発達障害・グレーゾーンの小学生はその特性から集団生活で困りごとを抱えがち。今年4月に実施したデータリサーチでは、低学年の困りごと1位は「気持ちの切り替えができない」でした。お家ですぐでできる対応法と教材を1冊にまとめました! |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーン小学生低学年92%が集団生活の困りごとあり!
2.低学年の集団生活の困りごと1位は「気持ちの切り替えができない」
3.お家ですぐできる低学年の集団生活の困りごとへの対応と教材、間もなくリリース!
・調査期間:2021年4月14日~4月18日(4日間)
・回答者:パステル総研読者/メルマガ読者、Nicotto!塾生、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー 計187名のうち小学校低学年のお子さんを持つ89名
・調査方法:インターネット調査
1.発達障害・グレーゾーン小学生低学年92%が集団生活の困りごとあり!
ゴールデンウイークが終わり梅雨の季節となりました。雨が多く湿気が多いこの時期は、新年度スタートの疲れも出て、大人も子どもも心身の調子を崩しがちです。
お子さんの様子はいかがですか?
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、人間関係やコミュニケーションに課題があり、集団生活がスムーズにいかないことが多くあります。
子どもはそれほど学校であったことを話してくれないものなので、トラブルがあってから先生や周りから連絡が入ることになりお母さんの大きな心配のタネになりがちです。
お子さんは、小学校の集団生活に馴染めている様子でしょうか?
今回パステル総研では、発達障害・グレーゾーン幼稚園・小学生の保護者を対象とした、子どもの集団生活の困りごとに関するデータリサーチを実施しました。
◆学年
今回データリサーチにご協力くださった方のお子さんに関するデータです。
ここではそのうち低学年(89名)のデータリサーチの結果について徹底解説をしますね。
◆小学校での集団生活で困りごとを抱えていますか。(低学年のみ)
このように、92%以上の回答者がお子さんが集団生活で困りごとがあると回答しました。高学年でも同じような割合の回答者が集団生活で困りごとがあると回答していることから、低学年にありがちなものというわけではないことが伺えます。
高学年の集団生活の困りごとランキングはこちら
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2.低学年の集団生活の困りごと第1位は「気持ちの切り替えができない」
◆集団生活の困りごとトップ10
自分の子どもが小学校での集団生活に困りごとがあると、何が起こっているのか把握しきれなくて心配ですよね。
「集団生活に困りごと」があると言っても、友達と一緒に遊べないから、授業中に座っていられないなどさまざまです。
小学生低学年のお子さんを持ち、困りごとがあると回答された82名に、具体的にどんな困りごとがあるのか、特に人とのかかわりについて当てはまるものを3つ答えていただきました。
第1位:「感情的になると、気持ちが切り替えられない」34.15%
小学校に入ると、自分の感情を自分でコントロールして、気持ちの切り替えができるようになることが求められ、発達障害・グレーゾーンのお子さんたちの課題が目立ってきていることが伺える結果となりました。
第2位:「一斉指示に従えない」28.05%
小学校の集団生活で、先生の一斉指示を聞き取り行動することが求められ、発達障害・グレーゾーンのお子さんたちの聞くこと、周りに合わせて行動することへの苦手さが目立っていることが伺えます。
第3位:「自分の話を一方的にしてしまう」「自分から友達の輪に加われない」 26.83%
相手や周りの様子を見て、適切な関わりをすることへの課題が見受けられます。
第5位:「次の活動にスムーズに切り替えることができない」 24.39%
第6位:「みんなと一緒に行動できない」23.17%
集団生活の中で、周りと同じように活動を切り替えたり、一緒に行動したりすることが課題になっていることが伺えます。
その他の困りごとをご紹介します。
第7位「お友達が嫌がることを言ったり、やったりしてしまう」 19.51%
第8位 「相手の話を最後まで聞けない」18.29%
第9位 「自分の意見が言えない」「順序立てて説明できない」15.85%
第10位 「分からないのに質問できない」「感情的になると人を叩いたり、物にあたってしまう」それぞれ14.63%
「挨拶ができない」
「遊びに誘えない」
「時間を守れない」
「当番や係の仕事ができない」
「 困っている人を見て助けようとしない」
「学校に行けない・不登校」
「やめて・いやと言えない」
以上をまとめると、
・自分の気持ちや思いを感じ適切に行動する力
・他の人の気持ちに配慮して行動する力
・指示を聞いたりして周りに合わせて行動する力
の大きく分けて3種類の困りごとが低学年では特に目立っているようです。
これらの力が小学生になると期待されてくるということができますが、発達障害・グレーゾーンのお子さんにとってはその特性から苦手なことと言えます。
◆困りごとは発達タイプによる?
