うちの子は、2歳になっても単語を数語しか話しません。子どもが私に何を伝えようとしているのかも分かりません。発達障害かもしれない、私の対応が悪いのだろうか、と日々不安です。どんなふうに接したら、言葉が増えますか?
2歳・男の子のママ
子どもの言葉の数が少ないと、お母さんはすごく不安になりますよね。我が家もそうでした。言葉の発達を促すコツを知ったことで、半年で息子を大変身させた私がお答えします。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 山野さくら
【目次】
1.発達障害かもしれない子どもへの対応、どんな声掛けをしたらいいの?
2.子どもの気持ちが分からない…
3.言葉の発達を促すものは何?
4.1Upルールで話そう
5.ママもコミュニケーションを楽しもう!
1.発達障害かもしれない子どもへの対応、どんな声掛けをしたらいいの?
言葉の発達のスピードは、個人差がとても大きいもの。とはいっても、2歳になっても、いくつかの単語しか話さない我が子。発達障害かもしれないし、言葉も遅いようだし、どうしたらいいのだろう?
我が家の次男は言葉が出るのが本当に遅く、私も、子どもの言葉の発達に悩むママの一人でした。
子どもが何を伝えたいのか分からないから、写真カードや絵カードを用意した方がいいのだろうか?
テレビを見せているからいけないの?
など、いろんなことを考えて、毎日もやもやしていました。
でも大丈夫です。子どもの脳の発達を促し、言葉の発達を促すには、声掛けのコツがあります。
2.子どもの気持ちが分からない…
我が家の次男は、言葉が出たのがとても遅く、2歳半頃まで「あ」「あー」「あぅ」の3語の発語と身振りでですべてを表現していました。
棚の上に向かって手を伸ばしながら「あー」といえば、棚の上にあるおもちゃをとってほしいのかな?と思い、ご飯を食べているときに「あー」といえば、おかわりが欲しいのかなと思う、という感じで、次男の気持ちを想像するしかありませんでした。
私の予想が外れるときももちろんあり、そうなると次男は目的のおもちゃがある棚をよじ登ろうとしたり、目的のものに無理やり手を伸ばして手に入れようとしたり、コミュニケーションができているとは言いにくい状態でした。
次男が何を伝えたいのか分からず、私も混乱、次男も混乱という状況。
さらに、長男が「僕の話も聞いて。」と寄ってくることも多々あり、長男の話を聞いているうちに、次男が自分の目的に向かって走り出してしまう、といったこともありました。
私一人で子ども二人を連れての外出は、ドキドキの連続でした。
この状況が変わっていくことはなく、そして次男にどのように接すればこの状況を変えられるのか分からず、一人で悩んでいました。
次男の思いが分かれば、もっとコミュニケーションができるようになるのに、と思っていました。
絵カードや写真カードを使って、ものの名前を教えた方がいいのだろうか?と思ったりもしました。 しかし、絵カードを見せても、写真カードを見せても、次男は興味をもってくれませんでした。
3.言葉の発達を促すものは何?
子どもの言葉の発達を促そうとするとき、まず、何をしようと考えますか?絵カードや写真カードを見せて、「みかんだよ。」「りんごだよ。」と教えることでしょうか。
言葉の発達を促すのは、そういった一方的に教えこむことではありません。
言葉の発達を促すのは、 コミュニケーションです。
我が家の次男も、言葉という形ではないけれど、何かを私に訴え、コミュニケーションをしようとしていました。
この時がまさにチャンス!
言葉の発達を促すのは、絵カードや写真カードでことばを教えることではないのです。
何か特別なことをしようとするのではなく、日常生活の中でチャンスを逃さず、伝わる方法を教えてあげたらいいのです。
4.1Upルールで話そう
そして、言葉の発達を促す声掛けのコツは、次のポイントにあります。
1Upルールで話すことです。
1Upルールとは、子どもが発した言葉の数より一つ多い言葉を話すことです。
言葉の発達は、名詞を話すようになってから動詞を話すようになるという順番にすすむのだそうです。そのため、まずは、ものの名前を覚えられるような声掛けをするとよいです。
例えば、子どもが「りんご」と言ったら、「りんご、おいしいね。」などと話せばいいのです。
ご飯を食べながら、「りんご、おいしいね。」「みかん、甘いね。」などと、子どもの気持ちを代わりに言葉にします。
はじめのうちは、一人二役のように、「おいしいね。」「そうだね。おいしいね。」など、子どものセリフもママが言ってあげます。
こういったことは、乳幼児のいる家庭ではよく見かける光景だと思います。
まずは、ここから始めればいいのです。
我が家でも、棚の上に手を伸ばして、「あー」と言ったら、「おもちゃ、だね。」と私が子どもの伝えたい言葉を代わりに言ってあげる、ということから始めました。
そして、「おもちゃ、どうぞ」「ありがとう」と一人二役のようなセリフも、言うようにしました。
それまでは、次男が「あー」と言って手を伸ばしたら、「はい」とすぐにおもちゃを渡してしまっていたんです。それでは、子どもが何と言って伝えたらいいのか、コミュニケーションの方法を学ぶ機会がありません。
日常生活の中で声掛けを工夫すれば、それがそのまま言葉の発達を促すことになる、それが分かって、気持ちがぐっと楽になりました。
5.ママもコミュニケーションを楽しもう!
毎日毎日、子どものために頑張らなきゃ、そう思って子育てをしているママ、とても多いと思います。
あれもこれもと頑張りすぎると、ママが苦しくなってしまいます。
私も、次男とのコミュニケーションのときに、あれこれ意識してしまうと楽しくなくなってしまうので、チャンスを逃すな!1Upルールだけ忘れずに!意識するように心掛けました。
うっかり声掛けしそびれても、それはそれでよし。その他のことはあまり考えず、コミュニケーションを楽しもう!という気持ちで次男とのやりとりを続けました。
何よりもまず、ママがコミュニケーションを楽しんでいること、そのことが子どもの言葉の発達を一番促すのです。
そのような対応を繰り返しているうちに、次男は、療育センターの先生がびっくりするほど、言葉が増えました。
今では、うるさいくらいによく話しています。話しても話しても、伝えたいことがたくさんあるみたいです。
お子さんとのコミュニケーション、ぜひ楽しんでくださいね。
言葉の発達を促すヒントがたくさんあります!!
執筆者:山野さくら
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)