小3女の子がいます。診断は受けておらず、もしかしたらADHDかもしれないと思っています。
忘れ物・物を失くすことがとにかく多いです。連絡帳をお便りケースごとなくすのはしょっちゅうで、何度も買い直しています。また、寒い日でも上着を学校に忘れてきたり、水筒を毎日のように忘れてきたり。
連絡帳を書いていないときもあり、授業で特別に必要な持ち物をママ友から聞いて、あわてて準備することもたびたびあります。
そういうときに「ちゃんと確認して」「もうなくすの何度目なの!?」とつい声をあげてしまいます。厳しくしつけ、本人に自覚させたほうがいいのかと…。
でも、最近は反発するようになってきて、こちらが言っても反抗的な目でにらんでくるだけ。聞く耳を持ってくれません。ちょっと反抗的になってきている娘に、どういう声かけをすればいいのでしょうか?
しょっちゅう物を忘れたりなくしたりしてばかりで大人になったときに大丈夫なのか、心配になります。
小3 女の子のママ
原因はどうあれ、親子の負のスパイラルでついついバトルになってしまうというコミュニケーションの問題です。
バトルになると、どうしても子どもの持っている特性を増強してしまうので、良くない反応の方が多くなります。
大抵のご家庭でもグレーとか関係なく、「子どもがやらかす→ママが助言する→子どもが怒る→ママも怒る」というスパイラルが永遠に何年も続いていると思うんです。
ですがこれは、お母さんも子どもも悪くないんです。こうなる理由は、日本の教育のベースに「しつけ」があるからなんですね。
子どものやれてないことを見つけてそれを指摘してやれるようにするというプレッシャーをお母さんたちが抱えています。それが会話のループになり、負のスパイラルになっているのです。
私は20数年発達のことを研究して現場にいましたが、このしつけのスタイルがはまって効果がありました!という親子に出会ったことはありません。「やればやるほど逆効果です」というお母さんが圧倒的に多いと思います。
効果がないのならやめてしまいませんか?というのが発達科学コミュニケーション(発コミュ)の考え方です。
では、どうしたら良いのかというと…肯定的な対応をして自己肯定感を高めるということです。
どれくらいやったほうがいいですか?や褒めの頻度は?という質問がありますが、すごく良い質問ですね。
ずっとやらなくていいので、1~2か月集中してやってほしいことは、褒めることと注意する頻度を9:1や8:2にすることです。
この話をすると大抵のお母さんが相当ビビるんですが…何が大事かというと、子どもから見た時に、お子さんが怒ることより褒めることのほうが多いんだと感じることが大切なんです。
コミュニケーションの性質で、褒めたことは目減りして伝わり、怒ることや否定的な言葉は割り増しするんです。
だから、「お風呂の時間だよ」と言っただけで「お母さんまた怒っている!」と子どもに言われるんです。
コミュニケーションの性質なので仕方がないところもありますが、お母さんたちが9:1や8:2で伝えてちょうど子どもには6:4や5:5くらいに見えるんです。
それは本当に大変だと思います。一生それをやるのは大変ですがほんの1~2か月、長くかかっても3か月くらい集中的にやれば、そのあとは楽になると思ってください。
この春、特にグレーの子は3、4、5月で学年やクラスが変わることで荒れることが多いので、この春の時期に集中してやってもらうと効果があると思います。
発達科学コミュニケーショントレーナー
学術博士、臨床発達心理士
吉野加容子