発達障害の子どもの漢字の書き取りに時間がかかっていませんか?ぜんぜん取り組まないし、なかなか終わらない子どもに、お母さんはイライラしますよね。そんな状況も、やり方を工夫すれば改善します!子どもが楽しんで進められる秘訣をご紹介します。 |
【目次】
1.発達障害の小学生のなかなか終わらない漢字の書き取りに困っていませんか?
2.漢字の書き取りに時間がかかるのはコレが原因!
3.楽しくできるゲーム性を取り入れた秘訣とは?
◆お母さんと競争!
◆自分で決めた時間内にできるか挑戦!
1.発達障害の小学生のなかなか終わらない漢字の書き取りに困っていませんか?
お子さんの小学校では、漢字の書き取りが宿題で出ることはありませんか?
わが家では、1年生の時からずっと、毎日ノート1ページに漢字ドリルの漢字を写すという宿題が出ていました。
しかし、息子はこの漢字の書き取りが大の苦手。1年生の時は、「上手に書けない」と言って、何度も書いたり消したりし、最終的にはノートも破れたりして、泣きながらやっていました。
高学年になって、宿題が増えてくると、嫌いな漢字の書き取りは後回しにされ、やっと始めたと思っても、気が散って中断したりして、なかなか終わりませんでした。
寝る時間になっても終わらない時もありましたが、息子には宿題をやらずに学校に行くという選択肢はないようでした。
「宿題が終わらないなら、明日学校に行けない」と泣きながらやり、やっとやり終えるという日もありました。
当時は知りませんでしたが、今考えると、この融通の利かなさも発達障害の特性の1つですね。
では、なぜ発達障害の子どもが漢字の書き取りに時間がかかるのでしょうか?
2.漢字の書き取りに時間がかかるのはコレが原因!
漢字の書き取りに時間がかかるのは、発達障害の特性が関係している場合があります。発達障害の子どもは、
・自分の興味があること以外になかなか手をつけられない
・集中力が続かない
・単調なくり返しを嫌がる
などの特性があります。
これらの特性から、宿題、特に漢字の書き取りをなかなかやり始めない。やり始めたとしても、途中で遊びだして全然すすまない、というようなことが起こります。
このような特性があると理解していても、お母さんとしては、どうせやらなきゃいけないことなら早く終わらせてほしいですよね。
3.楽しくできるゲーム性を取り入れた秘訣とは?
では、漢字の書き取りを早く終わらせるには、どうすればよいでしょうか?わが家ではゲーム性を取り入れて、子どもが楽しくできる工夫をしてみました。
◆お母さんと競争!
宿題の漢字の書き取りを楽しく進めるためには、お母さんも一緒に宿題をやることです。子どもが書かなければいけない漢字と同じ漢字を、同じ量一緒に書くのです。
できれば、お互いが見えないように背中合わせに座って、どれだけ進んでいるか分からようにした方がゲーム性が高まります。
ここで注意してほしいことは、お母さんは必ず先に終わらないことです。
背中合わせでも、子どもの様子をさりげなく観察し、あと1文字か2文字など、ぎりぎりのところで子どもに勝たせるのがポイントです。
子どもが楽しいと感じるには、わざとらしくなく子どもが勝つ必要があります。子どもが勝って終わったら、子どものノートを確認します。
そして、
「15分でできたね。」
「急いで書いたのに、ちゃんとマスの中に書けてるね。」
「この字はお母さんよりもきれいだね。」
と、褒めるポイントを見つけて、たくさん褒めてあげてください。
褒められた子どもは、うれしくなって、漢字の書き取りへの苦手意識が減っていきます。
このやり方で、息子は、1時間たっても終わらなかった漢字の書き取りが、15分で終わるようになりました!
◆自分で決めた時間内にできるか挑戦!
お母さんとの競争をすると、集中してやれば漢字の書き取りが15分で終わることが分かりました。
次のステップでは、子どもが予想した時間内にできるかどうかに挑戦してみましょう。
例えば、「この漢字ノート1ページ、何分かかると思う?」
「15分」
「じゃあ、できるかどうか試してみようか」
「よーい、ドン」
でやってみます。
ここでは、子どもに時間を決めさせることがポイントです。自分で決めた時間なら守りたいという意識が働くからです。
また、決めた時間になってもまだ終わりそうになかったら、決めた時間の少し前にまた質問をします。
「もうすぐ15分だけど、あと何分ほしい?」と聞いて、「あと2分」と言ったら、2分のばしましょう。
ここでは、子どもが「できた」というポジティブな記憶で終われるように、柔軟な対応が必要です。
このように、漢字の書き取りが楽しめるようになると、取りかかるまでの時間も短くなります。
また、集中してできるので、漢字の書き取りをする時間自体も短くできるわけです。
この方法で、私のイライラが減り、子どもも宿題ができないとパニックを起こすことがなくなりました。
皆さんも、いつまでも終わらない宿題に困っていたらぜひ試してみてくださいね。
発達障害の子どもの宿題に悩んだ時、たくさんのヒントが見つかります
執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)