お店で「お母さんこれ買って!」とわがままを言われて困ることはないですか?買って欲しい気持ちを我慢ができない子どもに、一方的に「ダメ!」と言っても解決しません。好きなことは頑張れる真面目なタイプのお子さんにはこんな対応いかがですか? |
【目次】
1.子どもの「これ買って」に疲れていませんか?
2.欲しいものはどうしても我慢ができなかった息子
3.好きなものへの情熱は大事にしながらルールを教えよう
4.我慢ができる子どもに育てるための秘策!
①子どもの気持ちを聞く
②どうしても欲しいなら買ってあげる!新たなルールを加える
5.褒め褒め作戦で気持ちよく!我慢ができる子どもに育ちました!
1.子どもの「これ買って」に疲れていませんか?
子どもと一緒に買い物に行くと、
「これ欲しい!買って!」
とせがまれることが多いですよね。
我慢してもらおうとしても、まだまだ我慢ができないお子さんだと、
お店で泣き叫ぶ
その場から動かなくなってしまう
寝転がってしまうことまで⁈
そんな行動が出てしまい、お母さんとしては買い物に行くのがストレスになってしまっているケースも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、子どもが物を欲しがったときに我慢できない場面での我が家の対応方法をお伝えします!
子どもが「どうしても欲しい!」という気持ちと折り合いをつけながら成長していけるヒントがありますよ。
2.欲しいものはどうしても我慢ができなかった息子
我が家の13歳の息子は、ギフテッドの特性があり、好きなことにはとことん熱中します。小さな頃は電車や機関車が大好きでした。
当時幼稚園に入園する前の3歳頃。
一日中プラレールで遊ぶ
電車の絵本を読むのが大好き
機関車トーマスのアニメを見るのも好き
と、毎日いつも電車関係の遊びをしていました。
祖父母がそれを見て、昔の蒸気機関車D51の古めかしい動画のDVDをくれました。
普通のお子さんならば単調すぎてつまらないシーンも、息子にとっては面白かったようで食い入るように見ていたものでした。
実際に蒸気機関車を見に行ったり、乗れる機会があると乗りに行ったりと蒸気機関車大好きっ子でした。
そのようなお出かけへ行くと、電車や機関車のプラモデルやおもちゃ等が販売されていることが多く、息子は必ず欲しがりました。
好きな事にはどんどん熱中して欲しいから買ってあげたいという想いと、家にはどんどん電車関係のおもちゃで溢れかえってきていた状況から、我が家では、
「毎月1個だけ好きな物を買ってあげるね。」
という約束を息子としていたのです。
ある日、本屋さんへ行くとD51の蒸気機関車が表紙に載った雑誌が販売されていました。
それは、有名なDEAGOSTINI(ディアゴスティーニ)という雑誌で、複数回にわたってD51のミニチュアプラモデルの部品がついてきて、最後まで雑誌を購入すれば完成させることができるというものでした。
息子は、
「デゴイチ買って‼︎」
と言います。
しかし、その月は他のものを買ってしまっていたので、
「今日はもう買えないよ。」
と伝えました。
私は、この雑誌を一旦買ってしまえば今後最終回まで買わなければいけなくなることを恐れていたのと、ここで許してしまえばいつでも買ってもらえると思ってしまうのではないかと思いました。
これまでも、買えないときに「買って!買って!」と言われて、大泣きする息子を抱えながら帰宅するということが度々ありました。
息子一人なら抱えられるものの、息子の妹である娘が生まれ、娘を抱っこした状態で息子を抱き抱えることは厳しい…
私は、何とか説得して我慢させなければ!と考えたのです。
息子は、
「やだ!買う!」と言い、何度説明しても聞いてくれません。
その場に座り込んで動かなくなってしまいました…
無理矢理引っ張って連れて帰ればひどく暴れそうな予感がしていました。
3.好きなものへの情熱は大事にしながらルールを教えよう
我が家のギフテッドの息子だけでなく、自閉症スペクトラム症(ASD)やアスペルガー症候群のような、発達に特性のあるお子さんの中には、苦手なことも多いけれど好きなことならものすごく頑張れる!という場合が多々あります。
好きなものはとことん集めたい!
好きなことはどんどん調べたい!
と、遊びに夢中になる姿がお家でも見られるのではないでしょうか?
好きなものへの気持ちが強いことで、衝動的に欲しい欲しい!という気持ちが高まってくることがありますね。
きっと、普通の子よりも好きなことに対する情熱が熱いのです!
