お友達とボードゲームをしていて負けそうになるとイライラして途中で放り出してしまう…そんな場面ありませんか?発達障害・アスペルガーの子どもには様々なこだわりが見られます。その一つが勝ち負け。勝っても負けても楽しく遊べるようになる、ママの簡単対応法があるのでお伝えしますね。 |
【目次】
1.勝ち負けにこだわる発達障害・アスペルガーの子ども~わが家の場合~
発達障害・アスペルガーの子どもは、なんらかのこだわりを持つことが多いと言われています。
もちろん、誰しもこだわりはあると思います。
例えば、洗濯もののたたみ方、コーヒ ーの淹れ方など‥。
これは、人に迷惑をかけたり、日常生活で困ってしまうものではありません。
しかし、発達障害・アスペルガーの子どものこだわりは私たちのこだわりと違い、こだわりが強く、独特です。
うちの息子はゲームなどで負けるのが大嫌い!負けるのが許せないというこだわりがありました。
小学生になると、友達同士で簡単なボードゲームをすることが増えますよね。
息子はボードゲームが大好きなので楽しく始めるのですが、自分が負けそうなのが分かるともうイライラ。
家族で遊んでいる分には、私や父親が加減して勝たせてあげることもできます。
しかし友達同士ではそうはいきません。
「今から別のルールに変更する」や「もう、やめる」と勝手にルールを変えてしまったり、やめてしまったりする息子に友達は不満いっぱいの様子。
せっかく楽しく遊んでいたのに、台なしになってしまいます。
ゲームは勝ち負けがあるのに、負けることを受け入れられないと、ゲームができないどころか友達と一緒に遊べなくなるのではないか、私の不安は増すばかりでした。
2.なぜ負けることをそんなにいやがるの?
発達障害・アスペルガーの子どももは予想すること、物事をイメージすることが苦手な傾向があります。
そのために、自分で予想ができないことやイメージができないことに対して強い不安や恐怖心を持っています。
勝負事に関しては、自分が勝つのが当然というこだわりがあるので、勝つということへのイメージはしやすいです。
一方、負けるということに関して予想していないためイメージすることが難しいようです。
自分が予想をしていなかった負けるという出来事に、対応ができずに気持ちが不安定になったり、場合によってはパニックになったりすることもあるのです。
また、負けた時にどのように対処すればよいのかが分からないと言うこともあります。
負けてしまった時の悔しい、悲しい気持ちをどう処理すればよいのかわからないため、気持ちの切り替えができずにパニックになってしまうこともあります。
では、勝ち負けにこだわらないで楽しく遊ぶためどうしたらいいのでしょうか?
3.勝ち負けへのこだわりを解消する、ママの簡単対応法
私は、「負けても大丈夫」という負け方の見本を示すことにしました。
「じゃんけんしよう」と息子を誘い、息子がパーを出すと私がグーを、息子がチョキを出すと私がパーをと、後出しじゃんけんでわざと負けるのです。
そして、その後必ず「負けちゃった!まあ、いいか」と口にしました。
これを何度か繰り返し、今度は息子に負けてもらう番です。
勝負して負けるのではなく、はじめから負けることが決まっているので、負けるイメージをつくることができます。
「後出しで負けてね!」と始めると、後出しで勝つのは簡単だけど負けるのは結構難しいもの。
息子は「あ、間違った!」なんて言いながら、「負けちゃった!まあ、いいか」と口にすることができました。
この時、「褒める」と効果がグーンと上がります。
負けたのにお母さんに褒められたら、こどもは負けることは失敗ではないんだ、負けることがあってもいいんだと負けた自分を認めることができます。
「褒める」のを勝った時やうまくいった時だけ使うのはもったいないですよね。
「うまく負けられたね」
「わざと負けるのって難しいのに、すごいね」
「お母さんの遊びに最後まで付き合ってくれてありがとう」
と今できていることを認め、感謝の気持ちを伝えました。
お母さんが、負けても笑って楽しそうに遊んでいると、子どもは
負けても大丈夫なんだ!
負けても怖くない!
負けても楽しく遊ぼう!
と、勝ち負けへのこだわりが解消されていきます。
さて我が家の息子ですが、相変わらず勝ちたいという気持ちが強いものの、
・負けそうな状況でも投げ出さず、友達と遊ぶということ自体を楽しめるようになった
・負けても怒らず、笑顔で「もう一回やって!」と友達にお願いできるようになった
・負けるのが嫌で避けていた自分の苦手なゲームにも参加するようになった
など勝ち負けへの強いこだわりが消え、リラックスして遊びを楽しみ苦手なものにも挑戦できるようになったんです。
子どもが、お友達と楽しく遊んでいる姿は、本当にいいものですよね。
お母さんの適切な対応とほめ言葉で、お子さんが勝ち負けへのこだわりを解消し笑顔で遊ぶ時間がふえますように。
またこちらの記事では、失敗や間違いが許せなくて癇癪を起してしまう子への対応をお伝えしています。合わせてチェックしてくださいね。
子どもへのスモールステップのコミュニケーション術はこちら
執筆者:松下かよ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)