から学んだことも、周囲から愛情をもらったことも数多くあります。今は、家族にも恵まれ、気が合う友人や仲間もいて、自分はかなり幸せな人間だと思っています。
私はこんな苦手なことも多い人間だけど、なぜ幸せを感じられる大人になれたのか、とふと考えました。
私が幸せになったのは、苦手がありながらも幸せに過ごした子どものころからの経験があったから。
お子さんに発達凸凹があっても幸せな大人になれますよ!とお伝えしたくて、今回は私の子ども時代の経験をお話します。
2.発達凸凹の私が幸せになれた理由
発達凸凹があっても幸せな大人になった、私のターニングポイントとなる経験をお伝えします。
◆得意なことで自信を持つ経験
苦手なことでコンプレックスを感じていた私の子ども時代でしたが、成功体験となった得意なこともあったのです。
それは合唱でした。私は小学4年生から合唱団に入りました。
もともと歌が好きで、幼稚園の頃からアイドルの真似をしたり、小さいころから人前で歌ったりするのが大好きでした。
朝の集会では合唱団はステージの上で歌うのですが、みんなの前でお手本となって歌うのはとても誇らしく晴れやかな気分でした。
私は合唱団でもソロパートを歌わせてもらったり、オペレッタの重要な役をもらって発表会に出たりしました。
この合唱の活動を6年生までやり、自分でやりきった感覚を持てたこと。
いつも周りから白い目で見られていると感じていた自分が、周りから認められる経験をして自信がついたのです。
◆褒めてくれる家族の存在
いつも机の上はごちゃごちゃ。いろいろな物であふれていた私です。
もちろん母には机を片付けるよう注意はされていましたが、さほど強く怒られた記憶はありません。
「あなたは片付けさえできれば、なにもいうことない」
ということをよく言われました。
これって注意されているようで絶妙に褒めている言い回しだと思いませんか?
しつこくやるまで命令されたりガミガミ怒られたりしたことはなく、母はいつもいいところを褒めてくれました。
「手先が器用」
「発想がユニーク」
「合唱がんばっていて大したものだ」
といった感じです。
我が家は祖父母と同居でした。家にいるときは居間のこたつで祖母と過ごすことが多かったです。
祖母は染物屋だったのでよく針仕事をしていました。
私はそのそばで編み物をしたり、手芸で何かを作ったりしていました。
いつも祖母が「上手だね」「感心だね」と、褒めてくれました。
いつも誰かが同じ空間にいる家の安心感、自分がやっていることを認めて褒めてくれる信頼感があったと思います。
◆個性的だけど自分が幸せそうな大人の存在
祖父母と同居だったので、年末になると独身の叔父(父の弟)が、ふらっと我が家にやってきていました。
自由を謳歌して独身貴族と言われ、とても数学が得意だと聞いていました。
通信系の会社に勤め、趣味は鉄道、囲碁、将棋、映画、ゲーム。
年末には緑のジャージにトレンチコートという超個性的な恰好で、東京から新幹線で帰ってきます。
この叔父は、自分が新幹線で楽しむために最新のゲーム機を購入し、一通り遊んで東京に戻るときには私たち姉妹に置いていってくれました。
年末年始にゲームで遊ぶために、我が家にMacのパソコンを送ってくる年もありました。
私は、両親が決して買ってくれない最新のゲーム機に夢中になり、Macのおしゃれなアイコンやゲームのデザインに一目ぼれ!
