現在、年長6歳の娘は発達障害の傾向があり、なかなかひらがなを習得することができません。読めるのですが、書くのが苦手です。ドリルにも挑戦しましたが、学習障害があるのではないかと不安です。効果的に習得できる方法があれば知りたいです。
6歳・女の子のママ
最近は小学校入学前からひらがなを園で学ぶ機会がありますね。周りが習得していくと、我が子の苦手さを目の当たりにすると不安になると思います。今回は我が子が遊びを通してひらがなを克服した2つの方法をお伝えします。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.発達障害の子どもはひらがなの覚え方に差がある
小学校1年生で習う「ひらがな」。最近は幼稚園や保育園でも読み書きができるようにしてから入学するということが多いそうです。
実際、小学校の入学準備の一つに、自分の名前をひらがなで書けるようにしておいてくださいとの記載も小学校からの冊子にあったりします。
日々の生活の中や、習い事で自然に覚えていくことも多いと思いますが、発達障害傾向にあるお子さんには習得するのに時間がかかることがあります。
その理由として、
・目でみた形をうまく認識できない
・左右の認識が未熟
・運筆(手の運び方)が弱い
などです。
今はパソコンなどがあるので、私たち大人も自分で書く機会というのは減ってきています。ましてや、子どもたちが生きるこれからの社会は今よりもっと自分で書くことは減るかもしれません。
しかし、まだまだ書くことが必要とされる場面が多いので、なるべくなら読み書きをスムーズに習得させてあげたいですよね。
学習障害ではないか?と疑ってしまう気持ちも痛いほどわかりますが、子ども達にはそれぞれ発達の旬があります。
周りができるからと言って、焦って周りのペースに合わせようとしてしまうと、わが子のやる気をそいでしまい逆効果になってしまいます。
特に子どもたちは楽しさがないと何をやっても長続きしないので、ひらがなを教えるときにひと工夫することで、効果的に楽しく覚えることができます。
今回は、我が家で実践した2つの方法をご紹介します。焦る必要は決してありませんが、楽しくお子さんと一緒に取り組んでもらえたら幸いです。
2.学習障害を疑いドリル学習で失敗した過去
ここで、私が過去に失敗してしまった経験談をお話しさせてください。
我が家にもこれから小学校にあがる娘がいます。今では、読み書きで困ることはほとんどありませんが、書くことが苦手で親子で苦戦した過去があります。
私はまだ幼稚園児だし…と呑気に考えていました。しかしある日、幼稚園のお友達から娘がお手紙をもらってきました。
「えっ?こんなに書けるの?」と衝撃を受けたのを覚えています。返事を書きたいと言った娘に紙を渡したら思うように書けないことが判明。
当時の私は、周りがこんなに書けているんだということに焦りを感じてしまい、その後必要以上にドリル学習をさせてしまったのです。
それでもなかなか覚えられない娘に対し、私は学習障害なのではないか?という不安を持つようになりました。
繰り返し書けば良いと安易に思っていた私は、嫌がる娘に対し、時間さえあれば一緒にドリルをするようになっていました。
今考えたら、娘には娘のペースがあるのだから待てば良かったとわかりますが、当時の私は周りと比べて焦ってばかり。
私の焦りと不安を感じ取りながらやらされるドリル学習は、当たり前ですが娘にとっては苦痛の何者でもなかったと思います。
日に日にやりたがらなくなり、ドリル学習が娘にとって意味がないとわかってからは、私も接し方に工夫をするように。
接し方を変えてからは、娘は自分から勉強したい!と言ってきたり、いつの間にか書けるようになっていたりと私の方が驚くことばかりでした。
実際に我が家でその当時におこなった方法を次項でお伝えします。
3.成功の鍵はやらされ感ゼロ!我が家で実践した2つの遊び
失敗に終わったドリル学習。やらされている感覚が強いと、楽しさも感じられずなかなか身につかないですよね。
私たち大人もそうですが、子どもも楽しい!と感じる中から、もっと知りたい、もっとやってみたいという意欲が育つものなのです。
そこで、接し方の重要な鍵は、遊びの中で学習に結びつけることだったのです。2つご紹介します。
◆①尻文字で楽しくお勉強
お母さんも子どもの頃に一度はやったことがあるのではないでしょうか?
昔からある「尻文字」です。
尻文字の効果は絶大です。見たものをうまく情報処理できずに書けない子どもでも、お尻で文字を書くことにより体全体で覚えさせる方法です。
お母さんと当てっこをしたり、交互に尻文字を書いたりとゲーム感覚でおこないます。繰り返しおこなうことで、文字の形が覚えられるようになります。
私も娘とゲーム感覚でおこないました。継続することに意味があるので、娘が書いた尻文字を私が全部答えられたらおやつをグレードアップなど、飽きさせない工夫をしていました。
おやつ効果で、子どもはお母さんにわかるようにしっかり書きたいという気持ちも一緒に育ちますよ。
◆②街中クイズ
子どもと一緒に歩いているときなどに、看板や標識を利用してクイズをおこないます。
やり方ですが、「さぁて、問題です!看板の中のひらがなはなんて読むでしょうか?」などと、明るく楽しくスタートしてくださいね。
我が家はゲーム感覚を大切にしたかったので、予告なしに急に始まるというパターンでした。
答え合わせは、口で答えを言いながら子どもの掌に書いてあげたり、私の掌に子どもに書いてもらったり。
この街中クイズをするようになってから、娘の方が私にクイズを出してくれるようになり、私がわざと間違えたりすると逆に教えてくれたりします。
ドリルで繰り返し学習する方法ではないので、やらされているというよりは、一緒にゲームをしているような感覚で楽しめると思います。
幼稚園の年長ともなると、私自身がそうでしたが、周りができていて我が子だけできないというのは焦ったり、不安になったりしますよね。
発達障害傾向があるならば、なおさら学習障害なのでは?と結びつく気持ちもわかります。
学習障害を疑い焦る前に、まずは接し方を変えて、遊びの中から習得に向けて取り組んでみませんか?ドリルで学習するよりも、効果的に楽しく覚えられますよ。
入学直前の今は、字を書いたり、読んだりすることは楽しいんだという気持ちを育ててあげてくださいね。
先輩ママたちによる、小学校への入学準備に関して紹介されています。こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
遊びの中から覚える読み書き方法を紹介中!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)