これは絶対手に入れて遊びたいんだ!という強い気持ちを持っているためです。
だから、好きの気持ちは大事にしてあげたいですよね。
また、自分の気持ちを大事にしてもらえた子どもは、親からのお願い事や約束事も聞いてくれるようになります。
もともと、真面目でルールはしっかり守るものと考えているタイプの子は、お母さんと一緒に決めた約束事は、しっかりと守らなきゃ‼︎と考えているんですよ。
物を欲しがって我慢できないときは、「絶対にダメ!」ではなく、お子さんのタイプも考えて対応していく必要があると思います。
4.我慢ができる子どもに育てるための秘策!
では、息子が欲しいものを我慢できなかったとき、私がとった対応策はこちらです!
◆①子どもの気持ちを聞く
息子が欲しがった蒸気機関車のプラモデル付きの雑誌は、どう見ても大人向けのものでした。
3歳の息子が作れるものではなさそうだし、雑誌の中身も細かい字で説明文が書かれていてとても息子には読めそうもありません。
「この間、おもちゃひとつ買ったよね。」
「一個だけっていう約束だよ、守ろうね。」
「これ作るのがすごーく難しいよ?」
「読むのも大変だよ?」
と話しかけてみました。
すると、
「難しくていい。」
「絶対作る!」
「本も読む。」
「もう何もいらない。これ買って!」
と言ってきました。
息子の言葉を聞き、そんなに欲しいのだな〜と思い、もし買ってあげたら意外と頑張って作るのかも?なんて思うようになりました。
◆②どうしても欲しいなら買ってあげる!新たなルールを加える
もともと、我が家ではおもちゃを買ってもらえるのは月に一つ!という約束でした。
ルールを決めておかないと、あれも欲しい、これも欲しいと収拾がつかなくなってしまいます。
本当に自分の必要な物をよく考えてお金を使える人になってほしい、約束を守れる人になって欲しいという想いもありました。
しかし、欲しい雑誌の前から全然動かなくなってしまった息子の気持ちを聞いて、
「買ってあげようかな」
と考えるようになりました。ただし、いつでもルール変更可能だと息子が思ってしまったら嫌なので、新たなルールを提案したのです。
「今日これを買ったら、次の月には何も買えないよ。それでもいいかい?」
と聞くと、
「うん!僕、我慢できるよ!」
と元気に返事をしてくれました。
本当に我慢できるのかな…?と心配な気持ちと、
我慢できないだろうな…という諦めの気持ちと、
2つの気持ちを持ちつつも、息子に蒸気機関車のプラモデル付き雑誌を買ってあげたのです!
5.褒め褒め作戦で気持ちよく!我慢ができる子どもに育ちました!
翌月のおもちゃ代を前倒しして買った蒸気機関車プラモデル付き雑誌。
息子は約束通り、自分でプラモデルを作ろうとしましたがやはり難しく、私や主人が手伝いました。
普段ならできないことには手を出さない息子が、手伝っている間も飽きることなく真剣に手伝い、雑誌も、何度も何度もイラストや写真の部分を見ていました。
そんな息子に、
「約束通り頑張って作ったね。」
「難しい本なのに見てすごいね!」
と声をかけ、約束を守れたことを褒めてあげました。
それが嬉しかったようで、
「僕、約束守るよ!」
と言い、実際に翌月に欲しいおもちゃがあったときも、同じ雑誌の続巻が出たときも、我慢することができました!
そのときも、
「よく我慢できたね!」と褒めることで、息子は誇らしげな顔をしていました。
現在息子は13歳、今までに親からお小遣いを前借りして欲しいものを買うということが何度かありました。
成長の中で、前借りしてすぐにまた前借りのお願いをするという『前借り常習犯』になりかけたため、『借金』という概念を教え、「借金ばかりしていたら借金地獄になるよ」と話をしたことがあります。
そうすると、前借りした翌月は欲しい物を我慢するということに葛藤し、最近では、
「前借りして買っても後から欲しいものが出てきて辛いから、最初に我慢してお金が貯まってから買うわ!」
と言うようになりました(笑)
欲しいものへの情熱が熱いお子さんでも、ルールや決まり事をきっちり守りたいタイプの子の場合、欲しい気持ちを優先してあげてもいいんです。
その後で、お金の価値について話し合ったり、いつも約束を守れていることを褒めてあげたりすれば、
「お母さんは自分を信じてくれている!」
と、次からは我慢することができるようになりますよ。
まずは、お子さんが我慢できずに欲しがったときは、その気持ちをしっかり聞いてあげてくださいね。
好きの気持ちを大事にしながら、物を我慢する心が育つ!我慢できる声かけ方法を多数配信しています。
執筆者:すずき 真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)