発達障害・アスペルガータイプが適職を見つけても、指示や間違えを指摘され「上司に怒られた!」と仕事が続かないことが多いそうです。将来の仕事を続ける力を育てるために身につけたい「指示を受け入れる力」について解説しています。 |
【目次】
1.小学校1年生から育てていきたい指示を受け入れる力
2.雇用側が求める発達障害者に求める能力が言えなかった私の決意
3.いじめられた!と仕事を辞めてしまうアスペルガータイプ
4.家庭の関わりで適職を続ける力を育てられる理由
5.自信をつけるのコミュニケーションのポイント
1.小学校1年生から育てていきたい指示を受け入れる力
子育て中のみなさん、発達障害児が就職することなんてずっと先の未来ですよね。
とはいえ、才能豊かなお子さんが好きな仕事を見つけられるようにと、一生懸命子育てされていると思います。
好きな仕事に就くことができたら親としても本当に嬉しいですよね。
ところが、皆さん子どもの仕事のことを考える時に抜けてしまいがちなことがあります。
それは「仕事を続ける能力を育てる」ということです。
なんと、小学1年生から意識する必要があるのです。
なぜかというと、得意を生かし適職に出会えたとしても、続けるための能力はすぐには習得できないからです。
では、仕事を続けるために必要な能力とは何でしょうか?
それは「指示を聞いて動く力」です。
もっと言うと、「思っていることと違うことを指摘されても、それを受け入れる力」です。
この「指示を受け入れる力」を小学生のうちから育てて将来困らないようにしましょう。
親も学校の先生も支援者も、できるだけ早いうちにこの視点を持って子どもに関わることが大切です。
なぜかと言うと、好きなことを仕事にし毎日職場に行ける力を育てられるのは、私たち大人の「今の関わり」の積み重ねなのです。
気づいた時に今から!できるだけ早く指示を受け入れる力を積み重ねてあげましょうね。
2.雇用側が求める発達障害者に求める能力が言えなかった私の決意
私が臨床心理士として県の職業訓練校の授業を担当した時に、先生に「雇用側が発達障害者に求める能力」を聞かれたことがあります。
私はその時うまく答えられませんでした。
先生の答えは「教えてもらったことに素直に聞ける力」ということでした。
そして私が児童発達支援事業所で幼稚園や保育園のお子さんと関わっていたので、小さなうちから就職した後のこと考えてあげて欲しいと言われたのです。
私は将来を見据えた支援をしているつもりで、全くできていませんでした。
そして、私が関わる幼児期のお子さんが、将来「大好き!」と思える適職に就くためにはどうしたら良いか。
そして仕事を続けるためにどうしたら良いかを考えて支援していこうと決意したのです。
3.いじめられた!と仕事を辞めてしまうアスペルガータイプ
発達障害でもアスペルガータイプのお子さんは頭も良く、とても素直ですよね。
自分で考えて動くこともできます。
得意なこともはっきりしてくるので適職も見つけやすいかもしれません。
しかし就職した後に、上司から何かを指示されたり、教えてもらったりした時に「いじめられた!」と思い込んでしまうことがあります。
特に指示を受け入れる力が弱いとそうなりやすいのです。
そしてそのまま仕事を辞めてしまう方も多いのが現状です。
上司としては、怒ったわけでもいじめた訳でもありません。
それでも「いじめられた!もう行けない」と仕事を転々としたり引きこもりになるケースも多いのです。
せっかく適職につけたとしても「いじめられた!」と思い込み続けられなくなってしまったら…とても悲しいですよね。
そうならないためにできることが家庭であるのです!
4.家庭の関わりで適職を続ける力を育てられる理由
仕事に就いた後、上司の指示やアドバイスを「いじめられた!」と思い込まないようにするためにどうしたら良いのでしょうか。
そうならないためにできることは、「指示を聞いて動く」というパイプを小さいうちから作ることです。
このパイプはお母さんの肯定的な関わりで家庭で作ることができるのです。
発達科学コミュニケーションではこの「指示を聞いて動く」というパイプをお母さんとのコミュニケーションで作ることを目指します。
アスペルガータイプのお子さんが失敗したり、思うように行動できずに叱られる経験が積み重なると自信がなくなってしまいますよね。
この自信がない状態だと、子どもは人の指示を聞く余裕が持てなくなります。
「ちょっと!靴脱いだらそろえなさいって言ってるでしょ!」とイキナリ言われて靴をそろえたい気持ちになるでしょうか。
大人でもやろうという気持ちになりませんよね。
ですので、まず肯定的な関わりをご家庭でたくさんして子どもに自信をつける必要があるのです。
「靴もう脱いで先に手を洗ったんだね!」と褒められてから「靴揃えてみようか!」と言われた方が、子どもは圧倒的に「はーい。」と指示を聞いて動けるのです。
その自信の積み重ねで、ゆくゆく適職についた時に指示をすんなりと聞いて動くことができるのです!
5.自信をつけるのコミュニケーションのポイント
発達科学コミュニケーションではお子さんを「たくさん褒めてあげてください。」とお伝えしています。
先日どのくらい?と質問された方がいました。
それは、親子のコミュニケーションの9割が「褒める」くらいです。
なんと!親から見て9割褒めてやっと子どもに効果的な褒めが伝わるのです。
最初は9割を意識して褒め、笑顔でたくさん会話してくださいね。
目を見てゆっくりと話すのもいいですね。
そんなこと?と思うかもしれませんが、この肯定的な関わりがたくさんある家庭で育つと大人になって仕事をする時に本当に有利です。
仕事のために必要なの能力は、決して叱られ泣きながら覚える漢字やかけ算九九ではないのです。
発達障害児の子育てで毎日イライラすることもありますが、もっと先の将来を見てたくさんの笑顔で接してく欲しいのです。
小学1年生のうちから指示を聞いて動くパイプを一緒に作りませんか?
私たちは子どもたちの未来と日々頑張るお母さんを応援しています!
また、アスペルガータイプの極端な考え方にお困りな方はこちらもご覧くださいね。
発達障害児ときょうだいがお家でぐんぐん成長する情報をお伝えしています。
執筆者:今川ホルン
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)