朝からゲームでストレス解消?!子どもがゲームをやめる3ステップ声掛け

子どもが朝からゲームをしてイライラしちゃうお母さんはいませんか?うちの娘が朝からゲームを始めるようになったのは4月の新学期の始まりから。娘の様子をみて朝にゲームを始めてしまう新学期のしんどい気持ちに寄り添いながら、学校へ行きたい気持ちを行動に後押しし、ゲームをやめる3ステップの声かけをご紹介します。
 

【目次】

1.小学生の子どもが朝からゲームをしてイライラしていませんか
2.発達障害の子どもがゲームが大好きな理由
◆ゲームからご褒美がたくさんもらえるから
◆ルールが明確だから
3.娘が朝からゲームをし出した理由とは
◆4月特有の理由で朝のルーティンが崩れた
◆新学期の新しい環境の不安
4.自分でゲームをやめる!背中を押す3ステップ
◆何時に家を出るのか聞く
◆次の行動は本人が選ぶ
◆時間になったら先に褒める

 
 

1.小学生の子どもが朝からゲームをしてイライラしていませんか?

 
 
子どもが朝からゲームをしてしまって学校の支度が進まない!ゲームをやめることができずにイライラするというお母さんはいませんか?
 
 
小学生の子どもが忙しい朝からゲームを始めてしまうと、他のことが進まなくて本当にイライラしてしまうお気持ちよくわかります。
 
 
 
 
実は我が家の娘が4月の新学期の始まりに朝からゲームをするようになってしまったんです。
 
 
私も、なんで朝からゲーム?!朝にゲームなんかしないでまずはやることやって!と思っていました。
 
 
お母さんとしては、朝にやることをやってからゆっくりゲームをしたほうが慌てなくて済むし、どうしてそれができないのか不思議でたまらないですよね。
 
 
しかし、発達の特性この時期に特有の理由を絡めて考えると、朝からゲームをしてしまうことに納得いくところがあったのです。
 
 
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2.発達障害の子どもがゲームが大好きな理由

 
 
発達障害の子どもはゲームが大好きな子が多いですよね。
 
 
その理由にはこんなことがあります。
 
 

◆ゲームからご褒美がたくさんもらえるから

 
 
一言でいうと、ゲームは発達障害の子どもの脳が大好きなご褒美システムを上手につかって、ハマるようにできている、ということです。
 
 
ゲームは始めは簡単にクリアできるように作られています。
 
 
ゲームをクリアすると達成感を得られたり楽しくなりますよね。
 
 
やり進めると少しずつ難易度が上がってきます。
 
 
また、途中でアイテムをゲットすると自分が強くなったりします。そして、アイテムで強くなって少し難しいものがクリアできるようになる。
 
 
クリアするとゲームの中で順位が出たり、華々しく表彰されたりします。
 
 
このようにわかりやすく褒められて脳はとっても嬉しくなります。
 
 
はもともと達成感や喜びを得たいものなのです。
 
 
それが発達障害の子どもはとても強い傾向があります。
 
 
先のことより、今得られる目の前の喜びを優先したい子たちです。
 
 
これは脳の特性だから、本人にもやめられないことがあるのです。
 
 
ゲームは達成感や喜びを、比較的簡単に手に入れることができます。だから楽しくてやめられないのです。
 
 

◆ルールが明確だから

 
 
ゲームはルールが決まっていて明確ですよね。
 
 
発達障害で自閉症スペクトラム(ASD)がある子はルールが明確なものや同じことを繰り返すことが好きな子がいます。
 
 
その理由は見通しが立ちにくく、わからないことに不安が大きいからなのです。
 
 
ルールがわかっていて何度でも繰り返すことができるゲームは子どもに安心感を与えます。
 
 
自閉症スペクトラムの傾向がある子どもは、自分が好きなことや決まったことをするこだわりを見せることもありますね。
 
 
このこだわりも「いつもと同じ」が安心だから行っていることです。
 
 
 
