小学校へ入学予定の子がいるご家庭は準備が大変な時期ですね。人との関わりが苦手な発達障害(ASD)の症状をもつ子の場合、ちゃんと学校生活が送れるかお母さんも心配でしょう。そんなお母さんに入学前からぜひ対応してもらいたいこと、お伝えします。
【目次】
1.入学してもやっていける?と心配していませんか?
この春入学予定のお子さんをお持ちのお母さん、きっとこの時期は準備で大忙しですよね。
入学のための準備も大変でしょうが、わが子に発達障害の傾向があるけどうまくやっていけるかな、と心配なお母さんも多いのではないでしょうか。
ちゃんとお友達とうまくやっていけるのかな?
勉強にはついていけるのかな?
先生の話をちゃんと聞けるかな?
初めてのことでお子さんも不安と期待でいっぱいでしょうが、学校に行ってしまうとお母さん自身が直接手助けできるわけではないので、余計に心配かもしれませんね。
特に、自閉症スペクトラム(ASD)の症状をお持ちのお子さんの場合、人とのコミュニケーションが苦手な傾向があります。
そのため、学校で何か分からないことや不安なことがあっても、先生や周りのお友達に何も言えないまま1人で困っているということもあるかもしれません。
また、発達障害の症状が分かりにくいタイプのASDの子の場合には、周りに困っていることが伝わらないことで援助を受けにくいということもあるかと思います。
そんなちょっと引っ込み思案なASDの子が、スムーズに学校生活をスタートさせるために入学準備に欠かせない対応をお伝えします。
2.発達障害(ASD)の子は困っていることが分かりにくいのです。
ここで少しわが子の話をさせてください。
わが家の娘は、発達検査を受けたのが入学前だったため、就学前相談を受けることなく通常級に入学することが決まっていました。
入学前は保育園で20人以下のクラスだったので、先生の目も行き届きなんとか集団での活動はできていました。
しかし、小学校に入学すると1クラスは40人弱。 娘はどちらかと言えば、動きまわったりおしゃべりが多いというよりも、感覚過敏と不注意傾向があり、思ったことがうまく言えないおとなしいタイプの子。
つまり、発達障害の症状があることが分かりにくいタイプです。
一般的に、発達障害と診断される女の子は男の子より少ないと言われています。
これは、女の子の場合だとまわりに上手くに合わせられることができ、困ることがあっても周りには気が付かれないためと考えられます。
しかし、発達障害の症状が分かりにくい子は頭の中では、「今何て言ってた?」とフリーズ状態だったり、「これから何があるの?」と不安に陥っていることもあるのです。
3.入学後をスムーズにスタートさせるためにやってもらいたい対応策
そんな症状の分かりにくいわが子が、スムーズに学校生活をスタートさせるために私が対応したことは、先生にわが子のことを理解してもらうことです。
担任の先生は40人近くの児童を1人で見ないといけないので、特性があるからと言ってわが子だけ特別な対応をしてくださいとはお願いできません。
しかし、何もアクションを起さなければ、わが子は困り感をもったまま学校生活を送らないといけなくなります。
そこで、まずは学校に子どもの特性をお伝えするためのサポートレターを作成することにしました。
子どもの苦手について記載したのは、
・感覚過敏がある
・行動がゆっくりでまわりについていけないことがある
・行動がゆっくりでまわりについていけないことがある
この2点についてのみ。そして、
「感覚過敏でうるさい場所が苦手なので、体育館などの音が反響する場所ではパニックになることがあります。その場から少し離れて過ごすように指示してください。」
「聞きもらしがあって動けないことがあるので、ぼーっとしている様子があれば声をかけてもらえると助かります。」
というように、困っていることに対して、どんな対応が欲しいか具体的に記載することに注力しました。
サポートレターを作成する1番の目的は子どものことを理解してもらうこと。
ですから、先生が読むのを負担に感じないようにたくさん書きすぎない、A4用紙で両面1枚程度がベストです。
また、子どもの苦手なことを伝える際には、「こうしたらうまくいきます」といった家庭での成功事例や強みをいれておくと、先生も対応方法が分かって安心できます。
さらに、先生も話しやすいお母さんの方が関わる時に気持ちが楽ですよね。
仕事をされているお母さんは連絡のつきやすい時間帯を伝えておくと、何かあったときに先生からも連絡しやすくなるので、オススメです。
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サポートレターはできれば早めに学校に渡しておきたいところです。
担任の先生の都合もあるかと思いますが、可能であれば入学前、もしくは入学式の後の早いタイミングでお渡しできるといいですね。
私は前もって連絡しておいたので、入学式の後で担任の先生と個別に顔を合わせて話をすることができ、直接サポートレターを渡すことができました。
先生には子どものことを気にかけている親だと分かってもらえたでしょうし、私自身も何かあれば先生に相談できるということで気持ちが少し楽になりました。
学校に慣れるまでは子どもも不安定になりやすいかと思います。
そんな時に学校の先生と早いタイミングで協力体制を作ることができたら、子どもに何かあってもすぐに対応できるはず!
お忙しい時期かと思いますが、ぜひお子さんの学校生活がスムーズにスタートできるよう、サポートしてあげてくださいね。
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執筆者:井上喜美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)