学校から帰ってからの心配ごとといえば宿題!でも、発達障害でマイペースな特徴を持つ子どもがすぐに宿題を始めるってなかなか難しいですよね。そんなとき、お母さんが子どもとの関わりをちょっと変えるだけで子どもの宿題への取り組み方がガラッと変わります! |
【目次】
1.家に帰ったらすぐに宿題しない子どもにイライラがつのる私
2.勉強したくない発達障害の子どもの本心は?
①学校で想像以上につかれている
②子どもと宿題の量が合っていない
3.マイペースが特徴の子どもが自分から宿題を始めるポイントは2つ!
①子どもへの声かけを変える
②宿題を一緒に取り組む
1.家に帰ったらすぐに宿題しない子どもにイライラがつのる私
わが家の発達障害の息子は、現在小学3年生。
息子は軽度知的障害域のIQながら、入学当初から普通級に通っています。学区内の小学校には支援級がなかったことや、姉と同じ学校に通いたいという息子の希望もあったからです。
マイペースな息子にとって勉強が難しいことは承知の上での入学でしたので、勉強が苦手なのはもちろん私もわかっていましたし、息子のペースで学べばいいと思っていました。
しかし、息子が学校に慣れ学年が上がるにつれて、だんだん私の気持ちが変化していきました。
発達障害と分かっているものの普通級にいるのだからほかの子に追いついてほしい、宿題くらいはやってほしいと私の焦る気持ちが大きくなっていったのです。
そのうち、帰ってきてすぐ息子に聞く言葉は
「今日の宿題何?」
私の中では早く宿題を仕上げて、後で遊べばラクでしょ?と思っていました。
以前から息子の特徴を調べ、子育て本を読み、「褒める」ことには気を付けているつもりでした。それなのに子どもの行動を見ているうちにイライラの感情に任せて怒鳴ることが増えていったのです。
2.勉強したくない発達障害の子どもの本心は?
どうして息子は、帰宅してすぐに宿題に取り掛かれなかったのでしょうか?
◆① 学校で想像以上につかれている
勉強が苦手な息子は、家に帰ってきてすぐ勉強したくなかったのです。
発達障害の息子は複数の指示を一気に聞くのが苦手だったり、集中力も途切れがちです。
手先も不器用なので、他の子が普通にできることにも時間がかかることもあります。
このような特徴もあるため、息子は学校で一日を過ごして帰ってくるだけで、他の子より疲れていたのです。
だから、まず家に帰ってきたら、ゆっくりマイペースで過ごしたかったのです。
しかし、それに私は全然気づけずにいました。
◆② 子どもと宿題の量が合っていない
しかも、息子にとっては宿題の量が多かったのです。
脳は、何か行動を始めるときに一番負荷がかかります。新しいことであればなおさらです。
だからこそ行動を起こすときはガソリンが必要なのです。
なのに、やるべき宿題の量が多いとやる気も起こらず、エンジンもかかりません。
息子の頭の中は全くエンジンのかからない状態で、
こんなにたくさんやりたくない
↓
やろうとする前からお母さんがうるさい
↓
だからますますやりたくなくなる…
という負のループに陥っていたのです。
今思えば、息子の脳がやる気になるためのガソリンもないため、子どもがスムーズに宿題を始めることができていない状態だったです。
3.マイペースが特徴の子どもが自分から宿題を始めるポイントは2つ!
いつの間にか息子は私の顔色を見て、私の言葉を聞いておびえたようになることが増えていました。
こんな子育てがしたいのではない、これではダメだと思った私は、2つのポイントに気を付けて行動を変えました。
◆① 子どもへの声かけを変える
まず1つ目は子どもへの声かけです。ほめなければと思うことをやめたのです。
代わりに帰ってきてからの息子の行動のありのままを実況中継することにしました。
ただ事実を息子に伝えるようにしたのです。
聴覚からの情報が入りにくい特徴を持つ息子に、言葉がしっかり頭に入るようにゆっくり話すことを心がけ、
下校してから「よく帰ってこられたね」
「手も洗えたね」「元気でいいね」と、とにかく帰ってきてからの行動を言い続けました。
そしてその後に「いいね」という言葉を足すことだけを心がけました。
◆② 宿題を一緒に取り組む
そして2つ目は、担任の先生に相談して、私が宿題をどんどん手伝うようにしたのです。
ランドセルから宿題を出す、筆記用具を机の上に準備する、
漢字の書き取りの宿題なら赤鉛筆で下に薄く書く、
計算問題なら計算の部分だけを書いていくといった具合です。
書き写すことが苦手という特徴を持つ息子は、問題を解く前に書き写すだけでもうイヤになっていることが多々ありました。
これで宿題そのものをやらないくらいなら、私が手伝っても問題を解かせたほうがいいと思い、先生に相談し了承していただきました。
そうすると、私も気持ちが楽になり、「宿題をさせる」というより「一緒に宿題を取り組む」ように気持ちも変化していきました。
これを日々心掛けて続けているうちに、息子がランドセルを開けただけで
「ランドセル開けられたね」
「お手紙出してくれてありがとう」
と感謝の言葉も付け加えられるようになりました。
実行中継を続けたことと母親自ら宿題を一緒にするという姿勢を見せたことで、家の中で落ち着ける時間が増えた息子は自分から宿題のことを話すようになってきました。
今では、下校して自分の時間を少し楽しんだ後は、自分で全て宿題を終えることも増えてきています。
発達障害でマイペースな息子が自分から苦手な勉強を始めるなんて、当時の私には考えられないようなことができるようになったのです。
いかがですか?
お母さんが穏やかに子どもに接していくだけで、子どもが感じる安心感はぐーんと変わります。
そして、行動のポイントを少し変えるだけでお母さん自身の困った悩みも解消されますよ。
子どもが宿題をやらないと困っているお母さんはぜひお試しくださいね。
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執筆者:筒井ともこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)