 

3.娘が朝からゲームをし出した理由とは

 
 
我が家の娘は小学4年生でゆったりIQで発達障害の自閉症スペクトラムの傾向があります
 
 
不安が強く、感覚過敏もある子どもです。
 
 
もともとゲームが好きですが、朝からゲームをしはじめたのは昨年の新学期がきっかけです。
 
 
発達特性もある小学生の娘が朝にゲームをするようになった理由を考えてみました。
 
 

◆4月特有の理由で朝のルーティンが崩れた

 
 
4月特有の理由、それは「テレビ番組の改編」です。
 
 
娘がゲームをはじめる前は朝は決まったEテレの番組をみていました。しかし、4月の番組改編でいつものペースが崩れてしまったのです。
 
 
いつも
 
「〇〇がはじまったから起きる」
「〇〇が終わったらテレビを消す」
 
というように、テレビ番組によってルーティンの行動ができていました。
 
 
ところが、4月から新しい番組になったこともあり、なかなか朝起きることができなくなってしまいました
 
 
娘が楽しみにしていた時計代わりの存在だった番組が変わってしまったのです。
 
 
私が「そろそろ起きようか!」と声をかけると、以前はテレビの前に行っていたものがゲームを始めるということに置き変わってしまったのです。
 
 
 
 

◆新学期の新しい環境の不安

 
 
もう一つ、4月特有の環境の変化という理由もあるのです。
 
 
発達障害の自閉症スペクトラムの子どもは特に新しい環境が苦手です。
 
 
新しい環境は見通しが立たなくて不安なのです。
 
 
新学期になり進級して教室の場所、先生、クラスのお友達も変わっています。
 
 
また、4月は各種健診なども入ったり、時間割通りというわけにはいきません。
 
 
時間割を用意しても学校に行くと急な予定変更があったりして、わからなくて不安だったり「時間割を間違えた…」と勘違いをして自信がなくなったりするのです。
 
 
新しい教科も始まるし、まだ学校も落ち着かないし見通しがたたないため、大変なことだらけで大混乱しています。
 
 
それだけ、学校に行くまでの行動を起こすのが大変になり、学校へ気持ちが向きにくいので、どうしても朝起きるのも辛いのですよね。
 
 
だから、安心するためや起きるモチベーションのために、いつも慣れ親しんだ楽しいゲームをするというのが本人の心を安定させることになっているようなのです。
 
 
いわばゲームは心のよりどころなんです。
 
 
「朝はゲームはなし!」というルールにしてもいいのでしょうが、この時期は娘がやりたいように朝でもゲームはやらせてあげた方が安心するのかなと思いました。
 
 
自閉症スペクトラムの子どもは真面目にルールを守りたい気持ちが強いです。
 
 
娘にとって学校は困難もたくさんあるのですが、一方で「学校で頑張りたい」気持ちがあるんです。
 
 
だから、不安でしんどくて行きたくない気持ちにも、もう一方にある頑張りたい気持ちにも寄り添って、ちょっとだけ朝の気持ちが軽くなるような対応をしようと考えました。
 
 
次項では朝起きても小学校に行く気持ちが向きにくい子どもの行動する背中をチョンと押してあげられる3ステップの声かけをお伝えしますね。
 
 
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4.自分でゲームをやめる!背中を押す3ステップ

 
 
気が進まない朝の行動への高いハードルを少し下げて、背中をちょっとだけ押してあげるような声かけはこちらの3ステップです。
 
 

◆①何時に家を出るのか聞く

 
 
