小学生になると必ず出るのが音読の宿題ですよね。はじめは張り切っていたのに、宿題だからと嫌々仕方がなく取り組んだり、「やりたくない!」と言い出すお子さんがでてくるかもしれません。我が家がそうでした。どのように対応したのかお伝えします。
【目次】
1.音読をやりたくないと言われたら…
2.小学生の宿題に音読がでる理由は?
3.息子の「したくない!」に悩んで出した答え
4.ストレスフリーな学習タイムの作り方
◆「やりたくない」の気持ちを優先
◆やらされているとは感じさせないこと
◆一人ひとりにあった宿題スタイル
5.大切なのは親子で気持ちよく過ごせること
1.音読をやりたくないと言われたら…
発達障害・グレーゾーンの子どあの学校生活が始まるとぶつかる壁の1つに…「宿題」がありますよね。どの学年にも共通する小学生の宿題といえば音読です。
1年生も習いたてのひらがなで音読をしますよね。最初のうちは張り切ってしていても、だんだんとやる気がなくなり、「やりたくない!」と言うかもしれません。
そんな時、お母さんはどう対応しますか?
きっと「早く終わらせちゃおう」と声がけするお母さんが多いのではないでしょうか。
障害の有無に関わらず、宿題は子どもにとって決して好きなものではないです。
それでも、出されたものはやるのが当たり前のこととして取り組んでいる子がほとんどではないでしょうか。
もちろん親もやるのが当たり前とおもっていますよね。ですから、子どもが宿題を後回しにしたり、やらなかったりすると「早くやりなさい!」なんて声をかけてしまいますよね。
そんな声がけに宿題をすぐに取り掛かる子はどのくらいいるのでしょうか?
取り掛かれないお子さんのほうが多いのではないでしょうか?
特に発達障害・グレーゾーンの子どもはもともと持っている脳の特性や脳の発達が未熟なことにより、お母さんの声がけにすぐに気持ちを切り替えて行動を変えることはできません。
また、周りの子が普通にできていることに困難を感じることがあります。宿題もその困難の1つになってしまうことも十分にあり得ます。
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2.小学生の宿題に音読がでる理由は?
なぜ小学生の宿題に音読が出されているのかご存知ですか?
音読をすることで
・大きくハッキリと発声する練習になる
・自分の意見をはっきり伝える練習になる
・知識のアウトプットができる
・国語以外の総合力をつけることができる
というねらいがあると言われています。
また、
・記憶力のUP
・言葉の学習につながる
・読解力や語彙力を養う
などといった効果があるとも考えられています。
ですから、小学生の宿題に音読を取り入れているのでしょう。
こんなにいいことづくめの音読ですが、イヤイヤ取り組んでその効果は出るのでしょうか?
音読に限らず、子どもが自ら自主的に取り組んだ学習とそうではない学習の効果を比べると前者のほうが効果があるというのはお母さんたちにもわかることですよね。
発達凸凹小学生が音読や宿題になかなか取り掛かれなくなる理由は発達状況や特性によって様々です。
・集中力が持続しない
・学習障害がある
・不注意で間違えが多く、やる気がなくなる
・学校の授業で理解できていない
・課題が複数でも1つで精一杯
などが考えられます。
ですから、「必ずやるもの」であり、「やって当たり前だから、何とかやらせなくては」と思った対応をお母さんがすることは発達障害・グレーゾーンの子どもにとってはとても辛いのです。
子どもに辛い思いをさせないためには、どうしたら良いのでしょうか。
3.息子の「したくない!」に悩んで出した答え
私の息子が小学1年生だったころのお話です。
小学校に入学する前からADHD傾向があるなあと思っていましたが、幼稚園では特に大きな困りごとはなく、はっきりした診断もなく入学しました。
学校生活では多少、衝動性が気になりましたが大きな問題もなく過ごすことができていました。
宿題にも張り切って取り組んでいて、音読と文字の練習、計算といった簡単な宿題でしたので10分もかからずに終えることができていました。
しかし、授業が5時間授業になり本格的な学校生活が始まると…学校生活に疲れが出ているように感じました。
張り切ってやっていた宿題も取り組み方が「イヤイヤ」になってきて、分からないことがあるとイライラして「早くおわらせたい!」とい気持ちが前面に出ていました。
そして次第に音読をしなくなりました。
算数のプリントだけで精いっぱいで、次に音読をすることまで気持ちがついっていかなくなってしまったのです。
はじめは音読もやるようにと 、「音読しておやつ食べよう」というように声をかけましたが、息子は「やらない!」と一言。
そんな息子を横目に「宿題だし、みんなもやっているだろうし、やってほしいな」という思いがありました。
息子は読み書きに全く興味を持たずに入学したので、やっと授業で覚え始めたのだから続けてほしいというのが本当の気持ちでした。
また、すでに小学生の子を持つ姉から「音読は6年生になっても続く宿題だし、続けることが大事って言われているよ」と聞いて心配にもなりました。
・音読をしないと文字を覚えないのかな?