さらに、それぞれの困りごとをお子さんの発達タイプ別で詳しく見てみました。
まず、回答者のお子さんの発達タイプの全体の内訳はこちらの通りです。
自閉症スペクトラム(ASD)タイプが30%、
混合タイプが23%、
注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプが20%、
定型発達タイプが9%、
学習障害タイプが2%、
不明が16%でした。
次に、第1位からそれぞれの困りごとをお子さんの発達タイプ別でご紹介します。
第1位「感情的になると、気持ちが切り替えられない」は、ASDタイプが46%、次いでADHDタイプが21%、混合タイプが14%、学習障害タイプは4%、 定型発達と不明がそれぞれ7%という内訳でした。
ASDタイプと混合タイプのお子さんを合わせると60%と多くを占める結果となりました。
困りごとがあると回答された方のうちASDタイプの50%、混合タイプの21%、ADHDタイプの35%が選択した結果となりました。
これらの結果から、混合タイプは、ASDタイプやADHDタイプの特性を持っていることで、コミュニケーションに苦手さのあるASDタイプの特性を持つお子さんに比較的目立っている困りごとだということが伺えます。
第2位「一斉指示に従えない」は、混合タイプが30%、ASDタイプが26%、ADHDタイプが22%、学習障害タイプが4%、不明は17%という内訳でした。
困りごとがあると回答された方のうちASDタイプの23%、混合タイプの37%、ADHDタイプの29%が選択した結果となりました。
ASDタイプ、ADHDタイプ、両方の特性を併せ持つ混合タイプそれぞれに、一斉指示に従い行動することが課題となっていることが伺えます。
第3位「自分の話を一方的にしてしまう」は、ADHDタイプが36%、混合タイプ32%、ASDタイプ18%、不明が14%という内訳でした。ADHDタイプと混合タイプを合わせると、68%と多くを占めています。
困りごとがあると回答された方のうちADHDタイプの47%、混合タイプの36%、ASDタイプの15%が選択した結果となりました。
これらの結果から、ADHDタイプの特性による衝動性や多動性から、相手の感情や様子に気をつけながら伝えることへの課題が目立っていることが伺えます。
第3位「自分から友達の輪に加われない」は、ASDタイプが55%、次いで混合タイプが14%、定型発達タイプが9%、ADHDタイプが5%、不明が18%という内訳でした。
こちらもASDタイプと混合タイプのお子さんを合わせると68.19%と多くを占める結果となりました。
困りごとがあると回答された方のうちASDタイプの46%、混合タイプの16%、定型発達タイプの40%、ADHDタイプの6%が選択した結果となりました。
この結果から、コミュニケーションに苦手さのあるASDタイプが自分から友達の輪に加われない様子が目立っているということが伺えます。
第5位「次の活動にスムーズに切り替えることができない」は、ADHDタイプと混合タイプが30%、ASDタイプが25%、不明は15%という内訳でした。
困りごとがあると回答された方のうちADHDタイプの33%、混合タイプの30%、ASDタイプの19%が選択した結果となりました。
これらの結果から、ADHDタイプと混合タイプに見られがちな過集中、切り替えの難しさ、時間感覚の弱さなどから、このような困りごとととして目立ちやすくなっていることが伺えます。
第6位「みんなと一緒に行動できない」は、ASDタイプが32%、次いで混合タイプが26%、ADHDタイプが21%、学習障害タイプと定型発達タイプが5%、不明が11%という内訳でした。
困りごとがあると回答された方のうち混合タイプの25%、ASDタイプの22%、ADHDタイプの22%、学習障害タイプの50%、定型発達タイプの13%が選択した結果となりました。
これらの結果から、ASDタイプ、ADHDタイプ、両方の特性を併せ持つ混合タイプそれぞれにみんなと一緒に行動できないという困りごとが目立っていることが伺えます。
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3.短時間で!お家でできる低学年の集団生活の困りごとへの対応と教材、間もなくリリース!
今回、アンケート結果で、低学年の発達障害・グレーゾーンの子どもの集団生活に関して92%以上のママ達が困りごとがあると感じていることがあることがわかりました。
特に、自分の気持ちや思いを感じ適切に行動すること、他の人の気持ちに配慮して行動すること、指示を聞いたりして周りに合わせて行動することに課題を感じていることが明らかになりました。
学校というお母さんの目が届きにくい集団生活の中で起こる困りごとで、発達障害・グレーゾーンの子どもたちが、特性によってうまくできなかったり、勝手にできるようにならないことのため、心配されている状況だと言えます。
特性が関係していることとはいっても、できるようにならないことではなくて、お子さんにあった対応で少しずつ力を育てていくことができるのです!
集団生活での困りごとは、実は、お家でお母さんがお子さんとコミュニケーションをとりながら対応していくことができるのです。
発達障害・グレーゾーンのお子さんには、集団生活の中で辛い思いをしながら学ぶよりも、安心できるお母さんとのやり取りの中から学ぶ方が身につけやすいといえます。
「回答された困りごとの解決につながるトレーニングがおうちでできるとしたら、やってみたいと思いますか?」という質問には、93%%が「やってみたい」と回答されています。
お母さんたちのお子さんのためにやれることはやってみたいという熱い想いが感じられます。
さらに、「もしおうちでトレーニングをやってみるとしたら、1日にどれぐらい時間が取れそうですか?」という質問への回答は、10分以内が43%、次いで5分以内が29%、15分以内が19%、30分以内が8%、1時間以上が1%でした。
72%が10分以内、91%が15分よりも短い時間での取り組みを望まれていることが見えてきました。
そこで、発達障害・グレーゾーン小学生低学年の集団生活の困りごとに短い時間でお母さんがお子さんとコミュニケーションをしながら対応できる方法を小冊子に完全保存版としてまとめてました。
集団生活で必要とされるスキルの「ソーシャルスキル」をお家で身につけるためのソーシャルスキルトレーニング教材の一部を特別におつけしています!
せひお手に取ってくださいね!
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執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)