朝からゲームをはじめようとするとき、今日家を出る時間を本人に聞くのです。
 
 
これは確認の意味もあり、次の行動を意識させます。
 
 
「今日は家を何時に出る?」と聞いてたとえば「8時に出る」という回答だったとします。
 
 
お母さんは「OK、いいよ!」笑顔で返事します。
 
 
ここで、もっと早く家を出た方がいいんじゃない?と思ってもあえて言いません。
 
 
娘は今年3年生。もう何時に出たら学校に間に合うというのはよくわかっています。
 
 
だから口を出さず、何時であっても子どもが言った通りにします。
 
 
子どもが家を出る時間を理解しているなら自分で決めたことを肯定してあげるのが大切です。
 
 

◆②次の行動は本人が選ぶ

 
 
まだ着替えも支度も終わっていない状態。だけど先にゲームをやりたいとします。
 
 
ゲームの場合、何分という時間で区切るのではなく、ゲームによって切りやすいタイミングがあると思うのです。
 
 
1ゲームとか、1面クリアしたら、とかです。なるべくゲームの区切りでやめられるようにしてあげます。
 
 
A:今から1ゲームをやってから着替える
 
B:先に着替えて支度を済ませたら、出かけるまでゲームができる
 
 
「AかBのどっちにする?」と聞きます。
 
 
こう聞くと、うちの子は先にゲームをやりたいので、ほぼAを選びます
 
 
特性からやりたいとおもったら我慢がきかないタイプなのです。
 
 
AかBのどちらを選んでもいいのですが、Aを選んでおきながら、その後もう1ゲームやりたい!とかいうこともありますね。
 
 
こんな時はいきなり「だめ!約束でしょ!」なんて言いません。
 
 
せっかく気持ちが楽しく盛り上がっているので
 
「じゃあ、着替え終えたら、またゲームしてもいいよ。」
 
と、ゲームをご褒美にして再度交渉です。
 
 
こうするとご褒美につられて着替え始めます。
 
 
しぶしぶでも着替え始めたら褒めます
 
 
また、声かけのバリエーションを複数もって、たまには変化球を出すのも有効です。
 
 
たとえば、「先に着替えて、お母さんと1ゲーム対戦する?」なんていうのも、お母さんと遊ぶのが好きな子は目をキラキラさせてぐんと行動が促されますよ。
 
 

◆③時間になったら先に褒める

 
 
いよいよ家を出る時間になりました。
 
 
8時になったら、ちょんと体を触って意識をこちらに向けてから「さすが!ゲームやめるんだね!」と褒めます。
 
 
自分が宣言した時間になった=今、あなたがやめることをお母さんは知っている!先に褒めてしまうのです。
 
 
たとえそれがゲームの真っ最中だとしても、です。
 
 
ちょっと待ってあげると意外と自分からさっと辞めます。
 
 
ゲームをやめるそぶりを見せたらすかさず「自分でやめられたね!」と、もう一押し褒めます。
 
 
このように、自分でゲームをやめたら本人はもう学校へ気持ちが向いているので後の行動はスムーズです。
 
 
お母さんは子どもが玄関を出るまで、ニコニコの笑顔でサポートです。
 
 
コツは、ゲームに向いている意識を切り替えるためボディタッチしてから褒めることです。
 
 
お母さんからの褒めが脳に届くように目の前のゲームに集中して使っている脳を切り替えられます。
 
 
ゲームから得られるご褒美を上回るように、お母さんが子どもの脳に褒めを届けてあげましょうね。
 
 
 
 
いかがでしょうか?
 
 
親にとっては朝からゲームをするなんて困った子どもの行動かもしれませんが、そんな行動をとるには子どもなりの理由もあるのです。
 
 
子どもの気持ちをくんで思いに寄り添うのはゲームをやめる行動をさせるより実は大事なことです。
 
 
子どもの気持ちがちょっと浮上したのを見逃さず褒めて行動を後押しすれば、お子さんが自分で学校に行くためにかけたエンジンをお母さんがかけ直してあげる効果があるのです。
 
 
私の経験が皆さんの子育ての参考になればうれしいです。
 
 
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執筆者:笹原みらい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
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