・毎日続けることが大事っていうけどイヤイヤしても意味がないのでは?
・宿題って必ずさせないとダメな親?
など、いろいろ悩みました。そして、ある決断をしたのです。
すると、親子でストレスなく過ごすことができるようになりました。
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4.ストレスフリーな学習タイムの作り方
我が家の学習タイムがストレスなく過ごせるようになったポイントは3つあります。
私自身の決断と少しの工夫で今までの親子バトルやイライラがスッとなくなりました。
◆「やりたくない」の気持ちを優先
最初に私は一つの固定概念を手放しました。そして、『音読をしたくないのならしなくてもいい』と決めたのです。
「え?しなくて良いの?!」と驚かれる方もいるかもしれません。
わたしも最初は「宿題は必ずするもの」と思って言いましたが、けんかをしながらイヤイヤしても意味がないのでは?と思ったのです。
また、音読を終わらせたらからといっても、イヤイヤ音読をした息子もそれを聞いていた私も、お互いに後味が悪くて「宿題終わったね!」とスッキリした気持ではありませんでした。
ですから、必ずやらなければならないという固定概念を手放して、息子の「やりたくない」という気持ちを優先することにしたのです。
そして、担任の先生に正直に「算数のプリントだけで精一杯のようです。音読はしていません。しばらくはこれでやっていきたいです。」と伝えました。
すると先生は「学習には個人差もあるので、プリントだけでも良いです。」とお返事をいただきました。
担任の先生に伝えたことで気持ちがスッキリしました。もちろん、「音読はしないの?」と聞かれることがなくなった息子も楽になったと思います。
◆やらされているとは感じさせないこと
宿題としての音読をすることを手放しましたが、文字を読む時間は少しでもあったほうが良いと思いました。そこで考えたのが本人はやっているつもりはない音読です。
もともと妹に読んであげるということは好きだったので、その「好きなこと」を活かすことを思いついたのです。
そこで、夕飯の後や寝る前に「妹に絵本を読んでくれる?」や「○○が絵本を読むの聞きたいな」とタイミングをみて声をかけてみることにしました。
頼りにされることが好きな息子は気持ちに余裕がある時は快く引き受けてくれました。ここで、文字が読めているかをこっそり確認していました。
そして、「聞かせてくれてありがとう。楽しいお話だったね。」「また聞かせてね」と伝えて次につながるようにしていました。
本人は音読をしているつもりは全くないのですが、しっかりと音読をすることができていたのです。
毎日することは難しかったのですが、地味に続けたことで2年生の終わりには担任の先生に「とてもじょうずに読みますよね」と褒められるほどに成長しました。
◆一人ひとりにあった宿題スタイル
息子の様子を見て、必ず毎日やらないとできるようにならないということではない。子どもにあったやり方があると思えました。
わが子の場合は「音読がしたくない」でしたが、子どもによっては
・算数が苦手ですべて解くのは大変
・漢字の練習が苦手
・宿題の量が多くて集中がもたない
・必ずやらないといけないと思うがなかなか進まなくて癇癪を起す
など、一人一人違いがあります。
お子さんの気持ちと様子を見て担任の先生に相談して宿題の量を調節したりし、無理にやらせないことも大切だと思います。
いかがでしたか?
➀したくないならしなくても良い
➁やらされていると感じさせない
➂一人ひとりにあったスタイルを見つける
この3つを意識してみてください。
5.大切なのは親子で気持ちよく過ごせること
宿題はできるのならもちろんやったほうが良いと思います。しかし、息子の様子を見て、親子の関係が壊れるほど無理にやらせようとするよりも大切なことがあると気が付きました。
ですから、お子さんの宿題への取り組みに悩んでいるのなら「必ずしなければならない」を手放して、お子さんと母さんが気持ちよく過ごせる方法を探し出しましょう。
脳の発達には、子どもの発達障害の特性にあった対応をすることの方が断然良いです。宿題でバトルをする時間と心地よい親子のコミュニケーションをとる時間のどちらを選ぶとしたら…
もちろん後者のほうが良いですよね!
この方法が良いという1つの正しい答えはありません。子どもの数だけの方法があります。それを見つけることができるのはお母さんしかいないと思います。
宿題でお困りのお母さんはぜひ、ご自身のお子さんの気持ちに寄り添ってお子さんに合った方法を見つけ出してくださいね。
そして、音読や宿題の時間が苦痛にならないストレスフリーな学習タイムを過ごしてください。
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執筆者:さとうみな
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)