アレルギーで炊き出しも食べられない!? 災害弱者にならないための備蓄のヒント

災害弱者になりうるアレルギー疾患。避難所などの集団の場だけではなく、震災による環境の変化にも大きく影響を受ける可能性があります。自分の身は自分で守る!健康に生き残るための「自分に合った」対策のヒントにしてくださいね。
 

【目次】

 

1.年々増加するアレルギー疾患。実は災害時にも関係があるんです!

 
 
日本は地震大国。3.11以降、社会全体で防災対策することが一般的になりました。
 
 
万が一被災してしまった場合、日本では避難所が開所されて支援を受けることができます。
 
 
避難所での炊き出しなど、ニュースで見られたことがある方も多いですよね。
 
 
他にもパンや備蓄用の混ぜご飯・水など、お店が数日間閉店している災害時には本当にありがたいですね。
 
 
では、この中に子どものアレルギーの食べ物があったらどうでしょうか?
 
 
現在日本では3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。
 
 
 
 
それに対して、内閣府が災害備蓄状況を把握する調査で、アレルギー対応の主食を備えていると回答した自治体は全国で3割以下と言われています。
 
 
備蓄をもらっても食べられない可能性があるのです。
 
 
そしてパステルキッズは偏食が多いというのもよくある話です。
 
 
避難所で出された初めての非常食を食べなかったという報告もあります。
 
 
アレルギーは食物アレルギーだけではありません。
 
 
災害時には、喘息アレルギー性鼻炎などにも気をつけないといけないことが起こりうるのです。
 
 
皆さん災害に備えているかと思いますが、アレルギー持ちの人は災害時にどんな影響を受けるのか?何を備えておけばいいのか?をお伝えしたいと思います。
 
 

2.アレルギーは災害弱者!? 災害時に起こる困りごと

 
 
私はハウスダストと花粉、夫はアトピー性皮膚炎、子どもはアトピーと卵アレルギー、アレルギー性鼻炎を持っています。
 
 
私は仙台市に住んでいて3.11を経験しましたが、当時は子どもはいませんでした。
 
 
今回、震災から10年を迎えるにあたり、今もしアレルギー対応が必要な子どもと被災したら?という視点も交えて、当時の状況を振り返ってみました。
 
 

◆①ストックはできるだけしない生活が仇に!

 
 
震災当時、私は休日に1週間分の食料を買い、ほとんどストックをもたない生活をしていました。
 
 
3.11があった日は金曜日
 
 
まさしく食料がほとんどなくなる日で、冷蔵庫の中はすっからかん!
 
 
夕方に買い物に行こうと思っていたことをものすごく後悔しました。
 
 
その日は火も電気も使わずに食べられるものが煎餅しかなく、ろうそくの明かりの中、一人せんべいをかじっていたことを思い出します。
 
 
震災時は物流がストップ。生鮮食品をはじめ、日用品を買うことが本当に難しかったです。
 
 
当時仙台にあったダイエーはわずか2日で営業を再開しましたが、1キロ近く行列ができていました。特にオムツなどが必要な家庭、備蓄のない一人暮らしの若い人など多くの人が並んでいたようです。
 
 
津波の影響で買う店も無くなった沿岸部はもちろんのこと、市街地でも物を手に入れることは簡単ではありませんでした。
 
 
ましてや卵アレルギーの子がいたら?
 
 
やっとコンビニに並んだ菓子パンですら、気軽には買えなかったと思います。
 
 
赤ちゃんの時は、レトルトの離乳食も卵の入って無いものを選んで購入していました。安心できる「いつものあの商品」が買えるとは限らないのです。
 
 
さらに牛乳・小麦粉など、アレルギーの種類が増えば増えるほど、当然食料確保は難しくなります。
 
 

◆②お風呂に入れずにアトピー悪化!

 
 
私の住んでいた地域では電気は翌日には復旧しましたが、水は3週間ガスは1ヶ月使用できませんでした。
 
 
その間、人数制限のある銭湯に入れたのは2回ほど。その他は、少量の水を使って髪を洗い、濡れタオルで体をふくだけの生活でした。
 
 
自由にお風呂に入れなかったこの間、夫のアトピーがみるみる悪化してくのが分かりました。
 
 
毎日のように沿岸部に行く仕事だったのでストレスも影響もあったのかもしれませんが、入浴はアトピー治療のひとつとおっしゃるお医者様もいます。
 
 
自由にお風呂に入れない、かといって水は貴重だからたくさん使えない。
 
 
さらに、皮膚科の薬が手に入れられない可能性だってあります!
 
 
息子も娘もアトピーがあります。
 
 
掻きこわして血だらけになったり、そこにばい菌が入ることを想像すると怖いなと感じました。
 
 
 
 

◆③大きな災害があると空気も汚れる!

 
 
震災時、沿岸部では大規模な火災が起きました。建物はもちろん、沿岸部は工場も多いのでたくさんの工場が燃えました。
 
 
そしてたくさんの家などが破壊されています。
 
 
震災後の大気粉塵の調査で、コバルトや鉛の量が首都圏の7倍以上の数値を出した場所もありました。
 
 
地震からしばらくの間、仙台の市街地でも埃っぽさを感じていました。
 
 
「風で流れてきているからマスクをするように」と医療関係者に言われたことを覚えています。
 
 
うちは家族全員、アレルギー性鼻炎です。
 
 
もしも震災当時子どもたちがいたら、3月の花粉とハウスダストで大変だったろうと思います。
 
 

3.アレルギー疾患のある家族のために用意しておくべき備蓄とは

 
 

◆①アレルギー除去食品

 
 
アレルギー対応のレトルト食品など、1週間分くらい用意していると安心です。
 
 
そして、間違って口にしてしまった時のためのお薬も一緒に備えておいてください。
 
 
震災時は簡単に薬も手に入らないからです。
 
 
偏食の多い子には、安心して食べられる慣れたお菓子などもおすすめです。
 
 
震災の時、私はストックをほとんど持っておらずに痛い目をみました。
 
 
あれから私は、火を使わずに食べられるものは切らさないようにしています。
 
 

◆②体が拭けるウェットテッシュ

 
 
おしりふきやウェットティッシュなど、肌に合うものがあるかどうか試しておいて、用意しておくと便利です。
 
 
体を拭く時は厚手のものがオススメです。
 
 
ウェットティッシュでは肌が乾燥するという方は、水の備蓄も意識して多めにしておきましょう!
 
 
アトピーの方は保湿剤をカバンに入れておくといいですね。
 
 

◆③防塵マスク

 
 
普通のマスクはもちろん、できれば防塵マスクもあると安心です。
 
 
普通のマスクでも子どもも使えるマスク、赤ちゃん用のマスクなど、サイズの合うものが家族全員分あるといいですね。
 
 
感覚過敏でマスクができない子もいると思います。粉塵から自分の身体を守るためにどんな方法があるのか、早急に見つけておくことをお勧めします!
 
 
 
 
アレルギーがあると「自分に合ったもの」が必要な場面は多々あります。
 
 
健康に生き残る備蓄を用意できているか家族でぜひお話ししてみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:いせてる
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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