「本音が言えなくなる子をゼロにしたい!」と決めて、ひとり遊びで『自分から』学び・考え・意欲を伸ばすサポートをしているトレーナーにお話を聞きました。どのような対応をしたらひとり遊びでそのような力を伸ばすことができるのかをお伝えします!
【目次】
1. みんな先の見えない子育てに悩むお母さんでした
子どもができなことが多すぎて、怒ってばかりいたら、子どもが自分の意見や本音が言えなくなってしまった…
こんな風に悩まれている方は多いのではないでしょうか。
パステル総研の発達科学コミュニケーションで活動しているトレーナーやリサーチャーも同じように自分の子育てに悩み、苦しい思いをしてきたお母さんたちです。
その苦しい子育てを乗り越えて、今は自分の子どもの専門家となって子どもの発達をお家で伸ばしながら日々研究と実践をかさねて活動をしています。
その活動の思いは様々で
・子育てで悩むお母さんを一人にしたくない
・自分と同じ思いのお母さんを救いたい
・子どもひとりひとりの個性を伸ばすお母さんの発達支援方法を伝えたい
・子どもの数ほどパステルカラーがあり一人一人がキラキラ輝く未来を作りたい
・お母さんはお母さんの人生を歩んでほしい
など、たくさんの思いがあります。
そんなたくさんの思いを抱いて活明るい未来を見つめつつ、新たな挑戦をしながら活動している発達科学コミュニケーション(発コミュ)トレーナーをご紹介します。
2.ひとり遊びで「自分から」学び・考え・意欲を伸ばす!サポートをしています
今回は発コミュトレーナーの中澤久美子さんにインタビューをしました。
中澤さんのご専門とどのような思いで発コミュでの活動をしているのかなどについて伺っていきます。
ーーー中澤さんよろしくお願いします。まずは中澤さんについて教えていただきたいので、簡単な自己紹介をおねがいします。
「ひとり遊びで『自分から』学び・考え・意欲を伸ばす発達科学コミュニケーショントレーナーの中澤久美子です。
『遊ぶだけで頭が良くなったらいいのにな』という夢を叶える、ひとり遊びコミュニケーションの専門家です。
遊ぶだけで子どもの秘めた才能が勝手に伸びる魔法の育児法を発明しました!
仕事と育児に追われて、ひとりでゆっくりする時間がない!
子どもがママにべったりで離れてくれない。
仕方なくTVやYouTubeに子守をさせていることに罪悪感を感じる…
私の体がもうひとつ欲しいと思う
そんな忙しいママの子どもが
ひとりで遊んでくれたらいいのにな。
遊ぶだけで頭が良くなったら良いのにな。
という願いを叶えるひとり遊びで脳を成長させるママの接し方をお伝えしています。
脳は楽しいことが大好きです! ひとり遊びをさせる!非常識な方法こそが、脳を成長させるポイントなんです。子どもをひとり遊び上手にさせて、脳を成長させながら、ラクに楽しくママの余裕も手に入れていきましょう。
子育ても仕事も自分自身の時間も諦めないママを全力で応援しています!」
◆ポイント解説
「ひとり遊び」が中澤さんのキーワード。たしかに、自分で遊んでくれて、自分で発達してくれたら最高ですよね!
ただ、ひとり遊びが上手な子も上手でない子もいます。
ひとり遊びが上手でないと、すぐに「ママ―!」と呼ばれて落ち着かず、結局ママがいつも遊びに付き合っている…ということ、ありますよね。
また、ひとり遊びが上手なお子さんの場合も、「全然お友達と遊んでない」「もっと喋りかけてあげたほうがいいのかな」と悩んだり、話しかけても、うまく会話が成立しないということがあります。
ひとり遊びについて詳しくお聞きしました。
ーーーひとり遊びが好きな子には、どういう対応したらいいですか?
