わざと困らせる子どもの行動を試し行動と言います。何度注意しても、繰り返される試し行動にママが我慢の限界になることも。ダウン症キッズが試し行動をとる理由と簡単対処法をお伝えします。
【目次】
1.わざと困らせるダウン症キッズの行動に悩んでいませんか?
2.ダウン症キッズが困らせる行動を繰り返すワケ?
3.ダウン症キッズの試し行動への簡単対処法
①試し行動をスルーする
②肯定する回数を増やす
1.わざと困らせるダウン症キッズの行動に悩んでいませんか?
「悪いと分かっているのに子どもがわざといけないこと繰り返す!」と悩むダウン症キッズのお母さんは多いですよね。
我が家の息子は5歳ダウン症です。
実は発達科学コミュニケーションに出会う前はわざと私を困らせることを繰り返す息子にイライラしていました。
息子がよくやっていたのは食事中に スプーンやフォークをわざと落として「落ちちゃった」と言い 私に拾わせること。
そんな息子に
・「スプーンを落としちゃダメって何度もいってるでしょ!」
・「なんで落とすの⁉」
・「自分で拾いなさーい!!」
などと、その度に叱っていました。
しかし叱れば叱るほど、 スプーンを落とす回数が増えていき毎日の食事時間が暗く険悪な雰囲気になっていきました。
私は真剣に怒っているのに、 子どもには全然伝わらない。 叱れば叱るほど問題行動が悪化する…。
「なんで何度言ってもやめてくれないの!?」と 私は絶望感でいっぱいになりました。
実は、この「叱る」ことが子どもの問題行動をエスカレートさせていたんです。
2.ダウン症キッズはわざと困らせる行動を繰り返すワケ?
「試し行動」という言葉を聞いたことある方も多いんじゃないでしょうか?
自分をどの程度まで受け止めてくれるのか探るために、 わざと困らせるようなことをすることを「試し行動」といいます。
例をあげると
・ものをわざと投げる、落とす
・手に負えないほど泣き叫ぶ
・絵本をわざと折る、破くなど物を壊す
・食事やジュースをわざとこぼす、吐き出す
・床や壁をわざと汚す
・大人や友だちにわざと噛みつく
・大人の様子を見ながら逃げる
・何度も叱られた行動を繰り返す
このような試し行動をする背景にダウン症キッズの特性が関係しているんです。
◆不安が強い
ダウン症キッズは不安が強いという特性があります。
「ママはどれくらい僕(私)のことを大事に思ってくれているのか」
「こんな悪いことをしても、ママは受け止めてくれるかな」
一番身近な大人であるママの愛情を確認して安心したいために試し行動が現れます。
◆他に気を引く方法がわからない
ダウン症キッズは、不器用・口下手な特性があります。
ママの気を引きたい時、視線を独占したい時 他に方法が分からず手っ取り早くネガティブな行動で注意を向けようとすることがあります。
ダウン症キッズがママの顔をみながら、ママの様子をうかがいながらわざとやっている時は、試し行動の可能性が高いです。
ママが「嫌い」だから、あるいは「困らせたい」から このような行動をとっているわけではありません。
不安を感じやすく、ママに甘えて愛情を感じたい。 しかし、ポジティブな方法が分からないという特性があるため 困った行動を繰り返しやすいということなのです。
そうはいっても、試し行動はママにとってはやめさせたい行動であるため何とかしたいですよね。
その簡単対処法を次の項でお伝えします!
3.ダウン症キッズの試し行動への簡単対処法
試し行動は、誤ったコミュニケーション方法なのでこの機会にやめさせたいですよね。
子どもが試し行動をしなくてもママの愛情を感じられるようになる簡単対処法をお伝えします!!
◆①試し行動をスルーする
まずは、やめさせたい行動を叱らず怒らず、スルーしてみてください。
「ダメだよ」などと強く反応すると試し行動はエスカレートしてしまいます。
「ママは、あなたの行動を気にしていませんよ~」の態度を徹底しましょう。
◆②肯定する数を増やす
試し行動をしていない時に、肯定する回数を増やすことがとても大切です。
・「頑張っているね! 」
・「もう、トイレにいったんだ。」
・「ありがとう、お母さん助かるな~。」
などと、普段の生活で、子どもができている当たり前のことを褒めて、肯定する回数を増やすことです。
否定されることより、肯定されることが増えてくると、子どもの心はだんだんと満たされてきます。
わざと怒られるようなことをしなくてもママは僕を(私を)しっかり見てくれると気づき、試し行動が減っていきます。
試し行動は、その行動自体をどうするかよりも、試し行動をおこしていないときに肯定する回数を増やすことで解決できます。
日常のコミュニケーションを大切にすることによって解決するんです!
試し行動は子どもと信頼関係を育むきっかけになる行為でもあります。子どもを肯定しながら、共に成長するという気持ちを大切にしていきましょう。
ダウン症キッズやパステルキッズへの対応はこちら!
執筆者:松下かよ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)