こんなかっこいいパソコンを使う仕事や自分が欲しいものを買って自由に楽しんでいる叔父にあこがれて、叔父の出身校である工業系の学校に進むことを決意しました。
今思えば叔父は、私にこのパソコンを見せたかったから、わざわざ送ってきたのかもしれません。
叔父は身なりには無頓着な人でしたが、反面、他人のことはあまり気にしないで自分を持っていて、自分の幸せを追求し楽しんでいるようにみえる大人でした。
私はそれもいいなと感じていました。
人から見たらどうかなんてことを気にしない叔父を見て、
「別にみんなと同じじゃなくていい!」
「女子も男子も関係ない!」
「私もおじさんみたいにかっこいい仕事ができる技術者になる!」
と希望を持つことができました。
◆やりたいことをいつも自分で選択できた
私は念願かなって希望の進路に進むことができました。
普通科ではない工業系の学校に進んだので、女子は全体の1割以下と少ないのです。
合格しても、もしかしてクラスには女子が自分1人かもしれないのです。
でも、私もそれをさほど気にすることもなかったし、受験することを誰にも反対されませんでした。
後から母に「学校が合わなくて、途中でやめることも覚悟していた」と聞き驚いたと同時に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。やめることになってもいいから、と私の選択を尊重してくれたのです。
学校選択は大正解でした。
部活に燃え、すばらしい恩師や先輩、友人に出会え、たくさん学び経験を積みました。課題はきつかったですが実習や実験、卒業研究が特に楽しかったです。
この学校で女子の友達もできました。先輩、後輩、友達の中にも素敵な人や面白い人がいてたくさんの出会いがありました。
卒業後はメーカーに就職し、一人暮らしをしてみたいと地方から東京の会社を選びました。
このときも親はただ見守って応援してくれました。
地元にも就職先がありましたが、ここでも親は私の選択を尊重してくれました。
もの作りが好きで、工場に並んだ大きな機械や装置にワクワクし、自分が一部分でもかかわった製品が発売されるのがとてもうれしかったです。
一人で暮らしで自分の城をもって楽しみができました。私は一人でやれる!という自信もつきました。
私を自由にさせて尊重してくれた親には本当に感謝しています。
発達凸凹でも幸せな大人になった私の経験からお伝えできることは、周りに理解されることや自分に合った環境、自分が好きな環境にいることがとても大事だということです。
一般的にはこうだからとか、普通はこうだから、ということに縛られず自分の選択ができるといいのです。
次に、苦手なことにコンプレックスを感じて子どもが自己肯定感を失わない親の対応をお伝えします。
3.発達凸凹でも幸せな大人になる親のかかわりはコレ!
◆個性をまるごと認め、信じる
親の立場で子どもを見るときのポイントはなにがあっても「この子はこれでいいんだ!」と思えることだと思います。
子どものありのままを認めること、信じることです。
親がありのままを認め、信じてもらえたら子どもの自己肯定感が高まります。
自己肯定感が高まると「自分はこれでいい!」と幸せになれるのです。
案外子どもって、何かのきっかけで親が思うより大きな成長を遂げることがあります。
何かのきっかけで成長が自信になったり、得意が周りに認められて困りごとを目立たなくすることもあるんです。
ぜひお子さんを認めて信じてあげてくださいね!
◆努力を認める声かけ
少しでも前より良くなったことや努力を認める声かけをしてあげてください。
発達障害の子育てをしていると周りと比べて心配になったり、指示や口出ししたくなってしまいますよね。
子どもが将来困らないように、できないことを直さなくちゃと思う親心はわかります。
でも、自分に自信がなくなりがちな子どもたちです。とにかくいいところを見てあげてほしいです。
特に努力を認めてあげると、もっと努力しようと思うはずです。
努力は行動です。行動をすると脳が発達します。
脳を発達させると、困りごとが減ったり上手に対応できることが増えたりします。
どんどん行動ができるように、努力を認める声かけをしたいですね!
子どもを信じられれば親の心は子どもに通じます。そうするとしっかり親子の信頼関係ができてきます。
親子の信頼関係があれば、なにか困難があっても乗り越えられる気持ちの強さができてくるのです。
子どもに困りごとがあって今苦しんでいるお母さん、もしかして、お子さんの脳に大切な言葉が伝わっていないのかもしれません。
発達障害の子どもには、お母さんが子どもを愛していることが子どもの脳に伝わるやり方があるのです。
まだ親子の信頼関係が育っていない、と感じるなら、ぜひ発達科学コミュニケーションの基礎講座を受講してみることをおすすめします。
私の経験が皆さんの子育てのヒントになれば幸いです。
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執筆者:笹原みらい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)