「ひとり遊びばかりを好む子は、コミュニケーションの苦手さや、体の使い方の不器用さがあります。
友達の遊びのペースについていけなかったりとか、後はコミュニケーションがちょっと苦手なのでお友達と会話をやり取りするのが苦手なんですね。
ただ、そもそも、ひとり遊びをさせるのは悪いことなのかなっていうことをちょっと考えていただきたくて。ひとり遊びを好む子は、遊びに没頭できる集中力とか、後は自分で遊びを考える思考力とか、想像力が豊かなことが多いです。
ひとり遊びばかりしている子をお持ちのお母さんたちは、お友達と遊べるのか?と心配になってしまって、一生懸命友達と遊ばせようとするかもしれませんが、心配ありません。
ひとり遊びは成長するためにとても大事なプロセスの一つなんです。 ですから、無理やりお友達の輪に放り込むことはやめてください。
なぜなら、コミュニケーションが苦手だったり、そもそもお友達に興味が無かったりする場合、無理やり友達の輪の中に入れてたとしても「うまく遊べなかったな」という失敗の体験を積み重ねてしまうことになります。
できない体験は自信を失う原因になりますので、まずはお家で練習を積んでいっていただきたいと思います。
特に3歳くらいまでの子どもには、ひとり遊びがとても重要な時期なんです。ひとり遊びをしながら集中力を育んでいます。ひとり遊びを徹底的に経験した子は、『もっと自分の遊びを広げたい!』という考えになっていきます。
自分が楽しんでいる場に『別の子を呼んできたい』とか、自然とお友達に目を向けるようになり『あの子の遊び方、すごくおもしろそう!』とお友達に興味を持つきっかけにもなっていきます。
ひとり遊びは無理矢理辞めさせるのではなくて没頭させてあげて欲しいなと思っています。
『ママがお友達の代わりに遊びながらコミュニケーション力を育てましょう!』と言われたりもするんですけど、忙しいママはなかなか遊び相手をする時間がないと思います。
ですから、ひとり遊びを活用して欲しいんです。ひとり遊びの仕方を工夫すると、ひとりで遊びながらコミュニケーションの力を高めることができるんです。」
ーーーひとり遊びでもコミュニケーション力が高まるんですか!
「コミュニケーションを高めるオススメの遊び方がごっこ遊びです。
ごっこ遊びは登場人物がやっぱり一人じゃなくて複数いますよね。お店屋さんとお客さんとか、お医者さんと看護師さんのように会話のやりとりを想像しながら遊べるので、ひとりでコミュニケーションのシュミレーション練習になります。
ひとりで遊びに夢中になっている時は、お子さんが集中している証拠なので、ママは言葉をかけたりしなくて大丈夫です。
ここで話かけてしまうと、せっかくの集中力が途切れてしまうので、ママは自分の自由時間ができた!と思って、そっと見守ってあげてください。ちょっと離れていても、「ママ〜!」と呼ばれた時に戻れれば大丈夫です!」
ーーーなるほど!たしかにごっこ遊びならバリエーションは無限大ですね!いろいろな場面のシミュレーションになるのも、子どもの発達に役立ちますよね。
「ただ、コミュニケーションが苦手な子は、会話が続かないかもしれません。
それは、言葉の種類が少なかったり、やりとりが想像できなかったりするからなんですね。その場合は、後ほどお話する「上手く遊べない時の対応」を参考にしてください。
こんな風にやりとりすれば良いんだ!と子どもが想像できるようになると、自分でセリフを言い始めます。セリフが出始めたと思ったら、ママはそっとその場を離れてOKの合図です。
そして、ひとり遊びをさせた後はママが遊びの内容を聞いてあげてください。『何屋さんの遊びしてたの?』『お店屋さんでは何を買ったの?』という風にごっこ遊びの内容をネタにして、お子さんとの会話を引き出してみてくださいね!」
◆ポイント解説
いつも一人で遊んでいる子のコミュニケーションやソーシャルスキルを心配されるお母さんはたくさんいらっしゃると思います。
中澤さんのお話から、段階的に考えていけばいいということが分かりました。
まずは集中して取り組める環境を整える。
次に遊びが発展していくようにサポートする。
お友達と関わらせるのは、最終段階でOK!
そして、ひとり遊びの後には遊びの内容を聞いてあげることで、コミュニケーションで語彙を増やしたり、遊びの種類もどんどんどんどん増えていくということが分かりました。
続いて、ひとり遊びが苦手な子への対応について伺いました。
ーーーひとり遊びが続かず、すぐに「ママ!」と呼ばれてしまうと大変なのですが、付き合ってあげたほうがいいのでしょうか?
「最初は、ひとり遊びのやり方がわからないことが多いので、一番最初はお母さんがお子さんにやり方を教えてあげてほしいと思います。
一番最初に判断してもらいたいのは、例えばごっこ遊びだったら、その子が遊びをしたときに、会話のやりとり、セリフが出てくるかっていうのが1つポイントです。
セリフが出るようであればそのまま続けさせていいです。どうやったらいいのかわからないのであれば、最初は役割を与えて『じゃぁお店屋さんね、ママがお客さんね』のような形でやり取りを始めて、遊んであげることが必要になってきます。」
ーーー中澤さんのおすすめ遊び方はありますか?
