2学期に入って登校しぶりに悩んでいるママが増えています。夏休み明けの登校しぶりを防ぐカギは、なんと1学期の終わりの学校生活にあり!!特別支援学級の先生へのインタビューで、登校しぶり解決に向けて今すぐ動くべき理由が明らかになりました。 |
【目次】
1.今年の夏休み明けはイレギュラーの連続!
2学期が始まって2週間が経ちました。毎年夏休み明けは登校しぶりをする子が増えるもの。
パステル総研が夏休み前に実施したアンケート調査でも、夏休み明けの登校しぶりの心配が第2位にランクイン!登校しぶり問題の深刻さがうかがえる結果となりました。
そこでパステル総研では、実際に2学期が始まってからの登校しぶりの状況はどうなのか、Twitterで追跡調査を実施しました。
今年度は、8月からコロナ第5波で感染者が爆発的に増え、2学期の開始が危ぶまれました。
結局一斉休校にはならず、各自治体に判断がゆだねられることとなりましたが、実際に学校が始まるかどうかやきもきした親子も多かったはずです。
通常通り学校が再開したケース
分散登校になったケース
オンライン授業になったケース
給食のスタイルが変更になったケース
行事が中止・延期になったケース…
子どもたちも落ち着かない2学期スタートになりましたよね。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、環境の変化を受けやすく、「いつもと同じ」が安心する特性があります。
ですから、
・自分のペースで過ごせていた夏休みから学校が再開する
・その学校生活も1学期と違うものになっている
というダブルパンチは、子どもたちの心身に大きな影響があったと言えます。
2.子どもたちの登校しぶりの状況は?特別支援学級の先生に緊急インタビュー
このような状況で、実際に学校現場ではどのようになっているのか、特別支援学級の先生をされている、発コミュリサーチャー・松尾まりかさんにインタビューさせていただきました。
―――学校が始まって2週間経ちました。松尾さんのクラスの生徒さんの登校しぶりの状況はどうでしょうか?
「うちのクラスの場合、2学期の最初から頑張って登校していたけれど、ここにきて少し疲れてしまった子がいますね。ちょっとお休みしながら登校しています。
この子は1学期も登校しぶりがあったのですが、7月ごろには元気に登校できるようになって、いい流れが作れた状態で夏休みに入りました。そのままの流れで2学期も登校できていたのですが、ちょっと頑張りすぎてしまったようですね。」
―――なるほど!元々登校しぶりがある子でも、1学期の終わりに学校で成功体験ができていると、スムーズに登校できたんですね。
「そうなんです!夏休みの登校しぶりを心配されるお母さんはとても多いですよね。私は、夏休み明けの登校しぶりを本気で防ぎたいなら、6月あたりからしっかり動くべきだと考えています。」
―――そんなに早く動くんですか!?夏休みもまだ先のタイミングですよね…?
「そうなんですよ。やはり1学期の最後をいかに成功体験で終わらせて2学期につなげるか、というのが鍵になります。
6月の段階で登校しぶりをしている子は解決して1学期を終える。
失敗体験をして自信を無くしている子は自信を回復して1学期を終える。
学校は楽しい場所だ!学校で頑張れたよ!そんな記憶を作ってあげるためには、ある程度時間が必要です。
課題が顕在化していればしているほど、とにかく早く動いて1学期をいい形で終えられるように学校と家庭が連携するべきだと思います。」
―――とはいえ、もう9月になっちゃいました…いずれにしても、今登校しぶりをしているなら早く解決した方がいいですよね!?
「もちろんその通りです!もし今登校しぶりをしているお子さんで、『そのうち落ち着くだろう』と様子見するのはキケンです。もしもこのまま登校しぶりが続けば、2学期最後まで引きずってしまう可能性があります。」
―――2学期の最後までですか!?
「2学期は学習が難しくなりますし、行事も多くて子どもたちの負担は大きいです。
行事前は緊張して学校に行きたくないと思うのも自然です。そうこうしているうちに寒くなって、ますます行動するのがおっくうになる…登校しぶりが悪化する要素の方が多いんです。
登校しぶりに限らず、今ある課題をそのままにして2学期を終えると、当然3学期に影響します。3学期は短いですから、あっという間に新学度…と課題をずっと引きずることになってしまいます。」
―――だからこそ、今積極的に解決するべきなんですね!
「その通りです。いかに学校を楽しませるか、成功体験を積ませるかがカギになります。その子にとって居心地のいい時間や空間を作れるように、ぜひご家庭と学校が連携して動いてほしいと思います。」
―――ありがとうございました!
3. 来年度の我が子を変えたいママは今すぐ学校との連携を開始しよう!
松尾先生のお話から、登校しぶり問題を「今」積極的に解決するべき理由が明らかになりました。
学校は毎日あります。だからこそ「そのうち慣れるだろう…」と期待する気持ちを持ってしまいます。しかし、逆を言えば毎日登校しているからこそ、毎日ネガティブな記憶をためているということでもあります。
もしそんな状況になっているのだとしたら、様子を見ていても何も解決しません。ただ事態が悪化するだけですよね。
まずは子どもたちにとって、学校が安心できる楽しい場所であると思えるようにすること。
そのためには、失敗体験を避けて、ネガティブな記憶を貯めないこと。
そして、今持っているネガティブな記憶をポジティブな記憶に上書きできるように、家庭と学校が連携していきましょう!
具体的には、お母さんの方からしっかり先生にお願いすることが大切です。
今学校でうまくいかない経験を重ねて、つらい思いをしていること。
だから学校に行きたくないと登校しぶりをしてしまうこと。
様子見をしていても解決しそうにないこと。
まずは学校が楽しい場所だと思えるよう、ポジティブなコミュニケーションをとってほしいこと。
できて当たり前のことでもほめてほしいこと。
もちろん、先生にお願いするだけでなく、家庭でも学校をポジティブにとらえられるように対応します!という姿勢を見せることはとても大事になります。
ぜひ一度、先生と一緒に作戦会議する時間を持ってくださいね!
もし、先生と直接お話しする機会がなかなか持てない方は、ひとまず書面でこちらの気持ちをお伝えすることも必要です。
お忙しい先生にも活用してもらいやすい形にこだわって、オリジナルのサポートレターを作成しました!
必要な方はぜひご活用くださいね。
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)