「おすすめは、お家でやりとりしている『朝の場面』など、場面を限定して設定してあげると、お子さんも状況を思い出して遊びやすいですよ。
その中でお子さんが遊び始めたら、ママはだんだんフェードアウトしていくというやり方をしていただけると良いかなと思います。
ママがいないと遊びが止まってしまう場合は、呼ばれればまた戻っていけばいいんです。
大体没頭し始めると自分で勝手に遊び始めます。お子さん自身がセリフ言い始めて会話が続くようになったなぁと思ったら、ママはちょっと様子を見てフェードアウトしていくようにしていくと、ひとり遊びがだんだん上手になっていきます。」
ーーーひとり遊びは勝手にやり始めるものではなくて、教えていくという新たな視点を教えてもらえました。やり取りをしながら一緒に遊んで、少しずつ手を離していくというところがポイントですね。
「ママが子どものことに興味や関心を持って見守ることは、必ず必要になります。
ひとり遊びができない子は、やっぱり不安が強かったりするんですね。ママと一緒じゃないとできない場合もあるので、『ママ見てるよ、ここにいるよ!』という安心感を与えてあげるだけで、お子さんは自分で遊び始めることができるようになってきます。」
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ひとり遊びを教えるテクニックだけではなくて、ひとり遊びができない子の不安を和らげるために、お母さんの存在で安心感を与えてあげることが大事ということがとても印象的です。
3.どうやって自分から学び・考え・意欲を伸ばすの?
さらに中澤さんのご専門【自分から考え学び・考え・意欲を伸ばす】ことについて伺っていきます。
ーーー【自分から考え学び・考え・意欲を伸ばす】というと、まさにこれからの時代を生き抜くために必要なチカラだと感じました。どうすればそんな子に育てることができるのでしょうか?
「遊びの中から自分で考えたり学んだりする力を育ててあげることが大事だと思います。
なぜなら、脳は新しい情報を学ぶのが大好きだからです。そして、楽しい!と思えると学習スピードは上がってくるんですね。
だから、脳が楽しいと思える遊びの中から、『もっと知りたい!もっと遊びたい!』という気持ちを引き出してあげると、自分から学んだり考えたり意欲を伸ばすことに繋がっていきます。」
ーーーそこで中澤さんのおすすめがひとり遊びなんですね!
「はい、その通りです!ひとり遊び上手にすることがオススメです!
ひとり遊びは『次、どうしようかな』とか『どう進めて、これをどうやって遊ぼうかな』という風に考えると思うんですが、遊び方にルールがないですよね。
自分の関心ごとについて、どんどん自分のルールの中で遊んでいけるので、どんな遊び方をしてもそのまま正解なんです。 遊ぶことで自分に◯をつけられるという、お得な機能が付いているのがひとり遊びです。
没頭する力とか、我慢する力とか、これからどうすればいいのかを考える力などたくさん一人遊びだと育てることができます。
例えば、パズルなどの遊びの中でも、ちょっと難しいけど挑戦して、たとえ失敗したとしても、じゃあ次はどうやったら成功するかな?という風に自分の中で興味があることなので、ワクワクしながら行動し続けられると思います。
このワクワクしながら行動を続けられるかどうかということが、生き抜く力に変わっていくのではないかと思います。
興味があること、好きなことを見つけてあげて、その好きなことを伸ばしていってあげることが自分から学んで考えて意欲を伸ばす力につながると思います。」
ーーーありがとうございます。自閉傾向のお子さんの中には、長い時間、同じような遊びを繰り返す傾向がある子がいるので、お母さんが次の一手をポンと投げてあげることも必要ですよね。
「やっぱり注意してあげた方が良いのは、例えば、同じシールをずっと貼り続けている子とか、折り紙をずっと折り続けている子とかですね。
繰り返し作業だけをしている場合は、バリエーションが足りないと言うこと。
お子さんの興味関心、どんなものが好きなのかを探るつもりで、お母さん自身もお子さんを探求するつもりで声をかけてあげる。
で、『こういうこともやってみようか』と提案をしてあげることで遊びが広がっていきます。
その遊びが広がることでお子さん自身が『じゃあ、これは次どうしようかな』って考えるきっかけになると思います。そういうものをお母さん自身が与えてあげて欲しいなと思っています。 」
◆ポイント解説
【自分から考え学び・考え・意欲を伸ばす】ためには、勉強をガリガリやらせるのではなくて、子どもが興味があること、好きなことをお母さんが見つけてあげて、その好きなことを伸ばしていってあげることだポイントなのだと分かりました。
子どもが興味ないことをやらせるのは難しいことですが、好きなこと、興味があることであればすぐに乗ってくるのでやりやすそうですね!
次回は、中澤さんの発コミュとの出会いから現在までについてお話を伺っていきます。お楽しみに!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)